第25話 順風満帆な急転直下
明日明後日は予定があるため投稿できません。
これはカメムシを仲間にした後、北西エリアの探索を続けていた時の出来事である。
「え....?今なんて言った....?」
「だーかーらー!どうやって倒したのって聞いてるのよ!」
俺は耳を疑った。先程の作戦会議で理由も含めて全部話したではないか。俺の記憶違いか....?それともタイムリープしてしまったのか....!?異世界転移に加えてタイムリープ付きだなんてどうなってるんだ!?
まあそんな訳もなく、ただ単にツンデレちゃんは自分の役割以外の話をほぼほぼ聞いていなかったようだ。だから作戦会議中ツッコミもせずやけに静かだったのか。
とりあえず自分の役割だけは聞いてくれていて助かったが、聞いてなかったらもはや作戦どころではなく今ごろみんなぷんぷんとにおっていただろう。そんなことにならなくてよかった。
「ちょっと!話聞いてるの!?」
「こっちのセリフだわ!」
なぜ話を聞いていなかった人に話を聞いていないことで怒られているんだ。
「まったく、、次からはしっかり話を聞いといてよ....?」
「....んあぁ、も、もちろん!次からはしっかり聞くわ!」
絶対次からも聞かないやつだこれは....いい加減子供を卒業して大人になって欲しいところだ。
呆れながらもその場に座り、ツンデレちゃんのためだけに説明を開始する。メリッサもやれやれといった表情をしているので、早く済ませてしまおう。
「いい?さっきメリッサは密閉空間にいたら....って話をしてたよね?」
「うん、うん....?」
「何で疑問系!?」
それすらも聞いていなかったのか、、いや待て、それともただ単に忘れているだけか?まあもしそうだとすれば鳥頭すぎるが....
「まぁいいや....それで、カメムシを密閉空間に入れて自分の臭気で自滅させるって作戦を思いついたんだよね」
「なるほど、あんた賢いわね!」
本心から褒めているのかもしれないが無性に腹が立つ。
「ああ!それで密閉空間にするためにボウルを使ったのね!?そんなのよく手元にあったわね!」
テンションが妙に高いな....いつも狂っている調子がさらに狂いそうだ....
「これはあれだよ、ツンデレちゃんの激ウマサラダが入ってたやつだよ」
手元に良さげなものがツンデレお手製のサラダが入っていたボウルぐらいしかなかったので使わせてもらった。コアラの時はサラダ自体を使ってしまったから怒られてしまったけど今回は器だけだし許されるはず....
「あぁ!私の激ウマ....!って騙されるかぁ!!また私のサラダを使ったの!?」
まずい、怒りのスイッチが入っていそうだ。
「い、いやいや違うよ。サラダボウルの器だけ使ったんだよ。決してツンデレちゃんのカメムシに負けるとも劣らないにおいのサラダなんて使ってないよ」
「誰の作った料理がメシマズ刺激臭サラダよ!!」
いやそこまでは言ってない。悪ノリで言った俺も悪いが、さすがに過剰にしすぎだ。
「まあそういうわけで、ツンデレちゃんには囮役を、メリッサとナメナメクジにはスキルで行動制限させる役を引き受けてもらったんだ」
そして俺がボウルを被せる役。我ながらなかなかいい作戦だったと思う。
「....ねぇ」
あれ、なんだこの間は。もしかしてツンデレちゃん怒ってる....?今から俺怒られる....?
