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さよなら,母さん。

「はぁはぁはぁ・・・・」


俺は走った。


(母さん!母さん!!母さん!!!)


今でも信じられない。

それでも,走るしかなかった。


そして,病院に着いた。


「すいません!!さっき事故に遭った・・・

小林恵の子供なんですけど!!」


俺は着くなり近くにいた,看護婦に

叫んだ。


「えっと・・・多分応急処置室に居ると・・・。」


「応急処置室ってドコッスか!?」


「そこの角を曲がって・・・」


俺はまた,走った。

すると,角から人影が・・・


ドンッ!!


「テメッ・・・何処見て歩いて・・・優華!?」


「えっ・・・唐御君!?」


「何して・・・」


「唐御君こそ・・・」


「俺は母さんを・・・そだ!母さん!」


俺は優華に出会って忘れていた事を思い出した。


バタバタバタ・・・


俺は走り出した。


「お母さんが・・・どうかしたの!?」


優華も慌てて追いかけてくる。


「事故に・・・遭ったんだ!!」


「えぇ!?」


応急処置室に着くと母さんは手術室に向かうところだった。


「母さん!!!」


俺は叫んだ。


「そこ通してくださーい!!!」


看護婦が叫ぶ。

バタバタと足音が遠ざかっていく。


「「・・・・・・・・・・・。」」


俺も優華もただ呆然と立ち尽くしてるだけだった。

その時桃香の泣き声が聞こえた。


「うわ〜〜〜〜〜ん,ママ・・・ママ・・・!!!」


「・・・桃香!?」


「えっ!?桃香ちゃん!?」


俺も優華も声を出す。

その声に桃香も気付いたらしい。


「パパ・・・!?」


桃香は泣くのを止め,ドアからヒョコリと顔を出した。

そして,俺が居る事が解るとまた泣き出した。


「う・・・うわ〜〜〜ん!!!パパァ!!!」


桃香は泣きながら,俺に向かってきた。


「桃香・・・・!!」


俺は桃香を抱きしめた。


「パパァ!!!ママが・・・ママが!!!」


「よしよし・・・怖かったな!よしよし!!」


俺は桃香の頭を撫でながら言った。


けれど,俺自身もすごく怖い。

このまま母さんが死んだら・・・

そう思うと震えてきた。


「とりあえず・・・手術室に行こうよ。唐御君・・・。」


「あ,あぁ・・・・。」


俺は立ち上がり桃香を抱っこして,手術室へ向かった。



赤く灯った手術室のランプ。

少し寒い冷房。

そして・・・薄暗い廊下に置かれた長椅子。


俺等はそこで待った。

母さんが出てくるのを・・・・・・。

優華も待ってくれた。


桃香は泣き疲れて寝てしまった。












フッ・・・


・・・手術室のランプが消えた。


ガチャ・・・


出てき医者は残念そうな顔をしていた。

そして・・・


「・・・残念ですが・・・・助かりませんでした・・・。」


と,言った。


俺の中の全てがこのまま崩れていきそうだった。


ガラガラガラ・・・


手術室から出てきたのは,

変わり果てた姿の母さんだった・・・。



「「・・・・・・・・・・・・・。」」


俺はもちろん優華も言葉なんか出てきやしない。


「本当に・・・残念でした・・・。」


そう言うと医者は俺の前を通り過ぎていった。


「・・・ご愁傷様です・・・。」


看護婦がそう言って憐れみた顔で俺に言った。



















今回の話は如何でしたでしょうか??

これから,本格的な“不良少年の子育て”が

始まります!!

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