後編
1人、2人、3人…といじめていた奴らを殺していく。
ああ、楽しい。
ああ、嬉しい。
次は誰だろうか。
いいや、誰でもいい。
殺して、殺して、殺して……
ああ、楽しい。
なんて楽しいことなんだろう。
刺す時の感触。間抜けな顔で泣き叫ぶ声。命乞いをしてきた奴もいた。それをつぶしていくのはもっと楽しい。
ああ、次は誰を殺そうか。命乞いをしてくる奴がいい。血まみれになりながら、泣いて乞う姿は無様で気分が良かった。
俺はまた、フラフラと眠らぬまま歩き続ける。
ふと、人気のない道を歩いていた俺の後ろを、誰かが歩いていく気配を感じる。
特に気にすることもなく、ただ歩き続けた。
そんな時、
「おい」
声をかけられる。
興味のない俺は、聞く耳など持たず、ただ歩き続けた。
「おい」
もう一度、声をかけられる。
どこかで聞いたことのある声の気がした。
気になり振り返る。
そこにいたのは、気が狂ったように息が切れて、俺を睨み付ける男。
どこかでこの顔を見たことがあっただろうか。
俺はじっとその顔を見つめる。男は、フラり、フラりと俺に近づいてきた。
そんなことは気にせず、俺は男の顔を見つめ続けた。
と、その瞬間、腹に激痛。
「っあ」
そんな声がでて、俺は膝から崩れ落ちた。
とっさに腹に手を当てれば、ドロリとした赤い、液体。
…血。
それと同時に思い出した。
あの男の顔…あれは、俺を昔いじめていた奴だ。
「あ、ああ……」
震えながら、そんな情けない声を出す男はただ怯えた表情で俺を見る。
ふざけるな。
ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。
こんな奴に殺されるだと?
殺してやる。殺して、殺して……。
俺は、負けるのか。
いじめた奴に、殺されるのか。
ああ、死ねよ、死ねよ、死ねよ。
「くそ…共…がっ…!!」
俺は声をふりしぼりそう言う。
男は、ナイフを落として逃げて行った。
バカが。そのまま死んでしまえ。
意識がぼやけてきた。視界が白くなってきた。
ああ、痛い、苦しい。もう、いい。
死にたい。
そのまま、俺は、息を引きとった。
今日、人殺しが、殺された。
fin.
時間がまたいでしまいましたが、福沢さんと尾崎さんの生誕記念でした!
ちなみに、主人公の死因ですが、出血多量です。
ナイフを刺された時、抜いてしまうと血が止まらなくなるので、刺された場合は抜かないようにしましょうね!(まずそんな状況にならないと思いますが笑)