用語
魔法世界
西暦ニ〇四九年以降、魔法が使える人、魔術師と゛捕食者゛が生まれた世界の通称。゛捕食者゛が生まれて以降、世界の人口は著しく減少した。これにより、世界各国で続いた紛争や戦争は全て休止か停戦。夜の世界を失いながらも、人類は自身が生き延びるために、共同するようになる。
また、後に失われた夜の日と呼ばれる二〇四九年の大晦日以降、大気中には新物質である魔法元素。人間の体内には魔素と呼ばれる物質が確認されるようになる。髪の毛や瞳の色も、それに影響されて変わると言われている。
魔法
ニ〇四九年の大晦日以降の生まれの者が使える力。魔術師は体内にある魔素と、大気中に含まれる魔法元素を消費して円形の魔法式を展開でき、続いて浮かんだ魔法文字を魔法式に打ち込む。打ち込まれた魔法文字が正しければ、魔法は発動される。魔法にも様々な種類があり、それらは名称と共に、国際魔法教会が組み分けている。
国内で初めての武装テロの影響もあり、魔法の技術や研究で日本は遅れをとっており、反対にアメリカは魔法大国と呼ばれるまでに魔法技術が進んでいる。しかしそれと同時に、隔離された人々と呼ばれる人々を大勢生み出してしまい、魔術師と非魔術師との間の対立を生んでしまってもいる。
付加魔法
組分けされた魔法の一種。対象に魔力を与える、魔法。効果時間が極めて短く、使用用途に乏しかったが、誠次はそれを最大限に使った戦いをする。
眷属魔法
組分けされた魔法の一種。使い魔と呼ばれる生命体を一種類、使役する事ができる魔法。使役中は他の魔法とは併用できない。独自の自我を持ち、人の言葉を話せるルーナのファフニールは、その中でも特殊な存在。
破壊魔法
組分けされた魔法の一種。攻撃魔法よりも強力で、人の生命に著しく干渉する恐れがある危険性から、幻影魔法と共に世界各国で使用を禁止されている事が多い。子供でもこれらの魔法を安易に扱えてしまうため、魔法文字の組み方さえ魔法学園で教えることはない。
捕食者
魔法と同時期に生まれた、西暦の歴史上、初めて人を率先して襲い、食料とする怪物。人間よりも大きな頭の無い黒い身体と、時に四足歩行も可能にする獣のような運動神経。背中に生えた無数の触手が特徴的。旧来の銃火器等は一切効くことはなく、人類は瞬く間に衰退する。理由は分かってはいないが、夜の世界にのみ出現し、室内には侵入しない。魔法による攻撃は有効。これにより、撃退には成功を重ねてきているが、未だ壊滅には至っていない。
レヴァテイン・弐
天瀬誠次が扱う黒い剣。元々、東馬から提案された名前はレーヴァテインであったが、縁起が悪いとの事により、誠次によってレヴァテインと名付けられる。通常時でも鋼鉄さえ貫く切れ味と威力を誇るが、女性からの付加魔法を受けると、剣に封印された能力が一定時間解放され、限界以上の能力を引き出せる。ルーナのグングニールと融合した際に、新たな形、レヴァテイン・弐となる。魔素出力を調整して効果時間を伸ばせるようになった他、レヴァテイン・弐は二刀に分解して二刀流となる事が出来るが、誠次の戦闘スタイルには合わず、二本の剣を交互に一つづつ使うという変則的な戦いをする。
魔法学園
魔法と言う存在が確認された後、世界各国に数年のうちに急遽設立された、学生が魔法を学ぶ為の学校。学校名には創造物で有名な魔術師や、神話の世界にいたとされる魔術師の名が宿されている。海外の先進国ではほぼ全ての学校が、すでに魔法学園化されている。
ヴィザリウス魔法学園
ニ〇六三年、日本の東京に建てられた、東日本の魔術師を擁立する魔法学園。現在の理事長は八ノ夜美里。元々あった普通科の高校を急ピッチで拡張、魔法学園化したため、所々に名残が見られるが、規模は大きい。各棟が円形のように広がっていることから、日本のストーンヘンジと呼ばれることもある。
アルゲイル魔法学園
ヴィザリウス魔法学園と同時期に建てられた、大阪の魔法学園。主に西日本の魔術師を擁立する。理事長は名義上では奥羽正一郎だが、実権は薺が握っている。中世の王城のような造りをしている。
特殊魔法治安維持組織
日本の台場に本部を置く、日本独自の治安維持組織。誠次も憧れを持ち、将来は入隊したいと夢見ている。警察とは指揮系統が異なり、主に魔法犯罪者の逮捕、対゛捕食者゛に対する殲滅、救助作戦を行う。しかし対゛捕食者゛に対しては目立った功績がなく、国民からは税金泥棒、等の容赦のない批判を浴びることもある。裏方はともかく、実動部隊は魔法が使える者のみでの編成の為、若者ばかりが目立つので、大人たちからは尚更そのように思われてしまうようだ。光安と一部の離反者によって起こされた反乱事件により、志藤局長を含めた組織員の半数以上が本部を去り、現在は第四分隊の元隊長であった新崎和真が局長を務めている。残された人員も、反逆者処刑に積極的であった新崎寄りの者が大多数を占めている。
光安
旧公安を薺が解体し、新たに作り上げた司法組織。表向きは警察と同じような治安維持活動を行っているとされているが、その実態の多くは人々の間には知らされておらず、存在すら知らないと言う国民も多い。日本の国益を守るためならば、犯罪者への凶悪な拷問も辞さないと言うような考えを持ち、薺の命に忠実に動く。
隔離された人々
主に海外で使用される、魔法が使えない人への侮蔑の言葉。急速に魔法大国化したアメリカ等の先進国では、このような存在が非常に多く、魔術師との間で対立関係が続いている。日本ではあまり使われない言葉。
国際魔法教会
アメリカのマンハッタンに本部を置く、魔法世界の平和と安全の維持と言う、その機能を維持できなくなった旧国際連合の後を継ぐ組織。最高責任者は創設者の一人でもある、ヴァレエフ・アレクサンドル。世界各国に支部があるが、日本国内にはまだない。海外ではニブルヘイムとも呼ばれている。
圧倒的な魔法の力により、魔法世界の安定と平和を実現させようとしており、支援者や支持者も多い。
幹部と呼ばれる役職があり、軒並み常人離れした魔力と戦闘力を有している。
レーヴァテイン
北欧神話に出てくる、スルトが振るっていたとされる光輝く魔剣。害なす魔剣、破滅の剣とも呼ばれる。伝説では、スルトの妻であるシンモラが九つの鍵をかけ、保管しているとされる。
旧魔法世界
西暦より遥か前、かつてあったとされる、人と神と竜がいた魔法文明の世界。ある程度の文明と魔法があり、人と神が長年争い合っていた。最後はスルトが放ったとされる炎により、文明そのものが存在の証拠もなく消え失せる。そこから再び始まった微生物の時代から、今の人の歴史に繋がる。
スルト
旧魔法世界で生きていた、人間族の将軍。敵であった九人の女神を従え、圧倒的な力を持ち、神の軍勢を討ち滅ぼしていた。冷酷無慈悲な性格だったとされる。愛用の武器は、レーヴァテイン。




