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『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第10話 三人組

この時点でのステータス


 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル2


 職業    怪盗紳士


 HP    9(+116)


 MP    0(+39)


 力     9


 防御外皮  9(+43)


 知力    8(+35)


 速さ    9(+36)


 器用さ  13


 スキル   スチール(ユニーク)レベル2

       スライムの胃袋(31)レベル1

       消化液(30)レベル1


 魔法    なし


 装備    なし


 アイテム  なし


 

 俺は遠くに見える人影をじっと見つめた。

 まだ向こうは俺に気付いていなそうだ。


 …………三人組か? スライムを狩ってるのか?


 竹槍でめったやたらと突きまくっている様子。


「やっと水になりやがったぜ!」

「なんだよ。また魔石だけか!」

「スライムゼリーは10回に1回でればいいらしいぜ。しょーがねーよ」


 俺は三人に気付かれないように後ろに下がった。

 何しろダンジョンの中では人間が一番怖いと、昨日レクチャーの時、聞いていた。

 なおかつあの三人、お世辞にも柄が良いとは言えない感じ。


 見えないところまで後ろに下がり、Uターンして別方向のスライムを探す。

 ダンジョン第一階層は迷路状になっているため、人のいないところで狩りをすることは可能なはずだ。


 俺は気付かれずにその場を離れると、だいぶ離れたところまで狩場を移した。

 だって知らない探索者なんて、怖いんだもん。


 周りに誰もいないことを確認して狩りを再開。


「スチール!」


 速さ1をスチールしました。


「スチール!」


 防御外皮1をスチールしました。


「スチール!」


 知力1をスチールしました。


 あ! スライムゼリーを思い浮かべるの忘れてたわ!


「スチール!」


 スライムゼリーをスチールしました。


 やったぜ。一発だ。それでは死んでもらおうか。


「スチール!」


 HP1をスチールしました。


「スチール!」


 スライムの胃袋をスチールしました。


「スチール!」


 MP1をスチールしました。


「スチール!」


 HP1をスチールしました。


 どろり。


 魔石を拾って次に行こう。


 俺はそれから調子よくスライムゼリーをゲットしていく。

 10個貯まったところでクロークのお姉さんに買い取ってもらう。

 二度目の探索にゴーだ。


 その後も順調にスライムゼリーをゲットし続け、10個抱えてまたクロークへ戻る。

 今日は公園で一夜を明かさなくてはならないので遅くまで探索していても問題ない。


 ダンジョン内で一夜を明かすのは無理があるよなあ。


 明日サッカーだし、徹夜をして疲れて寝ぼけてたらクラスのみんなに怒られそうだ。

 今日もゼリー20個、魔石22個で1万2千2百円になるし、この辺で帰ろうかな。

 そんなことを考えていると後ろから声がかかった。


「おまえ、ゼリーすごく持ってたな。そんなに出てくるなんて、いったい何匹倒したんだ?」


 振り向くと、さっき見かけた三人組だった。

 驚いたがここはクロークの前。

 まさか、ここで襲われることはないはずだ。


「え! まあ、頑張ってたくさん倒しましたよ。そういうあなたはだれですか?」


 ちょっと腰を引き気味に振り返りながら答える。

 変な奴らに絡まれちまったぜ。

 はよ逃げたい。


「俺は、去年石神中を卒業して探索者になった梶谷猛(かじたにたける)ってもんだ。お前、一年下の泥棒の息子だろ?」


 こんなところで、泥棒の息子なんて言わないで欲しい。

 間違っていないけど、あまり他人に知られたくない事なんだ。

 クロークのお姉さんが引いてるじゃん。


「俺のこと、知ってるんすか?」


「ああ、お前けっこう有名だからな」


 ……マジか。

 上の学年にまで知れ渡ってたの。

 俺、悪いことしてないよ。


「そうだぜ。一年上だったけど、お前がハブられてたの知ってるぜ。俺達も先公には睨まれてたからな。似た者同士、これからよろしく頼むぜ」


「は、はあ?」


 後ろにいた二人も自己紹介を始めた。


「俺も、梶谷と同じだ。金城守(きんじょうまもる)。よろしくな」


田畑康太(たばたこうた)。なめんなよ!」


 この二人も先輩らしい。

 がら悪ー。


「よろしくお願いしますっす。赤嶺天心っす」


 首をすくめるように会釈をすると、


「「知ってる」」


 俺そんなに有名だったの? 

