卒業式
最終回です。
月日が経ち三年生になった三月某日。だというのに雪がちらついている。
「寒い三月だよね」
「卒業式なんだからもっとポジティブになろうよ」
「ごめんごめん」
琴はいつでもどこでもマイペースだ。
思い返せば長い三年間だったが、感覚的には短い三年間だった。それももう終わるのかと思うと感慨深いものがあるが涙が出るかというと、そういった気持ちにはなってない。
「卒業生の皆さんそれでは体育館に移動しますよ」
先生の呼び掛けで体育館に移動する。
歩きながら高校三年間を回想する。
「そういや最初に悠宇君に出会ったのは入学式が終わった帰りの廊下だったな」
「確かにそうだったね突然倒れてきてね」
隣で歩いていた悠宇君が応えた。
「その二人が今やラブラブカップルなんだからね」
「もうその言い方やめてよ」
「痛て」
一歩前で歩いていた琴にぶつかった。
「もう前見て歩いてよ。体育館の前だよ」
「ごめん」
「今から入場ですので私語は慎んでください」
卒業式は粛々と行われた。
答辞を読んだ生徒は言葉を詰まらせていたりしたが。私はそこまで感極まることは無かった。
「終わったね〜」
「ね〜」
「もうちょっと感激するかと思ったけどそんなこと無かったね」
「あたしも〜」
各々、写真を撮ったり寄せ書きして名残惜しい高校最後の時間を過ごしていた。
「そろそろ帰ろっか」
「そうだね」
部活の方に顔を出している琴と矢上君とは別で悠宇君と二人で帰る。最後のいつもの帰り道。なんとなく感謝の気持ちが湧いてきた。
「ありがとう」
「こちらこそありがとう」
なんとか終わりました。




