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まるで何事も無かったかのように。

あれから、1週間が過ぎた。 

相変わらず俺はあの言葉がこだまするのを聞いていた。 

 

時々、胸が潰れる感じがして苦しい。 

それでも、傍にいたいと・・・。 

・・・桃香を、守りたいと思った。 

 

 

「母さん!?」 

 

俺は学校で見かけるはずの無い人物を見た。 

母さんだ。 

 

「な、なんで、こんな所にいんだよ!?」 

 

俺は部活をやっていた最中で・・・・あ、皆の視線がイテェ。

 

「あ、あのね、唐御。母さん、どうしても行かなくちゃいけない所があって・・・それで、桃香を見てて欲しくって・・・・!」 

 

母さんの腕には俺の妹・桃香が抱かれていた。 

 

「行かなくちゃいけない所って・・・何処だよ?」 

 

「・・・お父さんが・・・」 

 

「え?」 

 

「唐御のお父さんがもしかしたら・・・アメリカに居るかもしれないって・・・!」 

 

「・・・・・・・・・父さんが?」 

 

「だから、お願い。唐御。桃香を見てて・・・?」 

 

俺は渡された妹を抱きながらあまりにも急な事実に頷くしかなかった。 

 

「じゃあ、母さん。行ってくるわ!待ってて!絶対父さんを見つけてくるから・・・。」 

 

そう言って母さんは校門のほうへ走っていってしまった。 

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」 

 

俺は呆然としたまま・・・・の所に先輩たちが来た。 

 

「小林、何だそれ!妹!?」 

 

「うわ、ちっちぇ!!」 

 

「かわいー。」 

 

俺はハッと目を覚まし桃香を先輩たちから避けようとした・・・が、もう時は遅く俺たちの周りは人だかりになっていた。 

 

「こば、それお前の妹!?」 

 

「そ、そっす・・・。」 

 

「何歳!!?」 

 

「まだ、6ヶ月・・・です。」 

 

「名前は??」 

 

「も、桃香・・・。」 

 

 

こんな風に質問ばかりの会話になった。 

俺は監督に事の説明をした。 

 

監督はしばらく考えた後校長先生に話してくると言い、その場を去った。 

 

「うわ〜、可愛い。」 

 

「桃香ちゃーん?」 

 

桃香はニコニコしながら「うー?」とか「たぁい」とか返事をしていた。 

皆そのれがつぼにハマッたらしく桃香を可愛がってくれていた。 

 

「小林!」 

 

しばらくすると監督が校長先生と共に帰ってきた。 

 

「監督・・・・。あの・・・。」 

 

「あのな。小林、その赤ん坊を校内に入れてもいいと校長先生は言っておられる。」 

 

「へ!?ま、マジですか!?」 

 

俺はまさかの事実にまぬけな声しか出なかった。 

 

「小林君、君はスポーツ推薦でこの学校に来たのだから子育てで部活をやめられても困るんだ. 

だから、その子を学校に毎日連れてきて育てればいい。」


「あ、あの、本当にいいんスか!?」 

 

「もちろん、ただし保健室で・・・ということになるが・・・いいかね?」 

 

「は、はい!!!」 

 

俺は嬉しさのあまりつい大きな声を出してしまった。 


「こば、よかったな〜。」 

 

「これから、毎日この子に会えるんだー!」 

 

「うわ、俺とか毎日会いに行くし!!」 

 

幸せすぎて俺は涙が出てきた。 

 

うわ、小林が泣いた!!!って皆が騒いだけど俺は「嬉し泣きっス。」と言って涙を拭いた。 

 

 

 

その時だった。あの声が聞こえてきた。 

 

「お前に子育てなんて出来る訳ねーだろ!!!」

 

 

 

胸が一瞬締め付けられて苦しかった・・・・。 

 

 

 

 


桃香ちゃんを毎日学校に連れてきてもいい許可が校長先生直々に出されましたぜ!いぇい☆(うざっ) 

 

これから、桃香ちゃんが繰り広げるストーリーはどんなものか!?そして唐御の父親は見つかるのか!?

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