1 ☆
「なんで男子はこれを見ると怯えだすのだ……?」
るーな
――12月23日、京都府京都市、京都駅。
ヴィザリウス魔法学園の二学年生の全生徒が、リニア新幹線による移動で、そこには一斉に集結していた。今日を含めた三日間、12月25日までの修学旅行だ。
「2―Aの諸君。静かに、整列してくれ!」
修学旅行実行委員である三ッ橋の指示の元、すでに浮足立っているクラスメイトたちはどうにか、整列する。ちなみに女子は笠原さんだ。本当にあの人にはいつもお世話になっています。
「えーでは、今からこの僕が、諸君にこの旅行の注意事項と約束事を伝える――!」
「体育祭のときはあんまりやりたがってなかったのにな……」
「修学旅行とか、高校生の一大イベントのときは別腹ってことだろ……」
彼のぽっちゃりした体型を見据えて、クラス内の誰かがぼそぼそと言う。
「僕たちは遊ぶためにこの古の都に来たわけではない。学び、学習するためにこの場に来たのだということを忘れずに。そして、ヴィザリウス魔法学園の誇り高き魔法生という自覚をもってだな――!」
「「「はーい……」」」
天気は生憎の曇り空。どんよりかつ湿った空気を帯びる京都の一日目のスタートにある意味ふさわしい、三ッ橋の演説に、クラスメイトたちはだるそうに返事を返す。
予報では明日は雪が降るそうだ。この曇り空も今は、この後降る雪をたっぷりと蓄えて、京都の空に滞在するのだろう。
「では、予め諸君に配布しておいた旅のしおりと共に、この旅行のスケジュールを確認しよう――!」
初日に泊まる予定である祇園のホテルロビーにて、三ッ橋と笠原による旅行のスケジュール確認を行う。三ッ橋の口調のおかげで堅苦しく聞こえてしまうが、特段普通の高校生と変わらないのだろう、ありがちな予定だ。
初日はこの後、班に別れて予め決めていた観光スポットを巡る。
丸一日京都に滞在する二日目は、丸一日自由行動。先輩曰く、クリスマスイブでもあることから一部の人にとってはこの日が、勝負の一日になるそうだ。
最終日である三日目は、午前中はクラス毎に集まって団体行動をして、午後にリニア新幹線で東京に帰るというスケジュールだ。
「まずはお昼ごはんですね。どこに行きましょうか?」
初日の班行動とは、つまるところ、ルームメイトとの京都旅行である。いつもの面子での行動なので、問題ごとも起きることはないだろう。
早速、真が電子ペーパーの旅行パンフレットを片手に、ワクワクした面持ちで歩いている。
後に続く形で、誠次と悠平と聡也も、京都駅の屋根の下から、白空の下へと歩き出ていた。
「マ○クとかス○バは駄目なのか?」
「やりがちな旅行の適当昼飯だな……」
聡也がぼそりと呟けば、悠平がやんわりとツッコむ。
「せっかくの京都なのだし、それらしいものを食べものだな……例えばそう……シカせんべいとか!」
「それは奈良です」
誠次の渾身のボケは、真の冷静なツッコミによって返される。
「え、シカにせんべい、あげられないじゃないか!?」
「初日の残り時間を考えても、今から奈良に行くのは無謀ですね。京都周辺を探索するのがベストでしょう」
一際やる気が入っている真と、シカにせんべいをあげる気満々でやって来た誠次の愕然とした表情である。
「二日目で行けって……」
「そうするか……しかし、シカにせんべい……あげたかった……」
「はっはっは。どんだけ餌付けしたかったんだよ」
しょんぼりとする誠次に、悠平が笑っていた。
「昼食なら、錦市場で探すのが良いんじゃないか? 京都でも有名な市場で、色々な食べ歩きが出来るぞ」
聡也が提案する。
「詳しいんだな、聡也」
「子供の頃、家族で京都に旅行には来ていた。その時の記憶は微かに覚えているんだ」
誠次が感心すると、聡也は微笑んで答える。
