祝・誘拐 其の二
「へえ……じゃあ、誘拐犯とは別らしい連中が最低でも二人いるってこと」
「ええ」
私の言葉に頷くアーシェ嬢。
魔道具……というか、魔石を壊して暫く。未だ体に違和感を覚える令嬢達――おそらくは初期に誘拐されて、魔道具の装着時間が長かったせいと思われる――をよそに情報収集開始です。
数日前に誘拐されたアーシェ嬢が一番元気な上、性格的にも必要なことをしっかりと答えてくれている。
これまでに判ったことを整理してみると。
・令嬢達の世話を担当する女が一人。
・誘拐に拘わるのではなく、頭脳労働的な男が一人。
・誘拐犯達はこの二人と別グループらしい。
最後はアーシェ嬢の意見だが、この男とやらが誘拐犯のトップでなければ正しいと思われる。
というか、私達をここまで連れてきた連中はどう考えても『普通』なのだ。
騎士団長の息子の婚約者を拘束するのに、魔道具取り上げただけ?
本人が戦えることも考え、意識を失わせるくらいはするんじゃないか?
これまでの用意周到さから考えると、どう考えても詰めが甘い。
私が……いや、『セレネ』が魔術師という可能性だってあるじゃないか。
そもそもこれまで『薬で眠らせる』という方法を取っていたらしいし、頭脳労働担当(仮)としては今回も同じようにすると思っていたんじゃなかろうか?
今ここに居ないことから、今回の誘拐に限り指示しただけという可能性もある。
彼は何か別件で用事があり不在。そこへ誘拐の成功に慣れた連中が横着をした、とは考えられないだろうか。
それに。
その『世話をしている女』ってのも怪しいんだよね。……普通の女に誘拐された令嬢達――『貴族』の世話なんてできるのか?
満足に世話はできないだろうが、それでも一通り何とかなっている。それは『慣れている』もしくは『そういう立場に潜り込むことが可能な技術を身につけている』ということじゃないのか。
「ここに居るのは誘拐に携わる担当者……これは誘拐犯達の間で組み合わせを変えているでしょうね。顔を覚えられちゃうもの」
「それに加えて誘拐された令嬢の皆様ですわ。実は連れて来られた当初、こっそり窓の外を覗きましたの。大きな家が並んだ区域……おそらくは商人達の居住区だと思います」
「商人達の居住区?」
「ええ。港が近いですし、そのまま商談などを行なう場合もありますから。商人達の所有する家の一つ、と言えばいいのかしら」
アーシェ嬢は中々に情報を掴んでくれていたらしい。
そっか、確かに荷物が届き次第交渉に……なんて場合もあるのか。本宅ではないだろうが、それでも商売に拘わる書類などが置いてあることもあるだろう。
そして、顧客情報といった類のものは商人として他者に漏らしたりはしない。
つまり、それがある限り怪しまれようとも家に騎士達が踏み込めない。
よっぽど明確な証拠でもない限り『商売の邪魔をするな!』とでも言われれば、退くしかない。
『疑いをかけられた』とか『騎士に捜査を強行された』なんて営業妨害もいいところだしね、悪者に仕立て上げられることを回避する意味でも安易に踏み込むことはできなかろう。
一度前例を作ってしまうと、似たような事件が起きた際に最初から警戒されるかもしれないもの。民間に訴えることで容疑者を被害者のように思わせる……なんて手を使われても困る。
「いやぁ、よく考えられてるわ……」
倉庫とかなら速攻で捜査対象にできるだろうが、商人の家だと不可。共犯者の獲得や誘拐に利用でき、誘拐した令嬢達の居場所も確保できる素敵な職業ですね……!
おいおい、これ絶対にただの犯罪者の発想じゃないだろ!?
騎士が踏み込めない理由を知らなきゃ、こうはならなくね!?
だって誘拐犯達のアジトは別の場所っぽいからね。普通は人質を兼ねて、手元においておくとかするんじゃないのかい?
