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第21話 薮をつついて

モチベが続く限り書きます。


ヘビに関する情報を付け足しました(色みだけですが)。

漬物石(ラッキーストーン)で誤魔化せたらしいが、どう見てもただの石(固い)がペンダントに嵌め込まれているだけだ。なぜ漬物石がペンダントに入っているのか。それにはふかいふかーい理由がある。


元々は赤い石を回収するためにペンダントを買ったのだが、さすがにプレゼントとしてペンダントの枠組みだけを渡すというわけにもいかない。そこで雑貨屋で漬物石と彫刻刀を購入し加工して嵌め込んだというわけだ。


彫刻刀で石を削れるのか不安だったが、彫刻刀があれば石や木などは好きに造形できるようだ。『M蒐』でも石の加工には彫刻刀が必要だったはずなのでゲーム準拠であろう。


まあしかし造形に時間がかかりすぎて包装紙などでラッピングできなかったのは誤算だったが。


そんないわくつき(?)ペンダントを貰って喜んでいるツンデレちゃんを見ると少し心が痛む。どうやら早速首から下げているようだ。


地味な装飾品ではあるが、ツンデレちゃんの纏っているおしゃれな雰囲気を損なうレベルではないのが唯一の救いかもしれない。


プレゼントその2のヘアピンもメリッサにつけてもらっている。こっちは一切不純な要素がない純真無垢なヘアピンだ。むしろこっちが真のプレゼントなのかもしれない。


無事仲直りもできたところで、明日の予定を立てる。


「明日はいよいよ蛇と戦おうと思う。おそらく今のパーティなら余裕綽々で勝てる相手なはずだけど、毒攻撃はめんどくさいからしっかり避けるように」


「わかったわ、ヒールなら任せなさい!」


いつもの調子が戻っているようだ。本当によかったよかった。


「わたしも....シャドウしかできませんが....頑張ります....」


シャドウしかできないのはいつものことなので大丈夫だ。しかしそろそろレベルを上げて別の技も覚えて欲しいところではある。バフやデバフ魔法も強力なものは使い勝手がいい。


「よし、とりあえず明日のために今日はしっかり寝よう、みんなおやすみ」


「おやすみ〜」


「おやすみなさい」


部屋に帰り、眠りにつく。王都に滞在しすぎたせいか疲れが溜まっていたのかもしれない。俺はそのまま泥のように眠った....



翌日、俺は大寝坊をかました。王都のきらびやかさに元気を吸い取られていたのだろう。ともかく当然の流れのように俺は寝坊をしてしまった。


ただ寝坊しただけならいいのだが、弱り目に祟り目、母親からツンデレちゃんたちが先に現地付近に向かっていることを知らされる。


「何で攻撃要素持たない組で行っちゃうの....!」


俺はヘビが出てくるイベントの場所に急行する。また誤って森エリアに足を踏み入れて勝手にイベントを進めることがなければいいのだが....


食事も取らずかなり急いで現場についたが、時すでに遅し。


「きゃああああああ!助けてぇえええ!!」


相変わらず綺麗な悲鳴を繰り出すツンデレちゃんがヘビに噛まれそうになる....


「しゃ、シャドウ....!」


間一髪、メリッサのシャドウが間に合う。あたりがブラックホールに飲み込まれたかの如く暗くなる。自慢のピット器官もシャドウ内では機能しないだろう。いやそう願いたい。


「暗いわぁああ!?誰かぁあああ!!」


「いつまでシャドウに怖がってんの....!」


「その声は....ショウ!助けに来てくれたのね!?」


「あの、えと、すみません!私たちが森に入った途端に薮から蛇が出てきて....!」


藪をつついたのかとつっこみたくなる。実際森エリアに入った時点で藪をつついているのと同等だが。


「お説教は後でするからとりあえず戦闘に集中して!」


黒霧が晴れてヘビの姿が俺の目に映る。シュルシュルと舌を動かし獲物を捕らえようとする姿はまるで立合い前に気合を入れている力士のよう........喩えが下手だ。


何はともあれこいつの名前はドクモリヘビ。名前の通り森に生息する毒を持ったヘビだ。深い緑色をした胴体に紫の斑点を備えたいかにもヤバそうな色合いを持つ。わざわざ言うことではないがこの名前は「毒を盛る」とのダブルミーニングだと思われる。ヒマワリマンほど強敵ではないが、解毒できるものがない場合は苦戦を強いられるだろう。


