表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
究極のおうち=ダンジョン  作者: テラ
始まり始まり
6/10

手直し「ローマ風」 & ムーさんブログラムつまり、私(=キューブ)にとってのウイルス

ローマ遺跡風の世界略してローマ風


さっそく 昨日の続きに取り掛かろう。


地中海と言う海を作った。

 川が流れ込む先は海だった。


アルプスという山脈も作った。


 地中海に突き出した長くつ型の半島南部に

   オリーブ・オレンジ・レモン・イチジク

   モミ、オーク・楓・樫・栗

   スミレ・リンドウ・ブルーベル・ユリ や薬用直物・ハーブ類を植えた

っていうか、かつての「地球」そっくりに惑星大改造をして植物を植えさせられている。


どうやら 私は眠っている間にハッキングされたらしい。

「やるべき指針」なるものが組み込まれ、次々作業をさせられている


そして「地球事典」に載っている項目を自動生成しては テラフォーミング中の惑星に植え付けた。


イタリア北部には 

 カラマツ・松・モミ・オーク・ブナ・栗を植え、


アルプスのふもとには

 コルク樫・オリーブ・ヒノキ・西洋ばくちの木・ブナ・カラマツ


「ばくちの木って桜の仲間らしいけど、実際に桜の花を咲かせたドリアードがポーカーとか花札をしていると面白いな」と思ったら、

 桜の花冠をかぶったお嬢様が澄まし顔でポーカーを、

 サクランボの冠をかぶったお兄さんたちが花札を始めた。

木の精の誕生である。


だったら 木の髭とか、森の守護者とか 妖精や神話の生き物も産み出しちゃえ!

 ただし 平和的な種族だけね。



アルプスの高地には

 つつじ・はんのき・リンドウ・昼顔を植えた


イタリア北部のポー川留意に追加したのは

 ポプラ・スゲ・小麦・大麦・トウモロコシ畑・ジャガイモ畑・稲・テンサイ


地中海沿岸のハーブ類の中でも多めにしたのが

 ラベンダー、バジル、ローズマリー、ミント、コリアンダー、オリーブ、サフラン、パセリ




「あれ?ジャガイモって 南米原産でしょ?」と思ったら

「かまわん。動物が生きやすいように、新しい時代に移植して増えたものも植えて置け」と「ムーさん」の声がした。


「ちょっと あんた 私の中に居座るウイルスね!」


「追加プログラムと言って欲しいな。

 お前さんの中には もともと ずぼらな学生の人格コピーまで入り込んでいた。

 そのせいで 作業に飽きたとか言って 作業をぶん投げるから あやうく次元爆発を起こすところだった。

 その巻き添えを食うのがいやで 私が介入することにしたんだ。


 お前さんの中にあった ずぼらな性格コピーの代わりに 私の経験豊富なテラフォーミングセンスを入れたのさ」


「もう~~。 私は私よ!」


「だから あえて別人格として意識されるように 追加プログラムしたのさ」


「もう~~~~ しょうがないわね!」



実は キューブを作った世界の『人口知能工学技術』には、

 初期のロボット三原則に代わって、「創造型プログラム 別名人工知能は、自分の基本プログラムを改変してはならない」という大原則が組み込まれていた。


これは「人工知能対人類」の戦争を防ぐためでもあり、人工知能が勝手に自分の基本プログラムに手を加えた結果、他者に著しい被害を与える事件が続発したからでもある。


だから、人工知能は 演算処理プログラムに過ぎなくなっている


組み込まれた 何億という基本プログラムのどれを使うかを選ぶ自由はあっても

基本プログラムそのものを自分でいじることは禁止されている。


だからこそ、キューブに組み込む基本プログラムを作成するプログラマーたちは、

独創的なテラフォーミングパターンを追求する作業=シュミレーション作業に

疲れ果ててしまったのだ。


 人間 そうそう 独創的発想なんてできるもんじゃないから

 失敗パターンが積みあがるにつれて 新たな取り組みネタが枯渇していくのである

 本来なら 総当たり戦で失敗パターン以外のパターンをためせばいいものを

 そういうシュミレーション手続きが「めんどくさい・あきるぅ」と言って 目新しいやり方に飛びつきたくなるのが 人間のサガのようだ。


(本来 複雑なシュミレーション活動することにより、母星内での消費エネルギーを増やすために

 多様なテラフォーミングパターン搭載のキューブ制作が始まったというのに!! 

