表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人殺し  作者: yuki
2/2

後編

 1人、2人、3人…といじめていた奴らを殺していく。

 ああ、楽しい。

 ああ、嬉しい。

 次は誰だろうか。

 いいや、誰でもいい。

 殺して、殺して、殺して……


 ああ、楽しい。


 なんて楽しいことなんだろう。

 刺す時の感触。間抜けな顔で泣き叫ぶ声。命乞いをしてきた奴もいた。それをつぶしていくのはもっと楽しい。

 ああ、次は誰を殺そうか。命乞いをしてくる奴がいい。血まみれになりながら、泣いて乞う姿は無様で気分が良かった。

 俺はまた、フラフラと眠らぬまま歩き続ける。

 ふと、人気(ひとけ)のない道を歩いていた俺の後ろを、誰かが歩いていく気配を感じる。

 特に気にすることもなく、ただ歩き続けた。

 そんな時、

「おい」

 声をかけられる。

 興味のない俺は、聞く耳など持たず、ただ歩き続けた。

「おい」

 もう一度、声をかけられる。

 どこかで聞いたことのある声の気がした。

 気になり振り返る。

 そこにいたのは、気が狂ったように息が切れて、俺を睨み付ける男。

 どこかでこの顔を見たことがあっただろうか。

 俺はじっとその顔を見つめる。男は、フラり、フラりと俺に近づいてきた。

 そんなことは気にせず、俺は男の顔を見つめ続けた。

 と、その瞬間、腹に激痛。


「っあ」

 そんな声がでて、俺は膝から崩れ落ちた。

 とっさに腹に手を当てれば、ドロリとした赤い、液体。

 …血。

 それと同時に思い出した。

 あの男の顔…あれは、俺を昔いじめていた奴だ。

「あ、ああ……」

 震えながら、そんな情けない声を出す男はただ怯えた表情で俺を見る。

 ふざけるな。

 ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。

 こんな奴に殺されるだと?

 殺してやる。殺して、殺して……。


 俺は、負けるのか。


 いじめた奴に、殺されるのか。

 ああ、死ねよ、死ねよ、死ねよ。


「くそ…共…がっ…!!」


 俺は声をふりしぼりそう言う。

 男は、ナイフを落として逃げて行った。

 バカが。そのまま死んでしまえ。

 意識がぼやけてきた。視界が白くなってきた。


 ああ、痛い、苦しい。もう、いい。

 死にたい。


 そのまま、俺は、息を引きとった。




 今日、人殺しが、殺された。



 fin.


時間がまたいでしまいましたが、福沢さんと尾崎さんの生誕記念でした!


ちなみに、主人公の死因ですが、出血多量です。

ナイフを刺された時、抜いてしまうと血が止まらなくなるので、刺された場合は抜かないようにしましょうね!(まずそんな状況にならないと思いますが笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