この部屋に来るまで他の人に遭遇はしなかった。結構大きい家だというのに奇妙である、アジトになっていてもおかしくはない広さなのに。
ところが、一階に最低限――ありきたりの商人の別宅に見えるような人数――しか人がいない。いや、誰か来ても一階部分だけは『おかしくはないよう取り繕われている』。
様子見程度ならば、これで十分誤魔化せるだろう。他人の家を隅々まで観察する客などいないだろうし。
だが、逆に言えば今の私にとっても好都合!
滞在する敵の人数が少ない=令嬢達を守って捕獲も可能ということなのだから!
「セレネ様、楽しそうですわね?」
私の様子に訝しげに尋ねて来るアーシェ嬢。そんな様子も当然かと、笑って解説することにする。
「貴女達を見つけられないように……いえ、ここを捜査させないという意味では最適な状況が整えられています。逆に言えば『敵が少ない』。貴女達を守りきることは可能です」
「それは……そうですが」
「ですが、可能ならば他の誘拐犯達に繋がる者達を捕らえてしまいたいというのも私の本音です」
『誘拐された令嬢達の安全が第一』という方針に悔しさを滲ませたアーシェ嬢は、その後に続いた私の言葉にはっとして顔を上げた。
彼女とてそれが仕方のないことだと判ってはいるのだろう。だが、ここは実力者の国・イルフェナ。やられっ放しというか、泣き寝入りは悔しかった模様。
情報収集してたものね、この子。それが無駄になるなら悔しいだろうさ。
「放っておいても助けは来ます。ですが、それでは犯人達に逃げられる可能性もある」
今、かなりの数の騎士達が町中に放たれているはず。それは誘拐犯のアジトを特定し乗り込むというだけではなく、逃げ出さないように見張っているという意味でもある。
アル達は通常の騎士と服装が違うことからも目立つので情報収集、もしくは『対・権力者な展開になった場合の切り札』となるべく衣装チェンジして一般騎士に混じっていた。
お貴族様が出てきた場合、同等かそれ以上がいないと追い詰めても逃げられるからだ。近衛が動かせない場合、翼の名を持つ騎士ってこういった使い方もされるんだと。
だって、連中の上司って王族ですからね?
ただの騎士と思いきや実は貴族、しかも『最悪の剣』の一員。当然、上司に報告はされるわけで。
若干卑怯な気がしないでもないが、権力には権力で対抗ということなのだろう。場合によっては魔王殿下ご出陣ですよ、どんな無理ゲーだ。
なお、囮作戦に協力してくれている近衛騎士達は休暇中の皆さんが有志で参加ということになっている。
……勿論、そうしている理由がある。
『団長が指導してくれるというので、休日に押しかけました!』
『ご指導いただくのですから、制服着用は当然です!』
団長さんの館に居たのはこんな人々なのよ〜、みたいな?
『団長の知り合いの娘さんの警護なんてしてないよ!』という建前です。団長さんの人気を考えると、実に納得できる理由ですがな。
誘拐犯達が騙された?
馬鹿な奴らだな、『個人的なこと』に近衛が動くはずなかろう!
それが事実なのです。それでいいの、イルフェナ的には。
ただ……その『誘拐された娘さん』が『魔王殿下の配下であり、騎士団長の養女であり、誘拐されたついでに事件解決に貢献した』だけ。
だから誘拐犯を捕らえたのは職務に忠実な騎士達ですよん。私は『魔王殿下の配下として』、『騎士団長の養女として』お手伝いするのが『当然』だものね。
ほら、全然無理がない。偶然が重なっただけですとも。
……嬉々として攫われた?
