彼女。
あれから,母さんの葬式も終わり
俺達は母さんの居ない家に
2人きりになった。
「パパ。ママ何処?」
桃香が何度も何度もその答えを聞いてくる。
「・・・・・・・。解んない。パパも・・・解んないや・・・」
そう言って俺は桃香を抱きしめた。
・・・守らなきゃって思ってたのに・・・
なんで守れなかったんだ・・・!!!!
後悔ばかりが,俺の頭を飛び交う。
・・・畜生!!!!!!
放課後の教室で優華と2人きりになった。
「唐御君・・・お母さんの事残念だったね・・・。」
優華が,残念そうな顔で俺に近寄ってきた。
「あぁ・・・。」
俺はあれから,魂が抜けたようになった。
「・・・桃香ちゃん,日中は誰か面倒見る人居るの・・・?」
そう,今まで桃香の面倒を日中見ていたのは母さん。
その母さんが居なくなった今・・・
「・・・いねぇ・・・。」
そう答えるしかない。
「私・・・考えたんだけど・・・」
「・・・何。」
「桃香ちゃん,私の家で面倒見てあげようか?」
「・・・何それ。」
「家はお母さん居るし・・・子供好きだし・・・。」
「なにそれ,・・・マジでいいのか??」
俺は夢かと思い聞き返す。
「うん・・・,唐御君のお母さんの事話したら,
お母さんが,そう言ってきて・・・どうかなぁ?」
「・・・ほんっとにいいんだな?優華。」
「? う,うん。」
「じゃぁ・・・・,宜しく・・・たのんます。」
俺は言い慣れない頼みますをどうにか一言で言った。
すると,優華は笑顔で
「はいっ!!」
って言ってくれた。
「でも,お前・・・何で俺にそこまで・・・?」
「えっ・・・それは・・・その・・・・」
「?」
優華の顔を見ると真っ赤になっていた。
「私・・・唐御君の事が・・・好き。だから・・・」
「!!!!!」
「だから・・・力になりたくて・・・」
俺はさっきの言葉にまだ目を見開いたままだった。
・・・優華が俺を好き!?
おいおい,なんかの聞き間違いじゃねぇか!?
でも・・・優華の顔は真っ赤で,それは本当の事実を
語るには十分で・・・・。
「・・・・俺も・・・」
「・・・・え?」
「俺も優華の事好きだぜ。」
「!!! 嘘・・・。」
「嘘じゃねぇーって。」
「本当・・・・?」
「ほんと,ほんと。」
「あ・・・・・。これから,宜しくお願いします。」
優華がペコリと頭を下げた。
「あ・・・こちらこそ・・・。」
俺も続いて頭を下げた。
「ふふっ・・・」
「ははっ・・・」
それから,2人で笑いあった。
「・・・あ,唐御君やっと笑った。」
「優華のおかげだって。サンキューな,優華!」
「・・・どういたしまして。」
優華は優しく微笑んだ。
これからが,俺と優華と桃香の
楽しい思い出が作られるはず・・・だった。
優華が唐御の彼女になりましたぁ!!
いぇ〜〜〜,パチパチパチ!!!
(ウザイっえ言わんで)
お母さんが亡くなったのは
悲しいですが,その代わり唐御のは
また,代わりの大切なものが必要なのです。
だから・・・優華を彼女にしました。