もう一度・・・!
「桃香〜,ただいま。」
俺はいつものように桃香にただいまを言った。
「パパv。」
桃香は俺の声を聞くと,テチテチと歩いて来た。
俺は,その場にしゃがみこんだ。
「パーパvvv。」
桃香はしゃがみこんだ俺にポスッと音を立てて
体重を俺に預けた。
「よ〜しよ〜し,かわいいなぁ。桃香は。」
そこで,俺は異変に気付く。
「あれ〜,桃香。ママは??」
「ママ?おんも。」
「外?もう仕事行ったのかな?」
俺は少し考え込んだ。が,母さんはすぐに戻ってきた。
「母さん,どうかしたのか?外に出てたって桃香に聞いたけど。」
「ちょっと夕飯の材料買いに行っただけよ。」
母さんは笑顔で答えた。
「ふ〜ん。・・・じゃぁ俺着替えてくるから。」
俺は自分の部屋に足を向けた。
そして,俺は着替え始めた。そこで俺はある物を発見した。
それは,野球のバット。
(そっか・・・もう一年くらいやってねぇんだよな・・・。)
「・・・やりてぇな,野球。」
俺はボソリと呟いた。
ガチャ・・・
「母さん・・・」
「なーに?唐御。」
「俺さ・・・・」
「うん?」
「も一回野球やりてぇなぁ〜・・・なんて・・・」
俺は頭を掻きながら言った。
「う〜ん,そうねぇ・・・」
母さんは夕食を作りながら,考えた。
(やっぱ・・・無理かな・・・。)
そうだよな・・・桃香が居るもんな。
「いいわよ。唐御!やりなさい!野球。」
「・・・・・・・へ???」
「母さん,唐御の気持ち押さえ付けたくないわ。
だから・・・やりなさい。青春時代は一度だけなんだから!」
「か,母さん!サンキュ!!」
その時の俺の目はきらきらに輝いていたと思う。
「? パパ。」
そして,そこには首を傾げる桃香。
「桃香,パパも一回野球する事になったぞ〜。」
俺は嬉しさのあまり,桃香を抱き上げた。
桃香も何だか嬉しそうに,笑った。
唐御が野球部にまた入部する事に
なりました〜。
これからも,皆さん宜しく!!