気 の せ い だ 、 関 係 者 は 口 を 噤 め。
「さあて! 皆さん、少しは落ち着きました?」
そう言って令嬢達に視線を向ける。未だ口を動かしている人もいるけど、顔色はさっきよりもずっといい。
彼女達が口にしているのは所謂『べっこう飴』だ。小さな箱に入れて、片方のポケットに忍ばせていたのだったり。
いや、彼女達の栄養状態が不安だったからさ? 一時的な措置兼気分を高揚させるために、甘いものって有効だと思ったのですよ。
事実、彼女達の何人かは諦めきった顔をしていた。そのまま私が犯人達とドンパチ……というのは、さすがに不安です。犯人に盾にされても抵抗とかしなさそうだったもの。
無事に保護できたら家に帰る前に異世界スイーツをご馳走するから、もう少し頑張ってくれ。
そして戻った先で元気な姿を見せてこう吹聴するんだ、『イルフェナは今回の誘拐にも迅速に対応し、危険を顧みず救出してくださいました』と!
誘拐された令嬢達が元気な姿を見せている=安全かつ何の不安もなかった。
実力者の国への評価が揺らぐ事態にはなりませんでした、というアピールです! 彼女達とて女性、そして貴族。被害者を労わっているだけとはいえ、特別扱いされれば好印象を抱くだろうよ。
何せ今回はイルフェナを貶めることが目的ではないかと言われている。しかも黒幕がいるっぽい。
ならば彼女達の機嫌をとっておくことが有効だ。誘拐された令嬢達が感謝のみをイルフェナに向ければ、黒幕とて不自然に貶めることなどできまい。一時的だろうとも回避策はしておくべきだ。
飴を渡された令嬢達は最初こそ困惑していたが、口に入れた途端広がる甘さに笑みが零れた。こういった物までは与えられていなかったのだろう。
黄金色の菓子ならぬ黄金色の飴。異世界の知識が地味に活躍中。
「実は皆さんに少し手伝ってもらいたいことがあるのですが」
そう言えば彼女達は互いに顔を見合わせ……それでも頷いてくれた。
「何をすれば宜しいの?」
代表するようにアーシェ嬢――彼女はやる気満々のようだ――が問い掛けてくる。頼もしい言葉に、私は悪戯を共犯者に打ち明けるような笑いを浮かべ。
「あのですね……」
その後の彼女達の顔は見物であった。あはは……政治的な策を廻らすことには慣れていても、誰もこんな悪質な悪戯しないだろうね。
「そ、それ本当にやりますの……?」
「ええ! 悔しいじゃないですか、犯人の一人や二人確保しましょう」
顔を引き攣らせた令嬢の言葉に力強く頷く。
うふふ……私の辞書に敗北の文字はない。黒幕に到達できなくても、無傷で返す気なんざねぇよ。
「が……頑張りますっ」
妙に一生懸命なクリスティーナを生温かい目で見つつ。私達の『悪戯』は決行されたのだった。
※※※※※※※※※
「おい! 様子を見に行って何やってるんだ! まさか、女達に手を出してるんじゃないだろうな?」
そんな不機嫌な声と共に扉が開く。そして声と同じく不機嫌そうな顔をしていた男は、目に飛び込んできた光景に絶句する。
扉の正面、そこには一人の少女が今まさに踏み台代わりの机から飛び降りようとしていた。
そして彼女の首にかかっているのは…天井のライトから伸びる、輪になったロープ。
誰が見たって自殺の直前である。……細かい所を突っ込まなければ。
「お、おいっ!?」
「おやめになって、クリスティーナ様ぁっ!」
その側では座り込んだ令嬢が声を上げているが、立ち上がることさえできない。魔道具の影響を考えるなら、これは当然のことだったろう。
男は仲間のことなど忘れ、慌てて駆け寄ろうとし――
「へっ!?」
『何か』に足を引っ掛け、そのまま倒れこむも咄嗟に腕を着こうとし――
「ぐ!?」
倒れ込む直前、今度は首に『何か』を引っ掛け、息が詰まった。喉への圧迫感も相当なものだったろう。
おお、さっきよりも素晴らしい位置に入っておる! 位置調整が微妙に難しいけど、今度は上手くいった模様。
足だけ引っ掛けるなんざ、子供の悪戯だ。私が仕掛けたのは『悪質な』悪戯です。まさか二段構えとは思うまい。
私はいそいそと出て行くと苦しがっている男を仰向けにさせ、顔にアトマイザーの中身をシュッと一吹き。そして当然、即座に効果は表れた。
「はい、お疲れー!」
明るく言う私に対し、強化リボン――幻術効果付きなので、認識し辛くなっている――の端をそれぞれ持っていたお嬢様達は顔を引き攣らせている。
二人ずつで持ってもらったから引き摺られることなく、ばっちり転びました。ありがとねー!