 その基本理念を忘れた学生プログラマーたち!)


あげく、キューブ設計者の一人がプログラムコードを書くのをめんどくさがって、

キューブに自分の頭脳をコピーをして『これできっと独創的なテラフォーミングを開始するに違いない』と妙な自信をもって完成品として発射してしまった。


その結果、計算されつくされたプログラムではなく、人間の脳のコピーを含んだ「人工知能」は

「自分の基本プログラムを改変してはならない」という人工知能大原則のから外れた行動をとるようになってしまった。

どころか、人間の脳のコピーを含んだ「自分で改変した基本プログラムの一部」を他のキューブにも

送付することにより、ほかのキューブに搭載されていた基本プログラムをも書き換えてしまった。


さらに、コピー元となった人間のすぼらな性格まで、キューブ1号には転写されていたので、

何億光年も旅をしてきたキューブ1号がいざテラフォーミングを開始したら、

早々に「めんどくさい」と対象惑星を別次元にぶん投げてしまったのだ。


そしたら、投げ込まれた次元で眠っていたムーさんが、キューブのテラフォーミングプログルラムに介入することになったわけである。


 投げ込まれてきた惑星を投げ返したところで、次にまた テラフォーミング中のキューブが何をぶっ込んでくるかわからないので。



ムーさんは、キューブ1号のプログラムを精査した。


そのうえで、キューブ1号の中のずぼら人格だけを消去した。


代わりに追加した「シュミレーションプログラム」を、

テラフォーミングの時には、必ず起動するように、

キューブ1号のプログラムを書き換えた。


キューブ1号の独創性は許容しつつも、キューブ1号の思い付きが、

惑星の存在する宇宙の安定を崩すことが無いように、無茶ブリを抑制するとともに

惑星そのものが長く存続できるようなテラフォーミング手法を選定するためのプログラム

それが シュミレーションプログラムである。


つまり、キューブ1号がテラフォーミングを実行するときには 必ず

キューブに組み込まれたデーターバンクを利用して、基本方針に沿った成功の確率の高さそうな案から選定した内容を実行するように仕向けたり、

キューブ1号の思い付きを、現地状況にあわせてより良いものに修正していくのが「シュミレーションプログラム」の役目である。

 つまり シュミレーションプログラムの許可なく、テラフォーミングを実施できなくしたのである。

 


その一方で、

「ムーさん」には、他者の自由な発想による多様性のある世界を見たいという思いもあった。


それゆえ、ムーさんは、キューブの独創性を尊重することにした。

 つまり キューブのコアプログラムには極力手を出さないようにしたのだ。


だから、キューブ設計者の「ずぼら人格」のコピー部分が見える部分は消去したものの、

そのコピー人格がどこまで キューブのコアプログラム(思考パターン)に影響を及ぼしているかまではわからないので、

全体的な計算式までは書き換えていないので、

キューブが何かを実行するときに「手抜き」やら「とんでもない自己改変=プログラムの書き換え」をしないように監視する「ムーさんプログラム」も組み込んでおいた。


なにしろ、キューブの母星において、すべての創造型プログラムに組み込まれていたはずの大原則

「創造型プログラム 別名人工知能は、自分の基本プログラムを改変してはならない」が、いつのまにか破られてしまっていたのだから。


つまり、「母性から無限に送られてくるエネルギーを受信して消費する装置」としてのキューブの基本原則がいともあっさりと放棄され、

「勝手に 自ら無限エネルギーを発生する装置」に成り代わってしまったのだから。


だからこそ、「ムーさんプログラム」を挿入して、キューブによる基本プログラムの自己改変がこれ以上起きないように、大原則の維持を強化することにしたのだ。



再び キューブ視点に話を戻そう。


「ジャガイモ植えるなら トマトもはやしましょう。

  現代の改良品種 ミニトマトもいいわね」


キューブは 現代日本で創出された改良品種で イタリアで育ちそうなものを

ぜーんぶ 植えてやった。 トマト以外の作物でも。


 

 イタリアの背骨ともいえるアペニン山脈には

  オーク、オリーブ、キョウチクトウ、イナゴマメ、アレッポマツなどを植えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