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第17話 何気ないひび

なんとか早いうちに書き上げられました。ブックマーク等していただけるとモチベーションが上がるのでよろしくお願いします。

ツンデレちゃんのヒールのおかげで体力が回復し、目を覚ました俺を2人は心配そうな目で見ている。


「よかった........ショウさん....無茶しないって言ったじゃないですか....!」


「もう....心配させないでよ....!」


こんなに心配してくれるとは意外だった。まあ俺もパーティメンバーが同じような状況だったら心配するしそれがパーティだよな。


なんだか温かい気持ちになる。


「とりあえず、今日はもう帰ろう」


そう言ってあたりを見回すと、コアラがまだいる。夢でも見ているのだろうか。兎にも角にも俺はみんなに指示を出す。


「....!?!?みんな逃げるぞ!」


「何言ってんのよ、そんなことしなくて大丈夫よ」


「いや大丈夫なことなくない!?さっき俺が倒れてたの知ってるでしょ!?」


「い、いやショウさんそうじゃなくて....」


コアラはその場で立ちつくしている様子で、敵対心は微塵も感じられなかった。これがかの有名な『なかまに なりたそうに こちらをみている!』状態なのだろうか。


「あー....もしかして仲間になった感じ?」


「そうよ、私たちも一心不乱に殴っていたんだけど、なかなか倒せなくて焦ってたのよね。そしたらなんだか仲間になりたげな目でこっちを見てたのよ」


おそらくだが、倒して仲間になりたそうな目でこちらを見ていた時もボコボコ殴られていたのだろう。ごめんよムーンコアラ。


「あ、あの....それで、えと、何をしたんですか?」


「何って?」


「あんた何回そのおとぼけをやるのよ....あんたは倒れてたのになんでコアラが眠ってたかって話よ、普通そうでしょ」


わからないでボコスカ殴っていたのか。


「話すと長くなりそうだしさ、一回家に帰らない?」


正直これ以上バトルはしたくないので帰宅を提案する。


「そ、そうですね、ショウさんもダメージ受けてましたし....」


メリッサも先ほどから眠がってたし賛成してくれた。ツンデレちゃんもさすがに....


「ヒマワリゲットしてからでも遅くないんじゃないかしら?」


ここに来てまだ帰りたがっていない。そろそろ懐中電灯の電池も切れそうだし一刻も早く帰宅したいが....


「わかった。ちゃちゃっとヒマワリ倒して帰ろう」


「い、いいんですか....?」


「どうせこうなったらツンデレちゃんは聞いてくれないから」


俺はひそひそ声でメリッサに言う。


「な、なるほど....」


伊達に『M蒐』やってないからな。ツンデレちゃんが駄々こね出すと面倒くさいのはよく知っている。



どれくらい時間が経ったろうか。夜も更けてきてなんだか少し明るくなってきている気もする。何故こんなに時間がかかっているのか。


答えは簡単だ。俺は忘れていたのだ。ヒマワリマンのスポーンは夜にとても少なくなることを。


「捕まれええええええええ!!!!」


「お願い!!!!!」


「zzz....」


2名はテンションがおかしくなり、1名はフィールド上だというのにすやすやと眠っている。


「やったああああああ!!!!!!」


「長かったわね!!!!」


「zzz....」


俺たちはやっとヒマワリマンの捕獲に成功したのだ。本当にスポーンが少なくてスライムとかのレベル上げもろくにできていないが、まあそれは後でやればいい話だ。


「家に帰りましょう!!!」


「そうだね!!」


「zzz....」


母親に心配されながら帰宅した俺たちは色々すべきことを素早く済ませて就寝した。




翌朝....ではなく翌昼、俺たちはリビングに集まっていた。


「ふぁあぁ....で、どうしてコアラは眠ってたのよ」


「開口一番それかよ」


「わ、私も気になります....!」


「そうよ、気になって眠れなかったのよ?」


帰ってきてすーぐに寝たくせに何を言っているんだ。まあしかし減るものでもないので説明を始める。


「まず聞くけど、ムーンコアラってなんで昼間に出現しないか知ってる?」


「え、、強いからじゃないんですか?夜に出るモンスターは強いって....」


「まあ確かにそれもそうだけど、夜に出るモンスターは強いってだけで、その逆は別に成り立ってるとは限らないよ、昼間でも強いモンスターはいるし」


草原エリアの昼間はチュートリアルに近いため、強いモンスターはヒマワリマンぐらいだが、メリッサが蛇に襲われた森エリアやこの後にある砂漠エリアなどは昼間から普通に強いモンスターが出てくる。


「分からないに決まってるんだからさっさと教えなさいよ」


分からないことを自慢しないで欲しい。


「わかったわかった........コアラってものすんごく睡眠時間が長いって知ってた?」


「え、そうなの?」


「し、知りませんでした....」


「諸説あるらしいけど、コアラが食べてるものが原因らしいよ。まあそんなことは置いといて、そんなに眠たがりなコアラはきっかけさえ与えちゃえば深い眠りに落ちると思ったんだよね」


だから俺はあの作戦を取ったのだ。


「眠るきっかけですか、、そんなアイテム持ってたんですか....?」


「これだよ」


俺はサラダボウルを出す。


「サラ....ダ?」


「そう、ツンデレちゃんの作ったサラダ。まあ正確に言えばサラダの中の睡眠草だけどね」


「え....」


「前々からコアラと遭遇したらこのサラダを食べさせようと思ってたんだよね、早く処理しないと衛生上良くなさそうだし」


「あの....」


「問題だったのが、噛みつき攻撃を打ってくるかどうかとどれくらいの高さに飛んでくるかだったんだよね、だから最初の一撃は様子見で、誰かに食らってもらわないといけなかった」


「えと....」


何か言いたげな目をしているが、俺は構わず話す。


「ナメナメクジには悪いことをしたと思うけど、あれのおかげで次に噛みつき攻撃してくることと高さがわかったから」


俺は話終わったところで隣から発せられる凄まじい負のオーラを感じ取った。


そちらを見ると今にも怒りが爆発しそうな人物がいた。


「あたしに対しても悪いことをしたと思いなさいよ!!!!だいたい何よ!!サラダ全部食べてないじゃない!!!私がせっかく作った料理だっていうのに!!!しかも早く処理しないとって!ふざけるんじゃないわよ!!!人が丹精込めて作った料理を!!」


ツンデレちゃんがこの場にいるのを忘れてた。


「あ、いや、違うこれにはとてもふかーいわけが....」


「わけも何もないでしょ!!もういいわよ....!」


「ご、ごめん....そんなつもりでは....」


「フンッ!」


ツンデレちゃんは拗ねて部屋に戻ってしまった。


「ショウさん....さすがにデリカシーなさすぎです....」


ぐさっと刺さる一言を浴びせながら、メリッサも部屋に戻る。おそらく慰めに行ったのだろう。


「....どうしよう、、」


いい感じにまとまってきていたパーティにヒビが入ってしまった。



久しぶりにサブタイトルいい感じにつけられました。次回もできるだけ近いうちに頑張ります。

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