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汚れた者。

軽いノリだったんだ…。






なのに,何で…??


  






ある日の午前2時




俺は働いてるクラブのテーブルを布巾で拭いていた。




 

すると,店のオーナーから呼び掛けが掛かった。



俺は


(何だよ?? 俺,何も悪い事してねー…よな??)



そんな事を考えながらオーナーの居る部屋にノックをして入った。







 

「…え??マジ…すか??」




それは,俺に客に付けという言葉だった。




これで給料も上がるなんて考えて俺は次の日から接客に入った。







 

俺は,人から見たらかっこいいらしい顔を武器にどんどん客を増やした。




嫌な女と喋ったりくっつかれたりするのも頑張って耐えた。




その中にいつも俺を指名してくれる顔も性格も体型もまぁまぁな女がいた。




でも,俺は

「客は客」と割り切って気に止めなかった。







俺は,桃花の涙を見てからなるべく早く帰ったり桃花との

時間を増やす様にしていた。




でも,だんだんと俺の帰りは遅くなって行き 

また前と同じ様な環境に桃花を置いた。




 

仕事が忙しかったのもある




でも,違った




 

変わったのは環境じゃない



俺の心だった






言い寄ってくる女達に囲まれて俺は昔に逆戻りした。




どうゆう意味か解るだろ??







犯罪者が犯罪を繰り返す様に俺は昔の様に女遊びをまた始めた。




 

でも,体の関係は無かった。




女に金を使わせたり

ちょっと付き合ってすぐ振ったりしただけだった。




 

体の関係を持つと面倒な事になるのはよく知ってる。






…でも,その後俺は自分のした事に果てしない後悔を背負わされる事になった。

 






ある日夜の仕事の終わりに事は起こった。




「お疲れ様したー」



そう言って俺はクラブの業務用の扉を閉めた。




「…つっかれたな〜」




俺は朝日を背に首をこきこき鳴らした。


その時…



“とんとん”



肩を軽く叩かれた。


振り返るとそこには…




「…榊原さん」




いつも俺を指名してくる全てがまぁまぁなあの女がいた。




「偶然っすね〜

どうしたんすか??」



と,聞くと榊原さんは下を俯いて



「…唐御さん…私…あの…」




「?」




俺が首を傾げていると榊原さんは俯いてた顔を上げて




「抱いてくださいっ…」




小さな声で言った。




「…あー…


すみません、俺、そーゆー事してないんで」



そう言って俺は榊原さんを背に手をひらひらと振った。




「あっ!待ってください!


お金・・・払いますから!!」






・・・何で・・・




何で俺はあの時振り返ってしまったんだろう・・・





 

あの時,俺は狂ってたのかもしれない。



何も考えず気が付いたらホテルにいた。




そして…




やった…


やってしまった…




その時は後悔なんか少しもなかった。




榊原さんからお金を受け取ってホテルを出た。




家に着きドアを開けて靴を脱ぎ寝室に入った。



桃花の顔を見た。


髪を撫でようと手を伸ばした。



「…!!!」



俺は,やっと気付いた。


自分が何をして来たのかを



桃花の髪に触れるか触れないか位の位置にあった自分の手を

自分の顔の前に持ってきてジッと見つめた。




 

…汚れた…




俺の頭にはその言葉が浮かんだ。





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