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分からない恐怖。


俺と桃花がホテルに泊まりはじめて4日が経った。

未だ世亜からの連絡はない。



『今は耐えろ。待て。動くな。』



世亜の言葉が頭の中で繰り返される。


何だ?一体何が起きてるってんだ?


何か、言い知れない不安が襲ってくる。


小林と水価の間に何が…?



そこまでは、分かる。

それ以上は、分からない。



昼寝中の桃花を見つめては、溜め息。


この子。この子が何をしたと言うんだろう?



“敵の子供”



知っていてもどうしようも出来ない真実。



その時、ケータイが震えてるのに気付いて俺はポケットから

ケータイを取り出して相手を確認する。


(世亜…)


「はい、唐御です。」


冷静に電話に出ると、世亜は少し急ぎ目に声を出した。


「連絡遅くなった。お前らの住むマンション決まったから。

今すぐホテルを出て、俺の言うマンションに行け。

下っ端が鍵を持ってる。部屋の中にはある程度の物は用意した。


いいか、今すぐだぞ。」


緊迫した…というと言いすぎかもしれないがイメージはそんな感じの

喋り方だった。

もう従うしかなかった。それ以外の方法はなかった。


「はい…」


そう返事をすると世亜はこの近所で高いと評判のマンションを言うと

ブツッと電話が切れた。

俺は桃花を起こして、荷物をキャリーに詰め込んでホテルを出た。



無理矢理起こされて少し不機嫌な桃花とタクシーに乗り込み、

世亜の指定したマンションを目指した。


そこはやはりここいらで1番高級なマンションだった。

タクシーの支払いをカードで済ませて、降りると見覚えのある顔があった。


「唐御様、お待ちしてました。こちらが鍵になります。」


そう言ってそいつはカードキーを渡してきた。


「暗証番号は世亜様から連絡が来るそうです。

私の役目はこれまでなので、ここで失礼します。

…ご健闘を、祈ります。」


部下が小さく呟いたのを俺は聞き逃さなかった。


「何が起こってんのか、教えてくれ。」


俺がそう言うと部下は聞かなかったふりをして足早に車に

向かって行ってしまった。


とりあえずマンションに入り、部屋へと向かった。

桃花は、さっきの不機嫌な感じは全くなく、初めて見る

高級マンションにきょろきょろと頭を振り回していた。



怖い…


そんな言葉が頭をよぎった。

何が起こっているのか、何が起こるのか、

どうゆう結末が待っているのか…。


自分の中の危機を察知する能力がフルに稼働している。



守らねえと…



世界で1番愛している、俺の娘を…





そんな事を思っていると、カードキーと同じ番号の部屋に辿り着いた。




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