 何も悪いことしてないよ。

 涙が出そう。


「どうだ。こうして会ったのも何かの縁だ。一緒に晩飯でも食わないか?」

 

 遠慮したいです……とはいえないよな。

 断ったらひどいぞって顔で睨んでるし。


「ありがとうございます」


「んじゃ、両替は一緒に行こう。そのあと二階のパーラーな」


 二階の食堂、パーラーっていうのか。

 初めて知ったぜ。


 俺は、クロークのお姉さんから伝票を受け取り一足先に一階受付に。


「受付前で待ってますんで」


「おう」


 三人組がクロークに今日の成果を渡し始めた。

 スライムゼリーは1個しかない。

 こいつらドロップ運が悪そうだな。


 見て見ぬふりをしながら一階に急ぐ。


 このまま逃げてしまいたいけど、次また会うに決まってるから、それは悪手だ。

 ――ここは我慢。


 受付で伝票を渡して現金に換えてもらった。

 1万2千2百円。


 金をポケットにねじ込む間もなく三人組がやってきた。受付の前を空けて横にどく。

 三人組も両替をし俺の方を振り返った。


「さ、行こうぜ。何なら今日はおごってやる」

 ニヤリと梶谷猛(かじたにたける)が笑った。

 おごられるのも、なんか怖い。大丈夫かな。

 でも断るのも、もっと怖い。


 階段を上って二階のパーラーに入る。

 けっこう探索者がいっぱいいた。

 飯の時間だし、飲みの時間でもあるのだろう。


「俺たちゃ、まだ未成年だから、酒はご法度だぜ」


 この人、田畑康太(たばたこうた)だったかな。

 見かけによらずまともじゃん。

 ガンガン酒飲んでるのかと思ってた。

 ちゃんと法律を守ってるんですね。


「俺はデミグラハンバーグ定食」

「じゃ、俺も」


 梶谷と金城は、デミグラハンバーグ定食らしい。


 俺は昨日食べた和風ハンバーグ定食にしようか、ここは二人に合わせておこうか迷ったが――。


「俺、和風ハンバーグ定食で!」

 

 オッと。田畑は和風ハンバーグ派か!


「じゃ、俺も和風ハンバーグ定食で」


 状況変化をすかさず利用する俺。

 田畑先輩グッジョブです。


「お! 気が合うねえ。やっぱり、さっぱりテイストがいいんだよなあ」


「そうですねえ」

 ここは気が合うことをとりあえずアピール。


「ご注文がきまりま……」


「デミグラハンバーグ定食二つ。和風ハンバーグ定食二つ」

 梶谷が手際よく注文を済ませ、お姉さんが会釈をして去っていく。


「おめー、中学どうしたの? 退学させられたん?」

 

「いえ。早引きしてきています」


「おいおい。学生と掛け持ちか? やる気あんなー」


「掛け持ちっていうか、俺、不登校気味なんで」


「ああ、いじめられてんのか」


「いじめっていうか、白い目で見られ続けてるんで」


「親が泥棒だからか?」


「まあ、そんなとこです」


 梶谷が俺の答えを聞いて目を細める。


「梶谷さんたちは、俺が泥棒の息子だからって、嫌がらないんですね」


 俺は、こいつらの特殊性を指摘した。

 初めは、俺を獲物に定めてるのかと疑っていたが、どうやらそうではないようだ。


「泥棒の息子でも嫌がらないのかって? 俺たちの親だって大したものじゃないし、お前が泥棒したわけじゃないんだろう?」


「はい。俺は清く正しく生きてきたつもりですから、犯罪みたいなことはしたことないです。暴力とかも、正当防衛の範囲にとどめてますし」


「正当防衛はするんかい?」


「はい。やられっぱなしだと、いつまでも続くんで」


 そう。

 俺は、やられたらやり返した方が良いと思っている。


「そうか。ま、俺たちは、お前の出自がどうこうなんて言わないさ。お互い様だからな」


 俺と梶谷のやり取りを聞いていた金城が話に割り込んだ。

 


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スチール便利!これからどう進化してくのか気になります!!
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