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最悪の事態。


一瞬… 

時間が止まったようだった。


そして、動いたと思ったら

ピーンと張りつめた空気が漂った。



「ん?どしたの?

おじょーさん。」


目の前にいる男は、ニヤニヤと笑いながら

優華を見た。



その男の手には、ナイフ…


そして、そのナイフの先には桃花。


優華は、動こうとした。

けれど、体が言うことを聞かなかった。


(助けなきゃ、助けなきゃ…!


でも…、怖い…!!)



優華は、やっとの思いで目を動かして

桃花を見た。


震えている桃花が映った…。



「桃花ちゃんを…放してください…」


優華は、体の底から力を振り絞って言った。


「…じゃあ」


男が口を開いた。


「?」


「お嬢さんが、代わりになる?」


「!!」


また、時が止まったような感じが空間を埋めた。


優華の頭に色々な事が駆け巡った。


両親の事、友達の事、好きな物、嫌いな物、

幼稚園の制服、学校の遊具、初恋との出会い、


唐御くん、桃花ちゃん…


(望月さーん)


(ゆうねえ!)


(優華!ゆーか!)




優華は、ハッと目を覚ました。


さっきの風景…


そして・・・、優華は拳を握り締めて


「代わりになります。」


はっきりそう言った。


男は、一瞬驚いたようだったが

すぐニンマリと笑った。


「いい度胸してんじゃん。


おらよ!」


男は桃花の背中をドン!と押した。


「きゃっ!」


桃花は床に倒れた。


そして男は優華の腕を強引に掴み引っ張った。


「ゆうねえ!」


泣きながら叫ぶ桃花に優華は笑って


「大丈夫」


と、言った。


そして・・・


バタン…


静かに扉が閉まった。





何度でも繰り返される不幸


彼をここまで陥れるのは神か、悪魔か…


それとも彼自身なのか…


それでも、彼は生きなければならないのだろうか?






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