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ツルギの剣【再編集版】  作者: 稲枝遊士
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第六十八話 放課後




 その後、野球部の練習は何事も無く進んだ。


 ラブ将軍の組んだメニューに従い、各人が練習を始める。


 剣はまだ退院したばかりということもあって、比較的軽い内容のメニューだった。



 一方で日佳留とナイルは、野球経験の格差を埋めるため、ラブ将軍自らが相手する特別メニューでの練習となっていた。


 内容も実戦さながらの重いものだった。



 やがて日も暮れ、夜になる。


 練習も終わり、一同礼をして、帰りの身支度。


 まずは身体にまとわりつく汗を流さねば、とシャワー棟の脱衣所に全員集合。



「疲れたぁ。


 さあ剣、アタシがユニフォーム脱ぐの手伝ってあげるよ」



 突然、剣の服に手を掛ける日佳留。


「いや、さすがに服ぐらい自分で脱げるよ」


「いいから、いいから♪」



 心底楽しそうな様子。


 剣はため息を吐き、仕方なしに脱衣を任せる。


 だが、そこで一声物申す者もいた。



「待ちたまえ日佳留サン。


 剣サンの服を脱がすのは僕だよ」



「なんで張り合うの……」


 ナイルの行動に呆れる剣。


 しかしそこは聞く耳持たないナイルだ。


 問答無用で剣の服を掴む。



「さあ日佳留サン、離したまえ」


「うっさい!」



 ぐいぐいと二人で引っ張り合う。


 ユニフォームが伸びてしまうのだが、こうなると二人は剣の話を聞かない。



 そこへさらに盾が乱入する。



「お止めなさいな、お二人とも!


 剣が困っていますわ!」



 言いながらも、やはり剣の服を引っ張る。


 何でこうなるんだろう、とうんざりする剣にさらなる追い打ち。


 真希までが、無言で剣の服を掴む。



「……真希はどういう理由で私の服を掴んでるの?」


「楽しそうやから、やで!」



 キラキラと目の輝く笑顔だった。


 はぁ、と一際大きいため息を吐く剣。



「ちょっと!

 アタシが最初なんだから剣のお世話はアタシがするんだからね!?」


「いやいや、抜け駆けは良くないな日佳留サン」


「というか剣のお世話をするならそれこそわたくしが適任でしてよ?」


「お前らよりウチの方が適任や。

 ここは正捕手様に譲ったらどうや?」



 四人、一歩も引かない。



「それならこうしましょう。


 まず一人がユニフォームの上を脱がせる。

 そして次の一人が下を脱がせる」



「なるほど、役割分担だね?


 それならアタシ下着脱がすね!」



「いやいや、そういうデリケートなことは僕のような紳士的な者がやるべきだ」



「いいえ剣の下着はわたくしのものです。


 貴女達はアンダーシャツで我慢なさい」



「変態やないかい!」



「真希だってどうせ興味あるのですわよね?」



「……変態に下着担当は任せられへんからウチがやるわ」


「やっぱり変態ですわ!」



 四人がそうやって言い合う間に、剣は自分でユニフォームを脱いでいた。


 話に熱中するあまり、剣のユニフォームを掴む手は離れていたのだ。



「シャワー、先行ってるよ」



 脱衣所を後にする剣。


 四人は慌てて後を追いかける。



「剣サン、僕が背中を流してあげよう」


「違うよそれアタシの役目だもん!

 今決めた!」


「いいえわたくしこそ適任ですわ!」


「いやシャワーで背中流す奴は別に要らへんやろ!」

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