表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/24

第7話 レクチャー

 

 ガタイの良い指導員さんについていくと、第一階層と表示された頑丈な扉があった。


 扉を開けて中に入ると、その奥にもう一つ扉がある。その扉を開けて、中に入ると鍾乳洞の入り口のような穴が岩壁の中央に開いていた。


「ここからダンジョンだ。中は蛍光石で明るいから心配ないぞ。明るいところに出たら、自分のステータスを確認してみろ」


「はい!」


 ステータスかー。

 まるでゲームみたいだな。


 俺たちは、入り口の穴から続く、所々電灯で照らされた下り坂を降り、3分くらいで明るいところに出た。   

 そこには入口からの通路よりかなり開けたスペースがあった。

 左右の岩壁は蛍光石らしく、柔らかくあたりを照らしている。

 足元は比較的平らな状態だ。

 遠方を見渡すと所々に大きな岩がそびえている。

 天井までは5メートルというところか。

 こんなところに、これほど大きな地下空洞があるなんて、だれが想像できただろう。


「すげー!」 


 俺は、目の前に広がる幻想的な空間に目を奪われていた。


「地獄の入り口にようこそ! 赤嶺天心君」


「え! 地獄の入り口?」


「ハハハ! 冗談冗談」


 青ざめた俺の顔を笑いながら見てくる職員さんが、話を続ける。


「でも、ダンジョン内部は危険がいっぱいだよ。魔物がいるからというだけじゃない。ダンジョン内は無法地帯だ。一番怖いのは人間かもしれないぞ。なにせ殺人がおこなわれても、魔物に殺されたのか人間に殺されたのか分からないし、死体が見つからないことの方が多いのかもしれない。実際、行方不明の人間は後を絶たないからね」


「無法地帯……ですか」


「そうだ。ダンジョン内は、管理が非常に難しい。魔物に注意を払うのと同じくらい、知らない人間にも注意をしろよ」


「は、はい…………」


 なんだか、すごく怖くなってきたぞ。

 知らない人は殺人鬼かもしれないのか?

 確かに、二階で飲んでた人達、なんだか柄が悪かったよなあ。

 でも、さすがにちょっと脅かし過ぎだろう。


「じゃあ、探索者カードをだしてくれ」


 俺は、言われた通り探索者カードを取り出した。


 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル1

 HP    8

 MP    0

 力     8 

 防御外皮  8

 知力    7

 速さ    8

 器用さ  12


「ステータスの数字は、成人の平均値が10くらいと言われてるな。十五歳だと8くらいが普通かな」

 職員さんがが、簡単に解説してくれる。


 ……知力7。やっぱり俺って頭悪かったのか。


「ステータス・オープンって唱えてみろ。もっと分かることがあるぞ」


 まんまラノベかゲームだな。俺は言われた通り呪文を唱える。


「は、はい。ステータス・オープン」


 目の前に光でできたステータスボードが現れた。


 うわ! マジかよ。

 ......て、どれどれ。


 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル1

 職業    怪盗紳士

 HP    8

 MP    0

 力     8 

 防御外皮  8

 知力    7

 速さ    8

 器用さ  12

 スキル   スチール(ユニーク)レベル1

 魔法    なし

 装備    竹槍


 職業、スキル、魔法、装備が載っていた。

 魔法はなしだけどね。


 ……多少こっちの方が詳しいのか。

 それにしても、怪盗紳士って、……泥棒の子は泥棒だってか?  


 ダンジョンにまで見下されてるのかよ。


 紳士ってのは、今まで清く正しく生きようとしてきたからか?

 学校はサボってるけど。


「どうだ。少しは詳しく載ってるだろう。職業によって、適した武器とかが分かることもあるぞ。剣士なら刀とか、ナイトなら剣とかな」


「はい……」

 怪盗紳士って、武器はトランプとかかな?


