プロローグ
初作品ですが暖かいめで見てやってください( ´ ` )
不定期で更新していきます!
「痛い、いたい、イタい、イタイ……」
恐らく並の者は人生のなかで何度も経験しないであろう重苦。体が焼けるように熱くなり岩清水のように自身の体から湧き出てくる赤い液体。普段そうそう見ないであろう大量の自分の血に疎ましさすらをも感じる。
「────さんっ!!、────っ!」
近くで自分の名を呼んでいる声がする。聞き慣れた声に少しの安堵を感じても痛みが無くなることはない。
「……ぁぅ……うぁ…ぅかっ………」
無い力を振り絞り自分の名を呼応する声にこたえようとするが顔の半分が吹き飛ばされており上手く喋ることが出来ない。
ほんの最近まで凡百な存在であった自分が何十、何百、何千と身体に傷を負っていく。だが自身の走馬灯を見ることの無いうちに欠けた身体が元に戻っていく。不滅の存在となった自分には見慣れた光景ではあったが、この痛みはいつまで経っても慣れることは無かった。
何十回と斬られたあたりから考える余裕ができ
何百回と刺されたあたりから傷を治すことに集中をし
何千回と潰されたあたりからは何も考えなくなった。
「もう……大丈、夫です。はぁっ…はぁっ。とにかく…あなたが無事でよかった…」
先程まで欠けていた自身の身体はまるで何も無かったかのように元に戻り痛みすらもひいていく。
「───さんっ!!、死、死んじゃうんじゃないかって……私っ…何も考えれなくなって、それから…私どうすればいいか……でもそんなうちに───さんの身体、元通りにっ……」
焦るその人を落ち着かせ、自身もまた剣を握った。
このような身体になってしまったことに後悔はない。
むしろ自分が犠牲になることで救える命があるとするならば……
俺はあと何回この身体を犠牲にすれば──
大切な人を救うことが出来ますか?──