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ある日始まる魔導書との物語  作者: 霧雨
序編 始まりの物語
4/4

無魔法とは

午後、授業が終わり下校の時間。今日も特に何も無く1日が終わっていく…と、思っていたが1つ気になる事がある。リヴェイアが言っていた俺の無魔力についてだ。

俺は学校を少し離れた所でリヴェイアを実体化させる。

「せっかくだ、歩きながら話を聞かせてもらおう」


『話とな?あぁ、主の魔力の話じゃな。』


「仮に俺の魔力が無魔力だとして、無魔法ってのは何なんだ?お前が必要そうなのはここまでの流れ的にわかるが、どうすれば使える?」


リヴェイアは口に手を当てて傾げる


『うーむ、正直な話我もよくわかっておらん』


「は?おい、どういう事だよロゴスマグナさん」


『その呼び方は好きでは無い!リヴェイアと呼んでくれ』


俺はやっと魔法が使えるようになるのかと期待していた分の失望感がリヴェイアの一言によって襲ってきた。


「結局俺は魔法が使えねぇのか…」


『使えんとは言っとらん。詳しく話すと長くなるのじゃが、要は無魔法を使う条件は我の中にある無魔法の術式と主の魔力がリンクする事じゃ。じゃが、久しぶりに解き放たれたからかわからんが我は術式の記憶をほとんど失っておる。つまり、我が術式の記憶を取り戻せば主は無魔法を使えるようになるという訳じゃな』


「なるほど、思っていた以上にお前が重要な訳だな。ちなみにどうすれば記憶が戻るかなんてのは知らないんだな?」


『おん』


舐めてるのかこの魔導書は、いつの間にそんな現代的な言葉遣いを覚えたんだ


「て言うか、お前さっきほとんど忘れたって言ったよな?て事はいくつかは覚えてんのか」


『そうじゃな、3つほどは覚えとるぞ』


「普通に覚えてんじゃんか、元々いくつあったんだよ術式」


リヴェイアは両手の人差し指をこめかみに当てて必死思い出そうとしていた。


『うーん…数だけならなんか思い出せそうじゃなて…8…いや9?いや!!10じゃ!!』


リヴェイアが記憶していた無魔法の術式は10個

つまりは残り7つという訳だ。


「7個忘れたのか、まぁ1旦3つもあれば俺としては十分だな」


『今使ってみるか?と言っても実際使えるのは1つだけじゃが』


「?どういう事だ」


『2つは実戦用の術式でな、戦う相手がおらんと効果を発揮せん。』


「なるほど、じゃあものは試しだ。そこの公園で初魔法体験だ」


『公園…ちょっと心配じゃがやってみるかの』

――――――――――――――――――――――――――


神白幻魔とロゴスマグナ第弍帝書。その2人をビルの上から見つめる1人のスーツの男とゴスロリ少女がいた。


「ついに接触してしまったか。目覚めさせてはいけないやつを目覚めさせたな」


「それは神白幻魔?それともあの魔導書?」


スーツの男がネクタイを締め直しながら答え

る。


「そんなの決まってるだろ。この世で最も恐ろしいのは神の名を冠する者だよ」


「それ、貴方が言うの?」


「恐ろしく早いツッコミをありがとう。まぁ、しばらくは様子見か。何かしらイレギュラーが発生しない限りは」


「フラグ臭くて仕方ないわね」


――――――――――――――――――――――――――


俺とリヴェイアはとりあえず公園の真ん中辺りに来た。


「そもそも魔法の使い方自体授業で聞いた事あるくらいで全く実践経験が無いんだが、どうすればいい?」


そう聞くとリヴェイアは人間体から魔導書の姿に戻り、俺の右手に絡みついてくる。


『我を1ページ開くのじゃ』


「あ、あぁ」


俺はリヴェイアを1ページ開く。そこにはどこの国の言葉かわからない文字がぎっしりと書かれていた。


『次にページに触れるのじゃ』


「お、おう」


『あッッ…♡』


「変な声出すな、せっかく緊張してやってんのに雰囲気壊れるだろ」


『すまんすまん、えーっと、じゃあ次は詠唱じゃな。ここは陽魔法とか陰魔法と変わらん。ただ1つ違う所があるとすれば、詠唱する文の少なさじゃな。』


「何を詠唱すればいいんだ?」


『解』


リヴェイアから発せられたのはたったの2文字


「は?それが詠唱?いくらなんでも少なすぎないか?何回か他人の詠唱は聞いた事あるけど、大体が1分くらいは詠唱してるイメージだけど」


『まぁ、詠唱が長ければ長いほど使う魔法は安定するからの。長い事が悪い訳では無い』


「おいそれって大丈夫なのか?つまり俺の魔法は安定性に欠けるって事か?」


『そこは安心して良いぞ。短いのは短いなりの理由があるんじゃ。陽魔法や陰魔法の詠唱が長いのはどれもが複雑な魔法故に安定させるのが難しいため長くせざる負えないという理由がある。一方で無魔法は複雑の反対をいく魔法。単純を極めた魔法なのじゃ。だから安定も何も無いんじゃよ。』


「なるほど…じゃあやってみるか」


俺は人生で初めて詠唱をして魔法を行使する。


「解」


スッッッッパン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼詠唱した瞬間に耳に何かが切り裂ける音が聞こえた。

それは一瞬の出来事だった。神白幻魔が立っていた公園、その半径3mが跡形もなく消滅していた。神白が立っていた部分だけを残して地面が抉られている。


「え…」


『うーん…ちと公園はまずかったかの~念の為主の魔力を制限しておいて正解だったの』


「制限?いつの間にそんなことしてたんだ」


『言っておらんかったか、我と主を繋いでいるこの鎖は魔力を制限する効果が付与されておる。つまり本気を出したい時はこの鎖を千切れば本気の魔力で魔法を使える。まぁ、数分すれば鎖は元に戻るんじゃがな』


「なんでまたそんな面倒なのがお前についてるんだ」


『それは我もよくわからん。目覚めたら鎖に関する知識だけはあった。そこに至った経緯は全く覚えとらん。』


「でもこれで何となくわかった。これが魔法か…」


『これで1つ目の無魔法『解』は習得した訳じゃな。1度使えばまたページに触れて詠唱する必要は無い。我に触れてさえいれば詠唱するだけで『解』が使えるぞ。』


「まぁちょっと危険な気するから余程の事がない限りは使うのはやめよう。今日はもう帰るか」


そう言うとリヴェイアは再び人間体に戻る。

そして公園を離れ家に向かって歩いて行く。


『近いうちに2つ目と3つ目も使えると良いのじゃがなー』


「そうそう実践なんてあるもんじゃないしな」


『学校でそういうのは無いのか?』


「そういえばあったな、俺は魔法使えなかったからずっと参加してなかったけど、魔法大会みたいなの」


『なんと!!ではそこで使うとしよう!!!』


「えー、まぁそこしかないか…正直人に見られるのは好きじゃないんだけどな。仕方ないか」


こうして俺は魔法を初めて使い、そして残されている2つ目と3つ目の無魔法を習得するため、俺は魔法大会に出ることを決意した。







お久しぶりです、昼寝しすぎました。また更新していきます!

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