「それじゃあ、まずは魔物の倒し方をレクチャーするぞ。ついてこい」


 マッチョの指導員さんがダンジョンの奥に向かって歩き出した。俺は後ろについて行く。


「あそこを見ろ」


 指さした先にぷよぷよした水まんじゅうのような生き物が飛び跳ねていた。


 あ、スライムだ。スライムって飛び跳ねてうごくのね? ドロドロはってくるのかと思ってた。


「あれがスライムだ。第一階層ではスライムしか出ないと言われている。スライムは中の核を攻撃するのが基本的倒し方だ。こうして槍で…………」


 職員さんが手にした竹槍でスライムの核を突いた。

 ぷよぷよしていたスライムが、どろりと広がり、水たまりになった。

 その中心にパチンコ玉のような魔石が落ちている。

 水たまりは少しずつ煙に変わって消えていく。


「どうだ。あっちにいるスライムを倒してみろ」

 職員さんが魔石を拾いながらむこうを指さす。


「はい。あれですね」

 俺は、むこうのスライムにゆっくり近づき竹槍で突き刺した。だが核を上手く突けなかったようで、スライムはぽよんぽよんと飛び跳ねて逃げた。


 く! けっこう難しいな。 


 追いかけてもう一度突く。

 今度は核を外さないように集中する。

 今度はどろりと広がり、水たまりになった。

 そして煙になって消えていく。

 最後に魔石だけが残っていた。


「ほー! 二回目で核を突きさすなんて、お前器用だな。初めは十回突いても魔核をとらえられないのが普通だぞ」


 俺の器用さは12で平均の8よりかなり高い。だからかな?

 俺は魔石を拾ってまじまじと見つめた。これが魔石か? 

 これが魔力の源か? たいした力も感じんけど。


「それが魔石だ。買い取り金額は100円だぞ。スライムは、時々スライムゼリーをドロップする。それは500円だな。魔物は死んだとき、時々持っていたものを落としていくことがあるんだ。魔石は必ず残るが、スライムがドロップするのは十回に一回くらいだな」


 うん。

 調べたから知ってる。


「さて、これでレクチャーは終わりだな。ダンジョン内で手に入れた物は、持ち出し禁止だから、すべて買い取りになる。クロークで武器などの道具もすべて預かるから、そこで一緒に提出すること。代金は受付に行ってもらってくれ。竹槍は帰る時にそこで返してくれ。大事なことだからもう一度言うよ。自前の武器防具も銃刀法の関係でロッカールームで着替えたら残らずクロークに預けるんだぞ。銃や刀を外で持ってたら捕まるから気をつけてね」


「はい。分かりました。ご指導ありがとうございます」


 マッチョの指導員さんが出ていき、俺だけがダンジョンに残った。


 さて、探索者活動の開始だ。

 第一階層ではスライムしか出ない。

 スライムの倒し方は分ったが、自分のスキルが気になった。


「ステータス・オープン!」


 目の前にまた光でできたステータスボードが現れる。


 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル1

 職業    怪盗紳士

 HP    8

 MP    0

 力     8 

 防御外皮  8

 知力    7

 速さ    8

 器用さ  12

 スキル   スチール(ユニーク)レベル1

 魔法    なし

 装備    竹槍


 スチール(ユニーク)って、やっぱり盗むってことだよね。

 しかも(ユニーク)って、他とはちょっと違うってことかな?


 持っているものを盗めるのならスライムからスライムゼリーを盗めるんじゃない? 


 倒す前に盗んでみよう。


 ということで、スライムを見つけてスチールを試す。


「スチール!」


 俺は、右腕をスライムにかざし呪文を唱える。


 HP1をスチールしました。


 変な声が聞こえたような?

 …………はい?


 何も手にないので失敗したのかと思いもう一度試す。


「スチール!」


 MP 1をスチールしました。


 …………はい?


 手にはなにも握っていない。


 もう一度。


「スチール!」


 スライムゼリーをスチールしました。


 俺の手にはスライムゼリーが握られていた。


 やった! スチール成功だ。

 これで五百円ゲットだぜ!


 目的の物を手に入れた俺は、竹槍でスライムを倒し魔石も手に入れた。


 これで一匹倒すごとに六百円手に入る。

 俺は自分のスキルの有用性に満足した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