表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/98

巻き戻し。



1年後…





「唐御さん、こいつどうしますか?」


背広を着たゴツイ男が

唐御に問い掛ける。


「しらね、お前らの好きにしろや。


まぁでも…」


「?はい?」


「生かしてはおくなよ?」


ニヤニヤと笑いながら

煙草を加えながら唐御は車に乗り込み

去って行った。



「おい、すげぇよな。」


「あぁ…、たった1年でここまで

人って変われるんだな」


「しかもあの風格…


世亜様にそっくりだよな」


残された唐御の部下達は

口々に唐御への尊敬の言葉を漏らす。




そう…、そこには


すっかり変わり果てた唐御の姿があった。



背広を着て、煙草を加え、

後部座席にドカッと座っているのは

まぎれもない、唐御だ。


世亜の部屋ー



「-で?


あの裏切り野郎はどーしたって?」


世亜が俺に話し掛ける。


俺はダルそうに答えた。


「部下に任せました。


俺が出る幕って感じでもなかったんで」


「ふーん、


まぁ、あいつらなら心配ねぇか。


…ところで唐御。」


「?なんですか?」


「お前さぁ、女連れ込むはいいけど

ほどほどにしろよ。


病気になるぞ(笑)」


「ははっ、

そこまで馬鹿じゃないんで」


俺は苦笑いしながら話を合わせた。


「はっ、


あぁ、もう行っていいぞ」


その言葉を聞くと

俺はドアに向かい


「失礼します」


と、頭を下げて部屋を後にした。



「お疲れ様です、唐御様」


勇が俺に話し掛ける。


「あぁ」


俺も軽く返事を返す。


「この後のご予定は?」


「女と約束してるから」


「かしこまりました。」



唐御の眉間には1年前では

考えられない程のしわがたくさんあった。


おかげで、何もしていなくても

怒っているようだ。



バタン!


俺は自室の部屋のドアを

思い切り閉めた。


「あっ、唐御さ~ん」


女が一人、ベッドの上で待っていた。


「あぁ、お前か」


俺は、そう言うと背広の上着を脱ぎ

ネクタイを緩めた。


「さっそくなのぉ?」


女がわざとらしい声で

俺に問い掛ける。


「何か悪いか?」


俺は女をギラリと睨んだ。




…もうそこに1年前までの

唐御の面影はなく、


唐御は、女・酒・金 に溺れていた。


桃花との過去を捨てていた。


『あの時の俺は馬鹿だった』


そう思うようになっていた…。



『時間が戻っただけさ』


そう言い聞かせて

俺は激しく腰を振った…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