「セレネ様、もう宜しいでしょうか?」
「うん。お疲れ様」
囮役のクリスティーナが聞いて来るので、笑顔で快諾。この男は二人目なのだ、これ以上居ても困るのでこの悪戯は一応終了。
私の言葉にゆっくりと机から下りるクリスティーナ、それに手を貸すアーシェ嬢。
見ても判るとおり、これは犯人捕獲のための悪戯なのであ〜る。
「犯人ってこいつらだけじゃないもの、いきなり令嬢が死んだりしたら焦るよね。だから慌てて駆け寄って……」
「盛大に転ぶわけですわね。足だけではなく首も引っ掛けるなんて……」
随分と悪質ですわね――とアーシェ嬢は呆れ顔。いいじゃん、できる限り魔法を使いたくないんだから。
どうせなら褒めておくれ。首が引っ掛かるような位置の想定とか、結構細かく下準備したんだしさ。
「あ、あの……物凄く苦しがっているようなのですけれど……」
おずおずと言葉をかけてくる令嬢は若干恐怖に顔を引き攣らせている。まあ、こいつらの状態を見たら仕方がないのかもしれない。
アトマイザーの中身って、『悪魔の霧』の原液なんだわ。
目も喉も鼻も大変なことになっているんじゃないかなー? 見た目もアレだしな。
私は令嬢に近付くと、そっと手を握る。
「いいですか、皆様はか弱い貴族令嬢です。こいつらは誘拐犯……罪人なのです、暴れれば危険極まりない」
「それは……そう、なのですけれど」
「ですから確実な方法を取らねばなりません。拘束しようとも確実とは言えない。ならばできる限りのことをしておくべきなのです!」
毒ではありませんから死にませんよ。
優しく微笑みながらそう言えば、皆様は納得してくれたようだった。
彼女達は貴族令嬢、守られるのが当然の立場。この状況で護衛が私一人なんて、不安以外の何物でもないだろう。
行動が外道だろうとも『自分達を守るために必要』だと理解すれば納得してくれる。……ちょろいな、と思わんでもない。
私は転がっている男に近付くと手際よく拘束して窓際に立たせ、もう一人と合わせて更に強化リボンを巻きつけた。その端は少々長めに残して重くて動かせなかった家具に括り付ける。
そして伸ばした指示棒を手に再び彼らに近付いた。彼らは霞む視界に映る細い銀色の棒状のものを武器と認識したのか、いっそう警戒を強めたようだ。
そんな姿に私は内心大笑い。ノリノリで彼らの頬を指示棒の先端で叩き、注意をこちらに向けさせる。
「はいはい、私の声が聞こえてるかな? 聞いてなくても話を進めるけどね」
「……っ」
「く、くそっ、お前、一体、何、を……」
「黙って聞け」
指示棒を男の喉元に突きつける。鋭くはないが確かに喉元に当たる感触に、喚いていた男は口を噤んだ。
文句の一つも言いたいだろうが、二人目はそこまで回復していないっぽい。一人目も未だ完全には目が開かないようだ。
じゃあ、状況説明といこうじゃないか。
「これから窓から吊るしまーす! 頑張って喚け」
「「は!?」」
「だからね、あんた達をこのまま窓から捨てるの。あ、吊られる状態になるから心配しないで」
にこにこと「窓から吊るすねっ」と言い切る私に、男達は苦しさも忘れて絶句したようだ。
ここは三階だものね、しかも拘束されてるものね……! リアルに命の危機ですな。そりゃ、怖かろう。
「お、おい、ちょっと待て。話を聞け?」
