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フライ・バイ・ワイヤ

作者: 雪つむじ

地面に、這いつくばって、這いつくばって、這いつくばって。

いつか、空を飛べるなんて幻想を、胸の奥にしまい続けて。

ほとんどの人が、そんな現実を見ないまま、毎日を暮している。


動かない、操縦桿を懸命に倒して。

右へ、左へ。

それは、地面の上でも、誰にでもできる。

必要なのは、操縦桿を引いて。

自分の体を、上へと持ち上げること。


自分の感じるほど、操縦桿は動かない。

自分が思っているよりも、上へ上る力は弱い。


上を眺めて。

上を望んで。


ぴんと張った、ワイヤーを意識して。

引いたレバーが、そのワイヤーに繋がっていることを意識して。

初めて、空は近づいてくる。


アナログな機械。

アナログな、体。


PCの前にいる。

手元のスマートフォンを見る。


それは、どこかにワイヤーで繋がっているわけではなく。

電気的に。

驚くほどの速さで。

空へと繋がる。


空は、誰でも見ることができる。

空に、誰でも絵を描くことができる。


空へ上りたい。

その一心で引いたレバー。

叩いた、キー。

押した、ボタン。


あっという間に、空に上った。

バイ・ワイヤは、伝達が早い。


次に引く操縦桿は。

もう少し、考えてから引いたほうが、いいと思う。

空へ、上るために。

這いつくばっている僕らが、空を見続けるために。

レスポンスがいいことは、いいことばかりじゃなくて。

悪いことばかりでもない。

要は、鋏ってことで。

使いよう。

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