表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/26

第21話 付いていけてるの?

 


「赤嶺君、3年生になって、あまり授業を受けていないでしょう? 勉強に付いていけてるの?

 カーテン越しに、松本先生が声をかけてきた。


 付いていけてるわけがない。

 口には出さず、心の中で即答する。

 教科書なんて、最後に開いたのがいつだったかも思い出せない。

 授業中は寝ているか、そもそも教室にいないか、そのどちらかだ。


 ……正直、うっとおしい。


「赤点取らないように、私がここで教えてあげようか? 赤点取ると再試験になるわよ……」


 マジか! 


 2年生までは、なんだかんだ赤点は取らずに済んでいた。

 しかし3年になってから、ほとんど教科書を見ていない。

 ……さすがにやばいか?


 赤点を取ると、確か再試験。

 再試験になると補講。

 補講になると……夏休みも学校。


 ――最悪だな。ダンジョンに行く時間が無くなるじゃん。


「赤嶺君。あなた、本当は教室に居れないだけなんでしょう?」


 ……図星だわ!


「あんなことがあったものね。どうする?」


 責められてるわけじゃない。

 ただ、選択肢を出してくれてるだけ。


 自力でやるのも難しかろう。

 嫌だけど、我慢して、ここは世話になるとするか。


「じゃあ、体調が良いときだけ、お願いできますか?」


「決まりね。今から始める?」


 気持ちの整理も必要だよ。今すぐには流石に嫌だ。


「いえ。今は少し眠らせてください」


「分かったわ。それじゃあ、私は職員室にいってるわね」


 松本先生は、席を立つと保健室から出て行った。

 俺一人が残される。


 俺はベッドに仰向けになり、天井を見つめる。

 白い天井は、何も考えなくていい場所みたいで、楽だぜ。

 考えるのはやめて、昼まで寝させてもらお~っと。


 疲れがたまっていたのか、俺はすぐに眠りについた。


 給食の準備のために、生徒たちの足音が保健室の前の廊下に響き、その音で俺は、目を覚ました。


 ……腹減ったなあ。


 教室に戻って給食を食べようか?


 最近給食を食べたことがない。

 教室で飯を食うのは居心地が悪い。


 いっそ池袋西探索者ビルに行って二階のレストランで昼飯を食おうかな。

 金はあるし、教室で給食を食うより気が楽だ。


 しばらく考えた末に、俺は池袋西探索者ビルで飯を食うことに決めた。


 ベッドから抜け出し、保健室を出るころ、給食の準備は終わっていた。

 生徒たちは給食を食べ始めていたため、学校の廊下に生徒達の姿は消えていた。

 俺は、誰とも会うことなく学校を出ることに成功し、池袋西探索者ビルに行くバスに乗る。


 腹減ったなー。


 今日は不思議と腹が減っていた。

 いつもは昼飯を抜いてしまうことが多かったのに。

 昨日消費したエネルギー量が多かったのだろうか?


 腹を撫でながら、池袋西探索者ビル前でバスを降りる。

 池袋西探索者ビルに入って、二階のレストランに直行する。

 二階のレストランは、探索者で溢れていた。


 この時間は割と混んでるんだな。

 空いてるテーブルを探す。


 パーティ用の4人、6人がけのテーブルは、ほぼ埋まっていたが2人がけのテーブルは、空きがあった。

 急いでテーブルを押さえて、注文するために右手を上げウェイトレスを呼ぶ。


「和風ハンバーグ定食をお願いします」


「承りました」


 しばらくして和風ハンバーグ定食が運ばれてくる。

 思っていたより待ち時間が少ない。

 人気のメニューは、ある程度のところまで作り置きされているのだろう。

 ハンバーグ定食系は、ハンバーグを焼く以外は、さして時間がかからないような準備がされているのだろう。


 熱々で、湯気の上がるハンバーグをナイフで切り分けフォークで刺して口に運ぶ。


「うめー! ……やっぱりこれが一番だな!」


 思わず言葉が口に上った。


 周りに知り合いがいないのも、気が楽だ。

 これが、学校で給食を食うなんて場合は、周りから圧を感じずにはいられない。

 やはり、ストレスフリーが一番なのだ。


 がつがつと食べ続けると、すぐに食べ終わってしまった。

 水をグイと飲む。


 腹八分目という感じだが、そのくらいのほうが動きに支障が出なくて、都合がいい。


 テーブルから立ち上がると、テイクアウトに並ぶ探索者たちの列が目に入った。


 夜食べる分をここで調達し、ダンジョン内で食べれば、夜遅くまで探索をし続けることができるというわけだ。


 ……俺も、ここで晩飯を調達しておこうか。


 俺はテイクアウトの列に並んだ。


 焼肉弁当を頼んで、受け取りの列に並びなおす。


 けっこう流れが早くて弁当をすぐに受け取れた。

 ビニール袋に入った弁当は、においが漏れないようにジップロックで密閉されていた。


 臭いが漏れると、魔獣が寄ってきやすいのかな?

 細かい気遣いが嬉しい。


 スライムが寄ってくることはないと思うが、下に行けばそういう魔物もいるに違いない。


 弁当を持って三階に、小型のリュックサックを買いに行く。

 弁当を入れて持っていけるし、スライムゼリーや魔石を入れておけるため、精算時にクロークで出す時に使えるはず。


 弁当を持ちながら、三階で買い物をするのは少し恥ずかしいが、一度だけだと我慢して、さっさと良さそうなリュックを選んで買った。

 そして弁当をリュックに入れる。


 このリュックは、帰る時にロッカーに置いて行けばいいと思う。

 そうすれば、学校に行くときでも関係なく使用できる。


 リュックは、二万二千円と高かったが、今までの稼ぎが五万以上だったので何とか買えた。

 手元にまだ二万五千円は残っているが、盾を買うにはまだ足りない。


 俺は、弁当入りのリュックを担いでダンジョンに向かった。


 今日は今までよりたくさんスライムを狩るぞ!


 ダンジョン第一階層に入る前に浅層の地図を買っておく。

 これは、クロークでも販売している。


 クロークで売っているくらいだから、情報は最新なはずだ。

 なんと千円とお安いうえに、第五階層までの地図が載っている。


 そこには、下の階とつながる出入り口の場所まで記載されているし、その階のそれぞれの分かれ道の先がどれだけ深いか一目瞭然で分かる。


 第一階層は、下につながるルートを無駄なく進む探索者がほぼ全員なわけだが、俺は十五歳にまるまで第一階層を探索して回るのだ。隅々まで探索して回ることになるだろう。

 いや、そうするつもりだ。


 俺は、地図を確認しながら、第一階層を進んだ。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