転生しました
少年は気がつくと洞窟の中で倒れていた。
「あれ……俺は確か、異世界に来ちゃったのか、
テュポーンともう少し話したかったな」
独り言を呟きながら辺りを見渡すと、何らかに
使うガラス板、軍服を着た死体、その死体を貪り食っている狼の群れ、そのおこぼれを狙うスライムが何十匹かいた。
ここの生態系の頂点は狼……なのか?
取りあえず僕の存在がバレる前に遠くへ逃げよ。
グルルルル
忍び足で何処かに逃げようとすると狼達から唸り声をあげられる。
「ごめんて、邪魔物はとんずらするから――」
急いで逃げようとするが地盤が緩んだ場所を
踏み、下に落ちていく。
少年は気がつくと遺跡にいた。
「痛て……なんで焦るとこうも悪いことが起こるんだ」
周りを見ると辺りに和服、鎧、パーカーを着た
骸骨が転がっていた。
「ここら辺って世界観バラバラだな」
骸骨をどかすと杭とハンマーが置かれていた。
「あ―成る程……こいつらは労働力か、テュポーンが送れたなら他の神も送れるはずだしな」
独り言を呟きながら遺跡探索をしていると40m級の扉が現れる。
「で……でかい、何が入ってんだ、まぁ開くことは
無いから大丈夫……ん? 何か書いてあるな」
[ אל תעיר אותו, אם תטיל טאבו, ההידרה תתעורר.
הידרה המתעוררת מתחילה להרוס ללא הבחנה את ארץ האלים, סדרן. ]
ラテン語で書いてある。
一応読めるっちゃよめるけど何々……。
[奴を目覚めさせてはならない、もし禁忌を唱えればヒュドラが目覚めてしまう。
目覚めたヒュドラは見境なく神の国サドランを破壊し始める。]
神の国か……出来ればぜひ破壊して欲しいもんだ。
禁忌の言葉を探し、周りを探すと天井にラテン語が刻まれていた。
["רשום כאן את המילים האסורות."
גאג'ורה]
「えーとなになに……禁忌の言葉をここに記す、
ガジュラ……あ」
書いてあったラテン語を翻訳すると突如門が開き始める。
あ……これ僕食われるENDじゃん、異世界人生一瞬で終わりか。
どうせならテュポーンの部屋でもっとブドウ食べとくんだった。
諦めの境地に立っているとドアが開き、首が10本ある15cm程のヒュドラが出てくる。
シュルル
少年がいる方へ来ると体を這い上がってくる。
「あ……あの……何してるんです?」
シュル~
「懐いてくれたら良かったんですが……それじゃ僕はこれでお暇させていただきますね」
肩にいたヒュドラを置き、その場を離れようとすると目の前に巨大な蛇が現れる。
「おい、危ねぇぞ……ってあれ?」
ヒュドラを連れて逃げようとするが、そのヒュドラの首のうち1本がワープホールに入っていた。
「ね……ねぇ、何したいのかな?」
シューー
「一緒にいたいの?」
シュル
「えっと……これはYESって事で良いかな、じゃあ一緒に行こうか」
シューン
適当に話すとヒュドラを頭に乗せて歩き始める。
外に出るのは良いけど……どう出るんだ。
一応落ちてきた天井もあるけど40mあるし、先に進む道はヒュドラが壊しちゃったしな。
せっかく丸のみENDから逃れたんだ、餓死ENDなんてまっぴらごめんだ。
わかりやすく焦ると、落ちてきた場所に戻り壁に手をかける。
「こんな時、どうしようもない時は……ごり押しだよな、ヒュドラ」
zzz……
「こいつ……寝てるじゃねぇか、出来ることなら
でかくなって運んで欲しかったけど……服の中に仕舞うか」
文句を話しながら彼は登っていく。
そうこうして20m付近まで登った時、彼の体に
異変が起こる。
ちかれた……、手が動かねぇ。
こっから地面に戻るには……熱烈なキスをしなきゃ降りれないよな~。
かといって登り続けるのは……無理だ。
脳内1人会議をしていると手から力が抜ける。
ヤバい……手が離れる。
あぁ……天井が見える、やっぱ頭スムージーEND
なのか。
…………にしても長くないか? 死ぬなら早く
死にたいよ~……ん?
弱音を心の中で叫んでいると自分が壁に立っている事に気づく。
「え? 僕壁に立ってるの? 凄!!」
テンションMAXで壁を歩いていく。
「よし、壁を歩ききった~……ウッ」
遺跡を出ると、急に空腹に襲われる。
「ひ……人……死体の……血……」
死体……美味しそう。
自分の本能に従い動くと狼が食い荒らしている
死体が見えてくる。
グルルルル
「……どけ」
ガッシャー!!
狼が襲いかかって来るが、頭と体を泣き別れさせ、頭から垂れる血を飲み始める。
「……っぷはぁ、旨いな~」
狼の血を飲み終えると頭を捨て、下半身がミンチ状になった死体の首に噛みつき、血をすすり始める。
「やっぶぁ、ひふぉのひふへ~」(やっば、人の血うめ~)
夢中で血をすすっていると遠くからこちらへ歩いてくる足音が聞こえる。
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