表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/98

桃香のくまさん。

その後,桃香は元気になった。 

あの時の事忘れたような顔してるけど,

時々夢にうなされてる。 

 

母さんには正直に話したさ。 

そう・・・としか言わなかった母さん・・・。

きっと,俺に気を使ってくれた。


なぁ,あんた等はどう思う?

やっぱり・・・俺の所為かな・・・。

そうだよな・・・どうせ俺に・・・ 

 

その時思い出した声。


“お前に子育てなんかできるわけねーだろ!!!”


胸がいてぇ・・・。

でも,桃香の胸の痛みの方がもっといてぇんだろうな・・・。



俺は心の行き場所を見失った。

俺は何処に行けばいい?

俺は何処に居ればいい?


俺は此処にいても・・・いいのか・・・?


そんな事ばかりが俺の頭の上を駆け巡る・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  


俺は次の日,もっともっと強くなろうと心に決めた。

桃香に傷一つ負わさないような強い兄になろうと・・・。


「桃香,くまさんは元気か?」


「くまたん・・・まんま。」


俺は軽く微笑んで, 

 

「じゃぁ,桃香がお料理つくってあげたらどう?」


と,言ってあげた。

桃香は」「そっか!」という顔をして 

急いでおままごとセットを取り出して, 

くまの所に走っていった。

 

「くーまたん。」 


え?さっきから桃香の言ってるの解読すんの面倒くせぇって?? 

・・・まぁ,がんばれや。(笑) 

 

それから桃香はおもちゃの包丁で,野菜を切ったりした。 

 

「はい,くまたん。」


桃香は熊野ぬいぐるみにお皿を渡した。

・・・と思ったら桃香がもう一つお皿を持って 

俺の方にむかってくる。


「?」


「はい、パパ。」


「・・・・・・。」


「・・パパ?」


「あ,あぁ,ありがとー,美味しそうだなー。」


俺はそう言って桃香からお皿を受け取り, 

桃香の頭をなでた。 

 

桃香はくすぐったいような顔をして笑った。

その姿が愛らしくてしょうがなかった。


え?俺がさっき黙った理由? 

いやさ,いつか桃香が俺以外の野郎に 

飯作ってやんのかなー。なんて,思っただけ・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