「タクシーは終日利用できます。それを使って、錦市場までいきましょうか」
「はっはっは。俺たちの班は今日は、小野寺真がリーダーだな!」
「あ、す、すみません。別に自分の都合で皆さんを連れ回すつもりはなくて……」
悠平が笑いかければ、真が顔を真っ赤にして慌てる。
「でも、旅行先で一番楽しみな人のプランに合わせれば、自然と俺たちも楽しめるかもしれないな」
「確かに。ここは小野寺に合わせるのが正解かもな。その方がうまくいきそうだ」
聡也と誠次が頷き合えば、真はますます背筋をぴんと伸ばす。
「わ、わかりました。では、ついてきてください、三人とも!」
真が張り切って、錦市場まで歩いて向かおうとするのを、三人は慌てて追いかける。
「お、おい。だからタクシーで行こうぜ!? そもそもタクシー言い出したのは小野寺じゃねーか!」
悠平の言葉に、真は立ち止まって振り向き、「やっぱりこっちです!」とタクシー乗り場の方へと駆け出した。
所有面積的な意味でも、悠平がタクシーの助手席に座るのは確定しており、後部座席にその他三人が横並びで座る。
「学園行事で、こうやってルームメイト同士で学園の外に出るのは、なんだかんだ初めてではありませんか?」
タクシーに乗って移動中の真の言葉に、確かにと三人は頷く。
「プライベートではよく遊びに出かけるけど、学園行事での外出となるとまた少し違う思いがあるな」
誠次が窓の外の京都の町並みを眺めがら、口角を上げて言う。
「俺は早速疲れちまうぜ。いつもはこの面子に志藤がいるから、ツッコみ役を任されられたんだけどな」
悠平が苦笑しているのを、バックミラー越しに聡也が見つめる。
「なんだかその言い方では、俺たち三人が揃ってボケ役になっているじゃないか。俺は、賢いんだぞ」
「いや、そういうところだろ……」
窮屈そうなシートベルトをしっかりと締め、悠平は肩を竦めて仕方無しと言わんばかりだ。
「まあ、志藤だってルームメイトと一緒に京都観光を楽しんでいるはずだ。どこかでばったり遭遇できたら、一緒に楽しめるかもな」
誠次がお気楽そうに言えば、「あくまで修学の為の旅行ですよ、誠次さん」と真が真横から言葉を添えていた。
「一番の観光気分は真だろ?」
「ま、まあ……そこは否定出来ませんが」
真はあははと笑っていた。
「運転手さん。錦市場で、オススメのお昼ごはん処とかありますか?」
悠平が隣に座る、中年のタクシードライバーに尋ねる。
「あそこは何でも美味いが、修学旅行生にオススメはやっぱ、茶蕎麦かな。どうせ食べ歩くだろうし、蕎麦は何でも合う。俺のオススメのお店、紹介してあげるよ」
「「「「ありがとうございます」」」」
四人の男子はタクシードライバーにお礼を言い、錦市場入り口前で下ろして貰った。
京都でも有名な食べ歩きができる市場であり、観光向けに様々な商品が揃っている。迷ったらここに行けば、京の食べ物は一通り味わえる場所だ。
「うわぁ……」
真のテンションがわかりやすく上がっている。橙色の目を輝かせ、まるで市場の中に吸い寄せられるようにして、歩いて行ってしまいそうだ。
「観光地な分、人も多いな。迷惑にならないように、マナー良く行こう」
聡也の言葉に一同は頷いてから、錦市場の中へと入っていった。
入った途端、通路の左右の店が見せる魅惑の京食材の数々に、四人とも財布の紐がすぐに緩くなる。全てが美味しそうに見えてしまい、胃袋ともよく相談しなければ。
「美味いっ! この天ぷらにコロッケ、美味すぎる!」
両手に花、ではなく、両手に揚げ物を持ち、誠次はほっこりと笑う。
悠平も肉の串を持ち「めっちゃウマ!」と呟く。
「結局一番に楽しんでいるのは、なんだかんだで誠次さんと帳さんじゃないですか……」
