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夏休み3

雨の花火大会なら行ったことあるで

「これでよし」

私は琴のお母さんに浴衣着付けてもらいそれが今終わったところだ。

「琴お待たせ〜」

「大丈夫だよお母さん全然時間あるし」

「そうそれならよかったわ」

念の為彼等との集合時間より三時間前に琴の家へ来たが、手際良く済んだため二人で二時間ほどしか掛からなかった。

「あと1時間どうする?先行っとく?」

「着崩れた状態で見られたくないな」

「そっかーじゃあ適当に時間潰すか」

と言って琴の部屋で家を出るまでの時間を過ごした。


「行ってきます」

「気をつけてね〜無駄遣いしちゃダメよ〜」

「はーい」

と具合で琴の家から集合場所へ向かった。

到着すると、とても背の高いひょっとこがりんご飴をそれには劣るが背の高いひょっとこが綿あめを持って待っていた。

それを見た琴が

「あれに行くの?」

(いささ)か嫌そうな顔と声で私に耳打ちをしてきた。

「行くしかないでしょう待ってくれてるんだから」

「いや待ってないでしょ一周した後でしょ」

躊躇(ためら)っていると向こうがこちらを見つけてくれた―見つけられた―

「おっ来た来た」

「ちょっと矢上そんな格好で居られたら行きにくいじゃん後東君も悪ノリしないでよ」

ちなみに後東君はひょっとこ面の下はいつも通りマスクだった。

「まあまあいいじゃんか。それよりもどっちも阪元の浴衣か?いい浴衣だな」

「いいのは浴衣だけなのかしら」

「悪い悪い」

と二人がいつものをやってる横で私は肩をつつかれた。つつかれた先には後東君がいる。いつものようにスマホ画面を差し出され、

『浴衣似合ってるねかわいいよ』

あっダメだ今日、告白とまではいかなくても好きって言っちゃう気がする。

興奮を超え沸騰を飛び越えると冷静になるらしい。

「あっありがとう後東君も似合ってるよ」

何とか変な間が出来ずに返せたはずだ。

「澄、後東君行くよ」

「待ってよ」

と琴が声を掛けてくれたので空気が変になることはなかった。


遊び尽くし、花火の時間直前に矢上君と琴とはぐれてしまった。

「あの二人どこ言っちゃったんだろうスマホも繋がんないし」

独り言のように呟いていると、後東君が肩をつつき手招きをしていた。

それに従い着いて行くと、山道の途中にある展望休憩所のような所へやってきた。

「こんな所お昼でも来たことないや」

の通り数人しかここにいない。しかも男女二人組ばかり。

そのまま空いている丸太を縦半分に切って座れるようにしたベンチに腰掛けた。

ここなら静かだし「君の声がまた聞きたいな」と声に出てしまった。と同時に一発目の花火が爆発音を轟かせながら開いた。

そこから花火が終わるまでその衝撃と声に出てしまったという焦りで何も覚えていない。


花火の余韻に浸った後、

「ねえさっきの聞こえてた?」

はてなマークが浮かんでいる。

すると突然後東君が顔を近づけてきた。急な出来事だったので体に力が入り目をつぶった。

すると耳元で

「もっと声聞いてほしい、俺頑張るから」

と聞こえてきた。そんなのズルい。あっダメだ零れる

「好きだよ」

後東君は何も言わず何もジェスチャーせず私の手を握ってくれた。今はそれだけで充分だった。


そのまま琴たちと再開し、解散となった。

再開するまでの間、後東君は手を離さなかった。

こんな夏休み3みたいなサブタイでええんやろか

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