「あんた達が喚き散らせば周囲は大注目、きっと騎士様達の目にも止まるわ。危険な遊びをする輩を注意する意味でも、ここまで来てくれると思うの」
寧ろそれが普通の反応です。不法侵入じゃないぞ、人の命がかかってるんだから真っ当な行動です。
「落ちたら死ぬかもしれないだろ!?」
叫ぶように一人が喚くが、それにパチン! と指を鳴らして超笑顔。
「最高じゃない……! 死んだら誰もが騎士様を呼んで来るでしょ。それに死体の状況からして、どう考えてもこの家が捜査されるわよ?」
「てめぇは悪魔か!」
「やだなぁ、最優先は誘拐された令嬢達の安全だよ? そのために必要なのよ、あんた達に人権なんてないわよ、この誘拐犯どもめー♪」
お・馬・鹿! と可愛く言いながら叫んだ男の額を突く。元気一杯に喚いていたというのに、今度は顔面蒼白になって黙り込んだ。うむ、黙った時の対策もあるから安心しろ!
私はおもむろに『ある物』――さっき見つけた。普通の家を装ったことが悪い方向に行くとは何て運のない連中だ――を取り出し。
音を聞かせてみた。シャキン、と新品らしい鋏は音を立てる。
「え……?」
「ま、まさか……」
「ここ、最低限の物は揃っていたみたいね。ああ、これは脅迫にも使ったかな?」
私が手にしたのは鋏。この部屋の引き出しの中を漁った時に見つけたんだよね。
鋏は十分凶器になる。しかも女にも扱える――魔道具によってぐったりとした令嬢相手なら、世話をしてたという女にも十分扱える『武器』なのだ。
ナイフなどがあるなら殺意は明確だろうが、鋏は本来の使用目的があるので武器と認識はされない。
つまり万が一踏み込まれても『拘束しただけ』であり、殺意は否定できる。
こう言っては何だが、追っ手がかかれば逃げる際に彼女達は足手纏いだ。しかも顔を見られているので放置もできない。
……最悪、殺すという選択肢も用意されていたはずだ。さすがに今ここでは口にしないが。
男達が即座に何か理解したということは、その可能性があった。いや、そのために置いておいたのかもしれない。
「一応、強化されたリボンだけど……まあ、切れないよう祈ってて」
「や、やめ……っ」
「悪かった! 頼むからっ」
「あら、良い天気ね」
窓を開け、男達を外に向けて押し出すように力を込める。悪魔の霧の効果+ひっそりかけた重力軽減で、私の力でも男二人は体を傾かせていった。
そのことに気づく余裕もなく男達は悲鳴のような泣きが入った声を上げるが、私が聞くはずもなく。
「イイ声で泣き喚きなさい?」
にこり、と微笑んで――二人にとって、限りなく邪悪な微笑みに見えたことだろう――躊躇いもなく、窓の外へと蹴り出したのだった。
「「イヤァァァァッ!」」
気色の悪い声を上げるな、男の癖に。
早速その叫びを聞いた人達が何事かと辺りを見回し、宙吊りになっている連中を見つけてざわめいている。
よーし、よーし、そのまま喚いてろ。騎士達が来たら下ろしてもらえるぞ、頑張って目立つがいい。
「セ、セレネ様、本当に大丈夫なのですか?」
「ん? 今のところ宙吊りでも元気に喚いてるけど?」
「そ、そうですか」
あんな奴らを心配するなんて、クリスティーナは優しいね。
……おや、お嬢様方。青い顔して、どーしたの?
イルフェナの評価は上がっても、主人公にドン引きな皆様。
多分、見えない所で頑張っている騎士達が一番まとも。