真はイカの串を手に持ちながら、苦笑して歩く。
「だし巻き卵が、こんなにも美味しいのか……」
聡也も絶品の黄色の食べ物に舌鼓をうち、三人の後をついていく。
食べすぎもよくはない。ぶぶ漬けを出される前に、四人はタクシードライバーにおすすめされた蕎麦処に、寄っていた。
案内された和室から見える中庭の庭園が風情ある、まったりとした雰囲気の蕎麦処であり、修学旅行生もよく訪れる人気店だそうだ。
「なあ、茶蕎麦と普通の蕎麦って、一体何が違うんだ?」
悠平が訊く。
「そば粉の中にお茶が入っていることから、文字通り茶蕎麦と言うんです。それが普段食べている、日本そばとの違いですね」
真が説明していた。
そして次に真は、心配そうな表情となって、
「あ、あと帳さん。おつゆは飲み干してはいけませんよ? 最後はそば湯にして飲みますからね? くれぐれもですよ?」
「はっはっは。俺、いっつも飲み干しちまうんだよな」
などと言いながら、チュルチュルと音を立てて、そばを啜る。
「正直、そばの味ってどれも同じだと思っていたけど、やはり違うな……」
「ああ、美味いな。香りが違うんだと思う」
誠次と聡也も、もぐもぐとお行儀よく蕎麦を啜っていた。
「「「「ご馳走様でした」」」」
ちょっと贅沢をした気分で、蕎麦処を後にした誠次たちは、次にどこに行くかを話し合う。
「さすがにお土産は最終日に買ったほうが良いよな」
誠次が顎に手を添えていると、ふと、人混みの中で見知った顔を見つける。
それは人混みの中、コートにマフラーを合わせた格好の、向原琴音であった。ヴィザリウス魔法学年1―A担任教師であり、確か先日の話では、来年に自分が受け持つクラスの修学旅行を引率するために、研修の為の同行をするそうだった。
しかし今、彼女は白いホカホカの湯気を出す肉まんを両手で持ち、幸せそうな顔を浮かべて、それにありついている最中であった。研修とは、一体……?
「はい、五百円ですね」
「ありがとうございましたー」
「どうもです」
惣菜屋から出た笑顔の向原は、肉まんを大きく口を開けて丸かじりする。
「んー! 正直京都名物かと言われたら微妙なところはありますけど、美味しいものは美味しいですね!」
「向原先生」
「ぎゃあ!?」
横から誠次が声をかけると、向原はびっくりした様子で手に持っていた肉まんを放り投げる。
「うわ、すみません!」
宙を舞うかじりかけの肉まんを慌ててキャッチし、誠次は向原に渡す。
「あ、天瀬くんでしたか……お恥ずかしいところを生徒に見られてしまうとは……面目ないです……」
「い、いえ……独り言が、凄かったので……」
「っは! け、研修にためにこの京都には来ていますのでっ! 先生は決して優雅に観光しているわけではないんですよ!?」
(なるほど……。自分への、言い訳をしていたのか……)
必死に弁明をする向原に、誠次は悟られぬように遠い目をしていた。
「お、向原先生?」
「こんにちは。来ていたのですね」
「こんにちは、皆さん」
悠平と真もやって来て、顔見知りの教師と挨拶を交わす。
「プライベートで観光ですか?」
聡也がそう聞けば、今度は向原が遠い目をしていた。
「いえ……だから、研修です……一応みなさんと同じリニア新幹線に乗ってきたのですけど……」
冬独特の乾燥した木枯らしが、虚しく新米教師の前を通っていく。どうしても観光しているようにしか見えないし、別にそれでもいいのではないかと思う、魔法生たちである。
しかし、修学旅行の引率の教師にもしっかりとこなさなければならない仕事があり、役目もあるはずだ。生徒が問題を起こさないよう、いつも以上に気を配ったりする必要があるなど、きっと大変なはずである。
こほん、と咳払いをした向原は、持っていた肉まんを背中の方にやりつつ、人差し指をピンと立てる。
