番外編〜あの頃〜。
ガシャーン!!!!
「きゃぁ!!」
クラスの女子が悲鳴をあげた。
「何の音ですか!?」
それに続いて先公が勢いよく
教室のドアを開けた。
「先生…唐御くんが…窓を…」
泣きながら途切れ途切れと話す女子。
「小林君!!!またなの!!??
いい加減にしなさい!!!」
俺はギロリと先公を
睨み付けた。
「黙れ、クソババア」
そう言って俺は教室から出ていこうとした。
「…付いてきなさい。」
「…。」
俺は動きたかったが動けなかった。
先公が俺の腕を掴んでいたからだ。
「…ま〜たいつもの説教かよ。
諦めの悪…
「口を慎みなさい!!!」
先公に叫ばれ俺は口を閉じた。
「行きますよ。」
そう言って先公は俺の腕をグイグイと
引っ張った。
行き先は解ってる。
どうせ職員室だ。
俺は溜め息を吐いてノロノロと歩いた。
俺はその後みっちり職員室で叱られた。
そして、今日はもう帰りなさい。と、言われた。
多分、先公共もこれ以上の迷惑事は
うんざりなのだろう
俺は
「へいへい」と返事をして
教室にカバンを取りに行った。
ガラッ
ドアを開けるとクラス中がどよめく。
泣きそうになる女子
こそこそと話しだす男子
(…くだらねぇ)
俺はカバンを取って教室を出た。
下駄箱まで行き、溜め息を一つこぼす。
「…帰るか」
そして、俺は家に向かった。
…バタン。
俺は家のドアを閉めた。
「…唐御??」
母さんが俺の名前を呼ぶ。
「あ?」
俺は不機嫌を言葉に込めて母さんにぶつけた。
「…学校はどうしたの?」
「知るか、んなもん。」
俺はそう言って自分の部屋に入った。
バンッ!!
俺はカバンを投げ捨てた。
(イライラすんな…
ババア共のせいだ…)
俺はイライラを抑える為に
仲間の元へ行こうと着替え始めた。
ガチャ…
俺はそっとドアを開けた。
そして外に出た。
「さてとっ…」
俺はお昼過ぎの街へと向かった。
「きゃあ!どろぼう!!」
街に行くとさっそく女の悲鳴が聞こえた。
犯人は解ってる。
俺の仲間だ。
俺は路地裏に向かった。
笑い声が聞こえる。
「お前ら、何笑ってんの?」
俺はニヤニヤと笑いながら仲間に近づいた。
「! 唐御!こんな時間に中学生サンがどうした?」
「別に。暇だったから。」
「嘘吐きやがって!どーせまた追い出されたんだろ?」
「まぁ…そんなもん…かな。」
そう言って腰を下ろした。
「てかさ、今日イライラすんだけど。
ヤりにいかねぇ?」
ヤりに行くってのは喧嘩の事だ。
「お!いいね〜。丁度暇してたしな!」
「じゃ、決定だな!行くか!」
俺は口角を持ち上げて言った。
・・・本当に大切なものなんて
何もなかった。
何かあればすぐに逃げた。
あいつが嫌だから
授業はダルイから
そんな理由で俺はあらゆる事から
逃げていた。