「ねぇ、これってあんたが囮役でも良かったんじゃない?私の方が鼻がきくし、あんたの方がさすがに私よりも運動神経いいでしょ」
「........」
確かに。結果論的にうまくことが運んだから良かったものの、圧倒的にその方が成功確率は高そうだ。俺は俺が敵モンスターにトドメを刺す役割をすることしか考えてなかった。
「いや、でもほら、ツンデレちゃん虫苦手だろうしさ、もし見つけたところで倒れちゃったら大変だな〜って思ったんだよ、うん」
「確かに私は虫苦手だけどそういう時はさすがに我慢するわよ?」
「いやほら、そうは言っても100%大丈夫かはわからないじゃん?ね、ね?」
「まぁ....それはそうかもしれないわね」
危ない危ない。なんとか話術で丸めこめた。
「でしょ?だから俺が一番危険な役割を負ってたってわけ」
「そうだったのね....!ありがとうショウ!」
ちょろ過ぎる。パーティリーダーとして壺を買わされないようにしっかり見張っておこう。
「あの、えと、、多分ツンデレちゃんの方がずっときけn」
「さあ!もうそろそろ出発しよう!」
危ない危ない。なんとか話題を逸らせた。
よし、これでもう憂うことは何もない。カメムシも仲間にして、あとその前にもなんか弱いやつを仲間にした気がしないでもないし、このままじゃんじゃん仲間を増やしていこう!!
ぷーん
「クンクン。あれ....?何だか臭くないかしら?」
「え、、」
いや待て話題を逸らしすぎだ。もう一体カメムシがいるなんて冗談じゃない。いやだ。もう戦いたくない。
「においが....キツくなってきてるわ!近づいてきてる....!」
やめてくれ....もうこれ以上カメムシと戦う気力なんて俺たちには....
「すごい....においます....!」
「あぁ....」
俺は天を仰ぐ。神様仏様カメムシ様。どうか私たちを見逃してください。
ピュッ ピュッ ピュッ
◯
こんなことがあり、俺たちはみんなひどいにおいに包まれていた。もちろんこのまま冒険を続けるわけには行かないので一度家に帰る必要がある。そのまま冒険したとしても、この臭さじゃモンスターは寄ってこないしね....
道ですれ違う人たちは不審な目でこちらを見たのちに鼻をつまみながらそそくさと去っていく。草原から家までのわずかな道のりなのにこういう時だけやけに人に会う。おかしな話だ。
先程など「お母さ〜ん、なんかあの人たち臭いよ〜」「こら!見ちゃいけません!」というおなじみのやりとりも繰り広げられていた。いや見る分にはいいだろ!どういう教育方針なんだ!
「今日は本当に最悪の日ね....」
「わたしも、、そう思います....」
俺ですら物理的にも精神的にもダメージを受けているのだから女子陣2人へのダメージは計り知れない。幸いツンデレちゃんはドレス装備を外してきていたので、高値で買ったドレスがおじゃんになることは避けられた。
「今日は早く帰って休もう....明日も....休んでおこう」
物理的ダメージはヒールをかければいいだけだが、精神的な疲労は積み重なるばかり。さすがに休む日をもっと増やすべきだな。
「うん....そうしましょう、、後二度と北西エリアには近づかないようにしましょう....」
「そうだね....」
◯
俺たちは他の人からの冷たい目に心を折られながらもなんとか家までたどり着いた。扉を開けると顔をしかめた母親が近づいてくる。
「え....くさ....あなたたちゴミ箱の中でも冒険してきたの?」
子供に対してだというのに酷すぎる。まあ完全に子供側が悪いんだけど。
「いいから早くお風呂に入ってちょうだい....」
厄介者扱いされている気がする。
「も、申し訳ありません、居候の身なのに....」
「あぁ、メリッサちゃんは謝らなくていいのよ?悪いのはどうせ全部うちの子なんだろうから」
「い、いえそんなことは....」
「とりあえずお風呂に入ってくれる?洗濯は....うーんこれはさすがに厳しいかもしれないねぇ。こんな手強い汚れ、私じゃ倒せないかなぁ、あはは」
二度目の催促。あははという乾いた笑い。目も全く笑ってない。表情をなくした人みたいでとても怖い。
「す、すみません....!すぐ入ってきます....!」
「わ、私も....!」
「じゃあ俺も....!」
「「なにどさくさに紛れて大変態行為を働こうとしてんだぁ!」ですかぁ!」
ばっっっっちーん
女子2人からダブルで叩かれた。
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