下駄箱の名前。
俺はその学校に電話をした。
入学は案外スムーズに進んだ。
そして俺は無事に高校生に復帰した。
桃花に説明するのが1番大変だったかな(笑)。
「桃花,明日から少し寂しくなるけど
我慢出来るか??」
俺は最後に桃花に聞いた。
「うん,桃花出来るよ!」
桃花は笑いながら言った。
その顔を見て,何故か抱きしめたくなった。
「もーもーか」
ギュッと俺は桃花を抱きしめた。
「?」
桃花は首を傾げながら俺を抱き返した。
「ふぁ〜ぁ・・・」
俺は支度をする為6時起き。
桃花に朝と昼の飯作るだろ,
顔洗うだろ,着替えるだろ…。
まぁ,色々あるんだよ(笑)。
支度が済み俺は家を出た。
桃花には朝飯はお子様ランチみたいなやつ。
昼飯は弁当箱に入れた。
俺も慣れたもんだわ。
そんな事を考えてる内に学校に着いた。
靴箱には俺の名前があった。
『小林 糖御』
「・・・ん?
あれ・・・ちょ・・・
・・・違くね??」
(なんで砂糖の糖なんだ・・・?)
後で職員室に行こうと俺はその場を後にした。
階段を上っていくと,女2人組と会った。
俺はひょいと頭を下げた。
通り過ぎた後,女共が騒ぎ出した。
「ねー!今の見た!?」
「あんなカッコイイ人居たっけ!?」
その言葉に俺は・・・
「・・・(苦笑)。」
教室に着くと,そろそろHRが始まるらしく
先生が教卓にいた。
俺は後ろの席から静かに入っていった。
チラッと皆が俺に視線を向ける。
女は俺を見た瞬間・・・なんつーの??
厚かましいように聞こえるかも
しんねーけど目がハートに・・・(笑)
男は俺を見てギロリと睨んだ。
まぁ,俺みたいな柄の悪そうな奴が
来たら睨むわな。
先生は,俺を見て「あっ」という顔で
挨拶をした。
「おはよう!」
(あー・・・,いかにもいい人っぽい。)
俺はそう思いながら頭を下げた。
席に座ると丁度チャイムが鳴った。
HRが終わると女共が近づいてきた。
「ねーねー,前までいなかったよねー?」
「あ??あー・・・」
「途中から入ってきたのー?」
「・・・まぁ」
俺は適当に受け答えしながら外を見ていた。
(・・・桃花,何してっかな〜)
そんな事を考えていた。
そこで俺はある事を思い出した。
(あ,そだ。靴箱の名前・・・)
俺は,職員室に向かおうと女共を手でどかした。
「あっ,どこ行くのぉ?」
「・・・」
俺は何も言わずに教室を出た。
(俺,職員室の場所知らねーじゃん)
「聞くのもだりぃしな〜・・・」
とりあえず俺は廊下を歩く事にした。
「おっ?」
俺は上を見上げた。
“職員室”
「はっけーん♪」
俺はガラッと音を立ててドアを開けた。
(担任もはっけーん)
「せんせー」
俺はツカツカと担任の方へ足早に歩いていった。
「なんだい?」
担任は,爽やかに聞いてきた。
「あのー,下駄箱の名前の漢字が違うんすけど。」
「えっ?あれじゃなかったのかい?」
「・・・」
この担任は天然ボケらしい。