表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/98

また、別れ。

「…ぇ?」


優華の戸惑った声が携帯越しに

聞こえた。


「だから、飽きたってんだろ」


俺は少し荒い言い方をした。


「そんなの…納得出来ないよ。

私…何か唐御くんに何かした??」


優華の泣きそうな声が聞こえた。

本当は嘘だと笑ってやりたい。

そして、今すぐ抱き締めに行きたい。


けれど、俺は心を鬼にして

また優華を傷つける。


「理由なんかねえって。飽きたんだよ。…あ〜、まぢいい加減にしてくれねえ??」


「だって…唐御くんがそんな事言うはずないもの…」


「お前、俺の事どんだけ美化してんの??

俺は、お前が思ってるような

優しい男じゃねーんだっつの。

…じゃ、もう切るから。


電話もメールもしてくんなよ」


そう言って俺は電話を切った。

切る途中、優華の声が聞こえた気がする…。




俺は、溢れそうな涙を天井を

見上げて堪えた。



そこに、桃花が来た。


「ぱ〜ぱ」


「…桃花…」


桃花は絵本を持っている。


「桃花、絵本読んでほしいの??」


すると、桃花は嬉しそうな顔をして


「うん!!」


と、頷いた。


「・・・おいで」


手招きをすると桃花はよちよちと

俺に近寄ってくる。


俺は、絵本のタイトルを見た。


そこには、こう書かれていた。


『人魚姫』




(人魚姫か…

今は、そんな気分じゃねぇや…)



どーせならもっと明るい話を

選んでもらいたかったと少し

心のなかで愚痴をこぼした。






「…人魚姫は海の泡になって

消えてしまいました。


…ん??

桃花??…また寝てるのか。」



俺は絵本を閉じた


そして、目を瞑った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