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第15話 真っ暗闇の草原

やってたゲームのデータが消えたため時間ができて書くことができました()

ヒマワリマンとの死闘を終え、家に戻ってきた俺たちは明日の予定を決めることにしたのだが....


「ねえ!結局1匹も捕まえられてないじゃない!」


「まあそれはそうだけど、とりあえず明日の予定を....」


「夜に行くわよ」


「....え?」


何を言っているんだこの人は。


「夜に草原に行くって言ってるの!ヒマワリは夜なら弱いんでしょ!?」


「た、たしかに....ショウさんはそう言ってました」


メリッサもツンデレちゃん側かよ。


「いやでも夜には昼よりも強いモンスターが....」


「いいから!行きましょう?ヘビに勝てるモンスターを探すんでしょ!?」


「いや....でもほら、ツンデレちゃん暗いところ苦手じゃない?」


「大丈夫よ、これがあるもの」


「懐中電灯....?こんなものどこにあったんだ?」


「上の部屋にあったわよ?」


ゲストルームの一つにでも入っていたのだろうか?あ、いや待てそういうことか。


ゲームでは母親にアイテムを渡すと収納できるという仕様があるのだが、どこを見てもこの家に倉庫はない。ゲームだからということで納得していたが、ゲストルームの一つを倉庫のように使っていたわけか。もしかしたらお宝でも眠ってるかもしれないし後で探してみるか。


というかわざわざゲストルームと言わずに倉庫にすればいいのに。使う人がほぼいないからゲストルームとしての意義がなくなりその部屋自体が物置になるなんて....なんだかリアルでありそうな話だ。


それはさておき、懐中電灯を手にしたツンデレちゃんは「ここまで準備したんだし冒険に行くしかないわよね」とでも言いたげだ。


「はぁ....わかったよ、でも危険だと感じたらすぐに帰るからな」


懐中電灯までわざわざ倉庫から発掘して用意していたのなら行かないのも酷だろう。押しに弱いことを自覚しつつ外に出る準備をする。


「おや、どこかにいくのかい?」


「あーうん、ちょっとモンスター捕まえに行ってくる」


「そうかい、遅くなるんじゃないよ。あとこれを持ってきな」


「ありがとう」


母親にも出かける旨を伝えて、ポーションももらい、いざ外に出る。


深夜というほどでもないが、この小さな村には街灯などないので辺りはかなり暗い。光っているのは家の灯りとツンデレちゃんが持っている懐中電灯だけだ。


「そういえばだけど、懐中電灯って一つしかなかったの?」


「ざっと見ただけだからわからないけど、他には見当たらなかったわよ」


「一つだけだと心許なくない?もし光がなくなったら敵の不意打ちに遭いかねないけど....」


「大丈夫よ!あまり使ってないみたいだしそんなすぐに電池が切れることなんてないわよ!」


まずい。フラグでしかない発言を引き出してしまった。


電池がなくなるフラグを回収しないか不安になりながらもひとまず草原にたどり着いた。


「ヒマワリのやつ探しましょ!ね、メリちゃん?」


「ふぁあ....あ、、なんですか....?」


「なに眠くなってんのよ!!」


「いや、夜って眠くなるじゃないですか!」


すっかり2人は打ち解けていて微笑ましい限りなのだが、眠気は戦闘において油断を生む可能性がある。


だから俺のカバンにいつまでも入っているツンデレちゃんお手製のあのモンスターサラダを食べて目を覚ましてもらおうかな。別に処理したいからってわけではないからね!!


「あのメリッs....」


「あ!いたわよ!!」


俺の言葉を遮るようにツンデレちゃんが向日葵を発見する。邪魔をしないで欲しい。


「あのさメリッs....」


「早く倒しに行きましょう!」


「んぁ....はぁい....」


ツンデレちゃんは眠たげなメリッサの手を引いて向日葵の方へ走っていった。だから邪魔をしないで。


俺もメリッサにサラダをあげ....じゃなくて、ヒマワリマンを倒すために急いで向かう。というか2人とも攻撃は不得意だろ....何で2人だけで行ってるんだ....


「うん、不自然な位置に生えているし間違いなくヒマワリマンだね」


向日葵を少し離れた位置で観察していた2人と合流した俺はそう言いながら向日葵に近づいていく。


「ち、近づいて大丈夫なんですか....!?」


俺の行動に目を覚ましたのか、メリッサが珍しく大きな声を出す。


ヒマワリマンは近づいてくる俺に対して獲物を待ち構えていたかの如く急襲する....わけではなく、ただじっとその場に留まり向日葵のフリをしていた。


「誰も自分が弱ってる状況で戦おうとは思わないだろ?しかもこいつは擬態ができるキャラなんだから尚更戦う必要なんてないんだよ」


「なるほど....」


俺はスライムをボックスから召喚して水鉄砲を撃たせる。すると何事もなくあっさり倒せてしまった。残念ながら今回も仲間にはできなかったが。


「ヒマワリマンは夜になると攻撃力だけじゃなくて色々な能力、例えば防御力とかHPとかも落ちるから一撃で倒せるんだよね」


「本当にあっさりね....やっぱり夜に来るのは間違ってなかったんだわ!」


「いやまぁヒマワリマンに限っていえばそうだけど....さっきも言ったように強いモンスターがいるんだってば」


「でもさっきからそんな強そうなモンスター見えないわよ?というかお昼にも見たモンスターばっかりじゃない」


確かに夜に出てくるようなモンスターはまだ見てない。


「まあ確かに今のところはまだ出てないけど、出くわすと本当に苦戦を強いられるから、とりあえず向日葵を探すことだけ考えてくれ」


「わかってるわよ」


「こ、心得てます....!」


2人とも本当にわかっているのか不安になるが、そんなこと言っても仕方がない。早めにヒマワリマンを仲間にしてさっさとうちに帰ろう。



少し時間が経って、幸運にも強いモンスターに出くわさずに2つめの怪しげな向日葵を見つけた。


「うーん....これはちょっと遠くからだと判断しにくいな....スライムに水鉄砲でも撃たせて確認するか....?」


「SPがもったいないんじゃないの?近づいて確認しましょうよ」


「まぁそうだな」


この時の俺たちは向日葵に夢中で奥から近づいてくるモンスターに気づいていなかった。


「あー、これ普通の向日葵だね」


「なーんだ違うのね」


「ふぁぁあ....良かったですぅ....」


一歩一歩近づいてくる。


「メリッサまた眠くなってるのか、じゃあ俺のサラダを....」


「さ、次を探しにいきましょ、メリちゃん」


「はぁい....」


のっしのっしと近づいてくる。


「いやちょっと次探す前に休憩しようってば!眠気覚ましにいいものあるから!」


「ほんとですかぁ....?」


「ああ、だからちょっと休憩を....」


「ああ!!みんな見て!」


ツンデレちゃんがようやく近づいてくるモンスターに光を当てて気づく。


「可愛らしいわ....エサでも欲しがっているのかしら?」


「たしかに、ペットにできそうですね....可愛い....」



「いや違う!そいつは敵だ!!早く逃げるぞ!!」


「....え?」


「ほら急いで!」


そこにいたのは........




「で、でも、コアラじゃないですか、たとえ敵でも弱そうですよ....?」




コアラだった。



暇なのでもしかしたらすぐに更新できるかもしれません。

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