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第11話 バチバチなお泊り

お久しぶりです、全然書きたまりませんでしたが、生存報告も兼ねて投稿します。あと話をつなげるために10話の最後を少し変えました。

一方その頃リビングでは....


「ショウ、帰ってこないわね....一体どうしたのかしら....?」


「何か()()()()()()でも食べたんじゃないでしょうか?」


「何よ、その言い方?」


「別になんでもないですよ?」


バチバチしてた。


その間ショウの母親は気にせず黙々と食事をしている。


ショウはこの地獄絵図のようなリビングをトイレの扉からこっそり覗いていた。なんで自分の家なのにこっそりと見なきゃいけないのだろうか。


そうこうしているうちに、夕食が終わった。いや俺ほとんど食べられてないんですけど?


各々部屋に戻ることになったが、依然として相部屋になっているツンデレちゃんとメリッサは互いに口を聞いていない。このパーティで本当にやっていけるのだろうか。


そう思った矢先、入浴の時間が訪れる。


「私は後で済ませるから、若いのは先に入っといで」


「私は....そうね、ショウと....」


「え、えと、私はショウさんと....」


「じゃあ俺入ってくるから!」


とてつもなく嫌な予感がしたので先に1人で風呂場に行き、内側から鍵を閉めた。


2人とも何か悪いものでも食べたのだろうか。それとも俺が悪いものを食べて幻聴が聞こえたのだろうか。というかツンデレちゃんはともかくメリッサはおかしいだろう。会って1日も経ってないのに。


一方その頃リビングでは....


「....まあいいわ、私はショウの後に1人で入るわよ」


「あ、えと....はい、わかりました、じゃあ....その時いっぱいショウさんとお話ししてますね」


「あんた喧嘩売ってんの?」


「いや、えと、そんなこと思ってないですよ」


「そんな喧嘩しないで、2人で仲良く入ればいいじゃない?」


母親が仲裁に入るが本人たちにとっては火に油だったのか、


「そんなのいやよ!....です!」


「えと....そ、それはいや、です....」


「そう言わずに、ね?」


「うーん困ったわね、私も早く入りたいから、お願いしたかったのだけど....」


2人とも嫌そうな顔をしていたが、さすがに家を借りている相手からのお願いを断れなかったのか渋々承諾した。


ショウが風呂を出た後、2人の番となった。


「え、2人で入るの....?風呂場を壊さないでね....?」


「何すると思ってるのよ!普通に入るだけよ!」


2人が何をしでかすか心配で心配で仕方がない。やむを得ないのでここはお風呂場を覗いて....いや何を言っているんだ俺は。モンスターテイマーからデバガメへ早変わりだ。せっかくこの世界に来たのに犯罪者になったんじゃたまったもんじゃない。




