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人殺し  作者: yuki
1/2

前編

 人を殺すのは簡単だった。

 何度も何度も刺して刺して刺して…。それは快感にもなりつつあった。

 殺すたびに手に入るのは快感と金。依頼があれば殺し、依頼がなければ、自分の好きなように殺しに殺しまくった。

 俺に、朝も昼も夜も、それがいつだろうが関係がなかった。俺は、眠るのが好きではなかった。起きた時に感じる虚無感。自分の生きる価値の無さを死ぬほど感じて、反吐が出た。起きる時間の朝が大嫌いだった。

 殺す以外にすることのない俺は、ただ外にいることを望んだ。家にいても自分がゴミにしか思えないので、自分でも忘れるぐらい昔に、家を売ったような気がする。

 フラフラとした足取りで、何の目的もなく、ただ歩く。

 視界の端に写ったニュースに、少女の自殺について書かれていた。くだらない。死にたいのなら殺してやるのに。そして、次に見える「いじめ」の文字。

 いじめ…?

 俺は足を止めた。

 そういえば、俺もいじめられていた。

 殴られ蹴られ、トイレの水に頭を沈められたりもした。数人がかりで持ち上げられ、ゴミ捨て場に投げ捨てられたこともあった。

 ああ、思い出してきたら、イライラしてきた。

 殺しを始めたのも、いじめがあったからだったか。


 そうだ。


 ならば殺しに行こう。

 俺をいじめた奴共を殺せばいいんだ。

 嫌な思い出を、快感で消してしまえばいいんだ。

 ああ、なんて簡単だったんだろう。

 時間なんていくらでもある。

 殺してやる。


 ああ、誰からやってやろうか。

 またフラフラと俺は歩き出す。

 復讐という名の殺しをしに行くために。




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