森エリアに行こうとするとイベントで強制的に戦うことになるので、ドクモリヘビという名前ではあるが一応草原エリアの中ボス的存在である。森エリアでは普通にスポーンするのだが、それよりも体力高めに設定されている。


ともかく、毒攻撃を喰らう前にさっさと倒すのが無難だ。毒消し草も拾った1個しかないので、長引くと面倒なことになりかねない。


まあしかしこちらに負ける要素はない。ヒマワリマンが強いからとかそう言うことではなく、圧倒的に相性がいいモンスターがいるからだ。


そんなことはつゆ知らず、ヘビは一番近くのツンデレちゃんに向かって噛みつこうと近づいていく....


「うわぁああ!?来てるわよぉおお!?」


耳をつんざく悲鳴。俺は急いでそいつを出す。



「いけ!ナメナメクジ!」



ナメナメクジを出した途端、ヘビは動きを止め、萎縮し始める。


「きゃぁああああ........あら?」


もちろんそれを逃すわけがなく、ナメナメクジの麻痺攻撃が飛んでいく。


プルプルプルプル


ペッ


いつもの音とともにヘビは麻痺状態になる。こうなったらあとはタコ殴りだ。非攻撃要員のツンデレちゃんとメリッサにもポコスカ攻撃してもらいつつ、本命火力のモンスターたちにはSPを用いたスキル攻撃をしてもらう。痺れが解けて動けるようになった時にはもう既にヘビは虫の息だった。


ラストアタックはレベルを上げたいスライムやヒマワリマンにあげたいと思っていたが、無我夢中でポコスカしていたメリッサの一撃が取ってしまったようだ。まあそこまで支障はないが、普通の職業は戦闘中に何かしら活躍すれば経験値が入る仕組みなので少しもったいない。


中ボスとは思えないくらい呆気なく倒れたヘビはそのまま仲間になった。捕獲確定イベントなので当然なのだが、やはり嬉しい。


ステータスは戦闘時より大幅に下がっているが、まあ中ボス級がそのまま仲間になったらゲームバランス崩壊してしまうから仕方ないだろう。


「とりあえずヘビは倒せたから、これから森エリアの探索行ってもいいけど、草原エリアもまだ未探索エリアがあるからそっち行ってもいいんだよね、どっちにする?」


「いや、そんなことより、あの....」


「ああ、いつものパターンね?はいはい、何が起きたか解説するよ」


「私、わかったわ!」


え?と思いそちらを向くとツンデレちゃんが自信満々な顔をして手を上にあげていた。


「えと、あの....ツンデレちゃんには聞いてない、です....時間の無駄に....なりかねません、、」


「ちょっと!!私だってわかる時ぐらいあるわよ!」


ツンデレちゃんは強めに言う。どうやら本当に自信があるようだ。もしかしたら....という一縷の希望をもとに俺もツンデレちゃんの背中を押す。


「まあまあメリッサ、一応聞いてみようじゃないか。ツンデレちゃんだって成長してるはずだよ」


「わかりました....でもそしたら私の予想も聞いてください。どっちが近いかで勝負しましょう」


「いいわよ、受けて立つわ!」


何だかよく分からないがどうしてヘビが急に動きを止めて怯んだのかについて予想勝負を始めるみたいだ。


もしかしたら先に行ってヘビとの戦闘イベントを引き起こしてしまったことの汚名返上のチャンスと考えているのかもしれない。



それなら見守ろう。そして終わった後に答えを言うのだ。この世界の住民には絶対に当たりようがない答えを!



実際のピット器官はサーモグラフィーのようになっているので目を覆われても知覚できるらしいのですが、シャドウの闇は強いということでご容赦ください。


モチベ維持のため、ブックマーク等よろしくお願いします!

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