しばらくして、ツンデレちゃんが先に上がってきた。なんだかすごく険悪な雰囲気を醸し出している。鬼のような形相だ。


「風呂場壊してないよね....?」


「壊すわけないでしょ!だいたいあの女が喧嘩売ってくるから悪いのよ....!」


「....と言うと?」


「あの女....でかいのをいいことに私を嘲るように....!私はまだ成長途中だっての....!」


なんだかボソボソ聞こえたが、これは深入りしてはいけない話だな、と直感で感じる。この2人が同じ部屋で寝るとか考えたくもない。


遅れてメリッサが上がってくる。


「あの、、あの人に....水をかけられた....」


なんだかしゅんとしている。


「ツンデレちゃんに?」


「は、はい....私、何もしてないのに....」


「はぁ!?何言ってんのよあんた!あんなにでかいの見せつけて私に向かって嘲笑とかいい加減にしなさいよ!」


「そんなことはしてないですよ?でもそれは小さい方が悪いですよね?」


先ほどまでのしゅんとしていた表情は何処へ。


「はぁ?」


「何か?」


2人ともガチトーンだ。これは本当にまずい。ここに名探偵が「ちょっと宿がないので部屋を貸していただけませんか」とか言って訪れたら確実に事件が起きるだろう。


「あのー、お二方....少し落ち着いて....」


「あんたは黙ってなさいよ!」


ツンデレちゃん、怒りが頂点に達しているみたいだ。もう不用意に話しかけられない。


そのギスギスした状況に俺は何もできず、母親はデザートを振る舞ったがそんなのは焼け石に水で終始ギスギスした雰囲気が漂っていた。


「じゃあそろそろ私はお風呂に入ってくるから、部屋に戻って寝る準備をしておいてね」


ああ、ようやくこのギスギスしたリビングから脱出できる、と思いショウは一目散に自分の部屋へと駆け込んでいった。


部屋に戻ったショウは特にすることもなかったが、行くあてもなく、というかゲストルームには行きたくなかったので自分の部屋で時間を潰した。


そろそろ就寝しようかという時にゲストルームの方から何やら騒がしい声が聞こえてきた。最初の方は気にしないようにしてきたが、限界が来てついに様子を見に行くことにした。ゲストルームの扉を開けると....


「あんた場所とりすぎなのよ!」


「そっちの方が....!場所取ってるじゃないですか....!」


陣取りをしていた。


「うるさいから静かにしてもらえるかな?」


「ひゃっ....!?あ、あの、うるさいからって乙女の部屋を勝手に見るのはどうかと思います....!」


え...?何これ俺が悪いの....?と心の中で呟きながら渋々部屋を出ていくことにした。本当は明日の予定とか言いたかったんだけど....


仕方がないので俺は五月蝿さと腹の痛さを気にせずに寝るために、バッグの中にあるサラダから睡眠を助長してくれる睡眠草を食べて眠りについた。




翌朝、とても早い時間だったが、ゲストルームからの声で目が覚めた。


「ふぁあぁ〜....なんだか騒がしいな....またかよ....」


このパターンは何回目なのだろう、今度は何で競り合ってるのだろう、と思いつつ、一応ゲストルームに注意しに行くことにした。本当は母親が行くべきなのだろうが、今の時間帯はまだぐっすり寝ている頃だろう。


扉を開けると意外な光景が目に広がっていた。


「それでね、私初めて見るスライムに驚いちゃって!」


「道に出てくるなんて災難でしたねー、本当スライムにやられるなんて不名誉なことにならなくてよかったですね」


「本当よかったわよ〜」


楽しそうに談笑していた。目にクマがあることからおそらく徹夜だったのだろう。なんか色々遊んだ跡もある。


これは夢なのだろう、と思い二度寝しようとした時に呼び止められた。


「あらどうしたの?こんな時間に」


「いやそっちこそこんな時間に何話してるの....」


「私たちがスライムに会ったときの話してるのよ、というかメリちゃんの話面白いわよ、後で聞かせてあげるわ!」


「め、めりちゃん....?」


「やめてくださいよーツンデレちゃん、は、恥ずかしいですよー」


「いいじゃないのよ、ってかツンデレちゃんって呼ばないでよ!」


「それこそ『いいじゃないのよ』ですよ」


お互いニックネームで呼び合うなんておかしな夢だ。こんな鮮明な夢を見るなんて俺もよっぽど疲れているみたいだ。早く部屋に戻って二度寝しよう。


「えっと、これ夢じゃないよね?」


「ショウさん何言ってるんですか....?」


「いや、こんなに仲良くしてるし....」


「ああそういうことですか、まぁそんな時期もありましたね」


そんな時期って、つい昨晩までそうだっただろう。


「そうね、腹を割って話してみたら案外というかむしろすごく面白い人だったのよ、なんか喧嘩腰に対応してたのがバカみたいだったわ、私の勘違いもあったみたいだし」


「そうですよー、本当にひどいですよー」


「本当に申し訳なかったわ....あの時はライバルが出てきたんじゃないかと必死で....」


どうやら夢ではなく現実らしい。そしてどうやらいつのまにか和解していたらしい。俺には理解できそうにない話だ....


和解して仲を深めた2人はその後語るだけ語って眠りについたという。


「まぁ一件落着か....」


俺も部屋に戻り多少の喧騒の中二度寝した。


もちろん3人ともその日の朝ご飯に遅れた。



これからも不定期更新になるかもしれませんが、失踪だけはしないように頑張ります。

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