駄目になった帝国
ほら、ごらん
あれが駄目になった帝国の旗だよ
ほら、ごらん
あれがおまえたちの曾祖父が
命を賭けて守り通そうとした帝国の旗だよ
ごらん、子どもたち
あの、風にはためく旗を
おまえたちの曾祖父が
自らの誇りと尊厳と
その存在の全てをかけた帝国の旗を
ごらん、子どもたち
そして、誓いなさい
帝国の栄光とおまえたちの未来の為に散った
曾祖父に恥じぬ人間になることを
そうとも、子どもたちよ
忘れてはいけない
何故なら、いつかおまえたちが示さねばならないのだから
帝国は滅び去った
だが、全ての臣民が死に絶えたのではないと云うことを