「みなさん。ヴィザリウス魔法学園の生徒として、節度ある行動を心がけてくださいね?」
「俺たち、結構真面目だという自覚があるのですが……」
誠次がぼそりと言うが、向原がずいと寄ってきた。
「特に天瀬くん! 貴男です!」
「俺ですか!?」
「はい! 貴男のその……異性との不純交遊的な噂は、教師の私の耳にも入ってきていますから!」
若干恥ずかしそうに顔を染めながら言ってくる向原であったが、人通りの多い京都錦市場のど真ん中で、教師に説教を喰らう身分も恥ずかしいことこの上ない。
「不純交遊的な噂になっているんですか!?」
「そ、そうです! ですからその……他の高校の女子生徒なんかに、軽々しく声をかけたりなんかはしないでくださいね?」
「しませんそんなこと! なんで修学旅行でナンパまがいの事をしなくてはいけないのですか!?」
「「「……」」」
「みんなもなんか言ってくれー!」
三人の男子ともなんとも言えないような表情で押し黙ってしまい、結果、孤立無援となる誠次である。身から出た錆と言われば、否定は出来ないので、そういう事なのだろう。
「とにかく! 他の人に迷惑をかけない範疇で、楽しんでいただければいいのです。わかりましたか、みなさん?」
「「「「はーい」」」」
「いい返事です! では皆さん、事件事故のないよう、お気をつけてくださいね?」
それらしい教師からの注意を受けるが、その時、四人の男子は同時に頭の中で思う。向原先生こそ、と。
錦市場で向原と別れ、四人は錦市場からほど近い、二条城へと訪れた。
「ここでは旧世紀に、大政奉還が行われた場所で有名だな。世界文化遺産にも登録されていたはずだ」
現地ガイドよろしく、聡也が三人に向けて話す。
「大政奉還? なんだそりゃあ」
悠平が首を傾げていると、誠次が自身の右腰をぽんぽんと軽く叩いていた。今はホテルに置いてあるが、いつもはここに、レヴァテイン・弐がある。
「江戸時代が終わって、明治時代が始まったんだ。武士たちの刀の時代がいよいよ終わって、銃器の時代へと進んでいくことになる転機点さ」
「明治維新、ですね。新選組とか、大好きです! こう、激動に生きた男たちの物語って感じで!」
真が胸元まで両手を持ち上げて、ぐいと言う。
「はっはっは。激動の時代を生きているんなら、俺たちだってそうじゃないか?」
「確かに、帳の言うとおりかもな」
悠平が二条城を眺めながら言えば、聡也もほくそ笑み、頷く。
誠次もまた、歴史の分岐点となった現場に立つ自分の足を見つめて、顔を上げた。
「刀を武器に、己の信念を胸に賭してかつての武士たちは、最後まで忠義を尽くして戦い続けたのだな……」
「なにか、変なスイッチが入ったようですね……」
まこと、真の言うとおりである。
二条城に入るなり、完全に場の空気に呑まれた誠次は、右手の拳をぎゅっと握り締める。
しばし纏まって二条城の敷地内を散策していると、何やら華やかな賑わいが、城には訪れていた。
「――あ、誠次たちじゃん」
同じように班行動をしていた、綾奈たちであった。
「奇遇ですね」
と千尋も。
しかしその班にはなぜか、綾奈と千尋と二人の女子以外にも、ルーナとクリシュティナがいた。
「やあ、みんな」
「こんにちは」
ペコリと頭を下げるクリシュティナはともかくとして、ルーナである。新選組のものを模した羽織を纏い、片手に木刀を担いでいると言ういで立ちに、誠次たちは呆気に取られる。
「それ、買ったのか……?」
誠次がルーナを見つめて言えば、ルーナは興奮した様子で、うんうんと頷いていた。
「郷に入っては郷に従え、とやらだ。君も木刀を買わないか、誠次? 私と一緒に新選組になろう!」
「俺は普段から剣持ってるしな……」
「聞いてよ誠次。ルーナったらアレも買ったのよ?」
