修了式
一年生編最終章です
「……ですからして…………」
やはり誰も聞いていない校長先生の話をBGMに私は、今年一年間を振り返っていた。
「なんか怒涛のって感じだったなぁ」
黄昏れるように呟いた。
「何が怒涛なの?」
後ろの琴から声をかけられた。
「この一年間が」
「確かに色んなことあったね特に澄は」
「来年は琴の番だね」
「嫌だよあたしは平穏に暮らしたい」
「琴が平穏ってなんの冗談よ」
「あたしだってこんな感じだけど平穏を願ってるの」
へえそうだったのか。私はてっきり人を引っ張り回すのが好きなのかと思っていた。
話していると担任の鋭い目がこちらを向いたので、二人で苦笑いをして前に向き直った。
式が終わり教室で担任を待っている。
「春休みも宿題あるのかな」
「中学でもあったんだからあるでしょ」
「じゃあまた勉強会だね」
「本当に恒例化するの?」
「もちろんだよ」
といったところで担任が
「成績表と春休みの宿題配るから手伝って」
と言いながら教室に戻ってきた。するととある男子生徒が
「えー春休みも宿題あるんですか」
言ったのに対し
「当たり前です。忘れると承知しないよ」
と返したのでみんな落胆していた。
成績表、宿題とお知らせプリントを配布し終え、担任が今年のまとめに入る。
「今年一年お疲れ様でした。春に入学した時からは成長を感じていますか?私は皆さんの成長をとても感じています。寂しいですけどもうこの教室でこの皆さんで担任が私でという時間はこれで最後です。しかしそれもまた成長の一つ。出会いと別れに大小などありません、一つ一つを大切に大事にしてください。これは国語担当の教師ではなくこのクラスの担任としての最初で最後の宿題です。」
少し感動した。私にはこの一年でとても大きな出会いがあったことは間違えない。その出会いを大切に日々を過ごそうと改めて実感した。
そしてその帰り
「悠宇君、今年一年ありがとう来年もどうかよろしくね」
「俺もありがとうそしてよろしくお願いします」
「また一緒のクラスだといいね」
「きっと一緒だよ」
「だね」
こうして私の高校最初の一年が幕を閉じた。
直ぐに戻ってくるとは思いますがちょっとだけ待ってください。




