不思議な心地良さ。
それは、突然じゃなかった。
徐々に俺を蝕めた。
俺を蝕めていったものは、“いじめ”だった…
最初は、先公共がシカトしてくるくらいだった。
そんなのは、気にしなかった。
けれど、次は女子共が
次は男子が………
徐々に徐々に俺は気付いていった。
俺が今いじめに遭っている事を…
どうせクラスで絡む奴なんか居なかった。
俺は違うクラスの不良仲間の元へと
足を向けた。
教室のドアを開けると
あいつらは居なかった。
(…あぁ…そういう事か…)
俺はその時やっと理解した。
学校全体が敵に廻った事を…。
俺はその日、早退した。
逃げた訳じゃなぃ
そんなくだらないお遊びに付き合ってる
暇なんかないと思ったから
(そんな暇が有ったら桃花に
絵本の1つでも読んであげた方がい〜し。)
そんな事を考えてた。
けれどこの時学校が俺のせいでどういう立場に
あったのか俺は解ってなかった。
「・・・お姫様と王子様は幸せに「スースー・・・」
「あれ??桃香・・・寝たのか。」
俺は桃香の寝顔をジッと見た。
(かわいいなぁ・・・。
でも・・この子は本当は・・・。)
俺はあの時の事を思い出した。
「・・水価・・・桃香・・・か・・・。」
俺は溜息を付いて絵本を閉じた。
次の日学校に行くと俺は、完璧に無視されていた。
HRでは名前を呼ばれず
授業中も無視され
俺は1人になった。
けれど、不思議な事に寂しいとか
辛いとか逃げ出したいとかは
思わなかった。
・・・俺は色んなことを経験しすぎたのかも
しれない。
今までの人生
最愛の妹の真実
母の死・・・
そして・・・桃香の入院。
むしろ、その1人が心地良かったのは、
なぜだろう??
そんな日が数日続いた。