「私たちは、その、必死に止めたのですけれど……」
呆れ顔の綾奈と困り顔の千尋が、ルーナを見やる。
「アレ、とは……?」
「これのことか?」
ガサゴソと、左手に持っていた包袋から、ルーナは例のブツを取り出した。
それを見た途端、四人の男子は、思わず目を見開く。
「そ、それは……っ!」
「あ、頭が……っ!」
真と聡也が頭を抱えだす。
「買っちまったのか、それ……」
「修学旅行生あるある……」
悠平と誠次が、ある種、感動に似た思いを味わっていた。
えへんと胸を張るルーナの手元には、銀色のチェーンに繋がれた、剣と龍のキーホルダーが輝いている。
そう、まだ世間のあれやこれやを知らぬ、純粋な子供の頃に誰もが格好いいと思って買った、剣とドラゴンのキーホルダーを買っていたのだ。
「凄い格好いいと思ってな。ロシアではこんなものはなかった」
予め断っておくが、別に買って悪いわけではないし、れっきとしたお土産である。しかし同時にそれは、小中学生時代を終え、高校生となってそれなりに社会のあれやこれやを理解し始めた男子高校生にとって、封印していたはずの記憶を呼び戻す、キーホルダーならぬ、鍵となってしまっていた。
「なぜ、そんなに怯えているのです? 私もルーナとお揃いのを買いましたよ」
クリシュティナまでもがルーナとお揃いのを買っており、二人揃って男子陣の黒歴史を見せつけてくる。
「「「「うわああああああっ!」」」」
男子四人は後退り、ルーナたちから距離をとる。そう、まさしくそれは、ポケットから突き出る憧れの長財布と同じく、未だ世界の広さを知らないでいた少年たちの、登龍門であるのかもしれない。
「……誠次、みんな。先程からなぜ逃げようとするんだ……?」
「だからやめときなさいって言ったのに……」
遠ざかっていく四人に困惑するルーナに、綾奈がはあと大きなため息をついていた。
「あーあ、男子たちみんな行っちゃった」
「修学旅行で異性と一緒にいるとか、マジ青春って感じじゃん?」
綾奈と千尋のルームメイトたちが、ニヤケ合う。
「なんだかすまなかった、みんな……。私のせいで、男子を怖がらせてしまったようだ……」
しょんぼりするルーナであったが、千尋が「あれは怖がったというより、過去の記憶がフラッシュバックしていたような……」と苦笑する。
「しかし助かりました皆さん。情けない話ですが、私とルーナだけでは、この京の街中で迷子になってしまうのは目に見えていましたから……」
クリシュティナが初日から大量に買っているお土産をしまい、改めて、綾奈たち班の面々に礼を述べる。班行動と言うこともあり、二人だけの班であったルーナとクリシュティナに、綾奈たちの班が同行してやっていたのだ。
「いいのよ。旅はみんなで楽しんだほうが楽しいしね」
「ルーナちゃんさんとクリシュティナちゃんさんが、危ないところに行ってしまわないように、私たちがきちんと見ていませんとね?」
綾奈と千尋が笑顔で言う。彼女らのルームメイトも、うんうんと頷いていた。
「感謝する、みんな」
「ありがとうございます」
ルーナとクリシュティナも、日本の古都を満喫する。生まれて初めて見るような、和の佇まいと、銀色に光る剣と龍のキーホルダーに、胸を躍らせて。
~目指せ、甲子園!~
「ついにここまで来たぞ……!」
やきゅうぶいん
「甲子園まで、あと少しだ!」
やきゅうぶいん
「野球部って、この時期も試合があるのか?」
きゃぷてん
「いや、ない」
やきゅうぶいん
「なんなら地区大会敗戦してるぞ」
やきゅうぶいん
「それなのに甲子園?」
きゃぷてん
「ああ!」
やきゅうぶいん
「京都から隣の県だから、あと少しだ!」
やきゅうぶいん
「距離的な意味かよ!」
きゃぷてん




