残酷な条件。
あれから3日が経った。
「唐御様、世亜様より
『言いたい事があるので至急、一人で来るように』と」
勇が俺を呼び止めた。
「ん、分かった。」
そう言って俺は、一人で、誰にも気付かれないように
世亜の部屋へと向かった。
コンコン…
「唐御か?」
「はい」
「入れ~」
ガチャ…
「失礼します」
俺は世亜に一礼をした。
「何?今日は随分この組のマナー守れてんじゃん」
バタン…
「…。」
俺は無視して扉を閉めた。
「あ~、そうそう。
前、話が途中で終わったからな。
それの続きだ」
「…はい」
3日前の事を思い出す。
「条件を話してなかった。
その2つの仕事が終わったら…
お前はこの組を抜けていい。
桃花一緒にマンションでも買って、
そこで暮らせばいい。
費用は全部俺が出す。
それだけだ、もう終わり。
さっさと帰れ」
俺は考えもしなかった条件にすぐに
反応出来なかった。
「おい、聞いてんのか?帰れ。」
世亜がピシャリと言ったのを聞いて
俺はやっと反応が出来た。
「あ、は、はい…」
俺はまた静かに扉を閉めて部屋へ向かった。
(組を抜けて、桃花と暮らせる…?
裏切り者と、勇を殺せば…?
勇…を…)
俺はない頭をフル回転させて、考えた。
(落ち着け俺…
今まで何人殺ってきたと思ってんだ。
たった2人殺るくらい、どうってことない。
どうってこと…)
その瞬間、桃花の顔が浮かんだ…
悲しむ桃花の顔が…。