最悪の・・・。
前にも言ったっけなぁ?
俺,夜の仕事はじめたんだわ。
これなら,桃花に昼間構ってやれるしな♪
まぁ,まだ下っ端だからろくに酒も飲めーけど…
朝4時に仕事から帰ってきて寝て,
8時頃起きて飯作って,桃花起こして
日中は家事やって夜7時位になったら
仕事に出掛ける。
今の俺の生活こんなん。
まぁ,学校ある時はちょっと違うけどな。
「はぁ〜…,疲れた。
ただいま〜っと…。」
その日俺は仕事帰りでクタクタだった。
家に入り桃花の寝顔をチラッと見てシャワーを浴びた。
シャワーを浴び終わって居間のソファーに腰掛けて
テレビを付けた。
「おもしれーのやってなぇな…。
まぁ,深夜だから仕方ねーか。」
俺は溜息を吐いてテレビの電源を消した。
そして,もぅ寝ようと思って電気を消して
桃花が寝てる部屋に向かった(俺と桃花は同じベット(笑))。
・・・そこまでは,よかったんだ。
いつも通りの生活
いつも通りの行動
いつも通りの時間
そんな当たり前をぶち壊されるなんて
考えもしなかった。
ドンドンドン!!!!!
「・・・ん」
俺はなにかを叩く音で目を覚ました。
時計を見ると6時。
「んだよ,こんな早くに・・・。」
俺はイライラと頭を掻きながら音のする
玄関に向かった。
「はいはい,今開けますよっと」
俺は鍵を開けた。
・・・俺の目には見たくも無い顔が映った。
「久しぶりだな・・・」
はぁはぁと息を切らしながら男は喋った。
「てめっ・・・,何でここに・・・!?」
その男は,
父親だった。
しかし,そいつは俺の質問に答えずに
ズカズカと家に上がりこんで来た。
「おいっ・・・,なんだよてめぇ!」
「黙れ」
奴は俺をギロリと睨んだ。
その目は,誰よりも冷たく何よりも凍っていて
俺は一瞬足を止めてしまった。
気付くと奴はリビング。
俺はそれに気付いて急いでリビングへ向かった。
「!!!」
奴は・・・母さんが俺達に残していった通帳を
持っていた。
「・・・どけ」
リビングを出るのにドアの傍にいた俺が
邪魔だったらしい。
奴は冷たい言葉を口から出した。
「・・・どけじゃねぇよ・・・
何しようとしてんだよ・・・あんた・・・」
「・・・早くどけ。」
「っざけんじゃねーよ!!」
俺は奴に殴りかかった。
しかし,その拳は交わされ代わりに俺は
腹に蹴りをくらった。
「がはっ,げほっ」
腹を押さえてしゃがみこんだ。
奴は俺の横をスルリと歩いていった。
その時かすかに聞こえた言葉。
「すまねぇな」
ほんとに,小さい声で・・・。
言ったかどうかも解らないような言葉が
俺の頭から消えなかった。
そして,奴は去って行った。
俺は,その後気絶した・・・。