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02話 派閥戦争と特殊訓練

教室に戻ると、主に2つの派閥が出来上がっており、早速対立していた。俺は派閥の争いに出遅れたらしい。


「自己紹介くらいしようよ!!」


「敵に,無闇に情報を与えたくない」


「でも!……」


今言い争っているのは互いの派閥のリーダー的な人なんだろう。

自己紹介派は金髪青眼のハーフらしき女だ。モデル顔負けの容姿(豊満な胸も)とリーダーの素質を兼ねそなえた人間なんだろう。

相対する情報開示拒否派は、…あいつか。宇佐美に歯向かった、確か、神田とかいうやつだ。

そんなふうに分析していると自己紹介派のその女がこっちに笑顔を向けてきた。なんのつもりなんだろう。


「纐纈くんもそう思うよね?」


「え…あ…ああ…」


いきなり俺に話題を振らないでくれ。

反射的に肯定してしまいった。やっぱ可愛さは正義だ。


「チッ」


神田(とその取り巻き一向)はため息や舌打ちをして、負け犬の遠吠えをして逃げていった。


「結局彼らは名前すら語らなかったね…」


さっきの女がそう漏らした。

そいつの取り巻きのひとりが残った人だけで自己紹介をすることを提案し、今実行されそうになっている。

俺はどちらかの派閥に肩入れする気はないから早急に帰ろうとした。

でも、現実はそんなに甘くない。


「何してるの? 纐纈くん?」

さっきの女に肩を掴まれた。力強く。けっこう痛い。


「何って帰ろうとしているだけだけど」


「自己紹介に賛同していたわけじゃないの?」


教室にいる人たちからの視線がだいぶ痛い。


「もうみんな俺の名前知ってるからいいかなぁと思って…」


「あなたはみんなの名前知ってるの?」


もちろん知らない。というか知る気もない。でもこんなことを言ってしまうとどちらの派閥からも見放されてしまう。

諦めた俺は残る旨を伝えた。


「わかった。残るよ」


その女の顔が一気に晴れ渡った。


「じゃあ私から。私は山内(やまうち)花瑠(はる)。よろしくね」


俺も皆からの視線に応えるように名乗った。


「みんなも知っていると思うが、纐纈皓だ」


その後残った20人弱がそれぞれ自己紹介をし、その場は解散となった。


***


入学からちょうど1ヶ月が過ぎた。

相変わらず情報開示拒否派は何も言わずに課題をこなしており、自己紹介派、いや、協力派との衝突は見慣れたものになった。

いつも通りホームルームが始まった。

宇佐美がいつも以上に上機嫌に話し始めた。


「今日で入学からちょうど1ヶ月ね。なんとなんと、今日から特殊訓練が追加されるのよ!」


皆ポーカーフェイスを貫いているように見えて、頭にははてなでいっぱいだ。


「特殊訓練とは具体的にどういうものでしょうか」


皆の気持ちを代弁するかのように山内が尋ねた。


「んーとね、順を追って説明するから。

まず、この蕾は強い人間を作ることを目的にしてるの。みんな知っているでしょ?

強い人は肉体の強さだけでなく、判断力、柔軟性が大事なの。こーゆー力をつけるために『戦術』っていう訓練が追加されることになってるのよ。

この訓練ではクラス40人を4分割して10人のチームをつくって違うクラスのチームと戦うの」


情報開示拒否派の劣勢が確定したと皆が感じたが今はそれどころじゃない。

宇佐美が話を続ける。


「戦い方は、特殊装甲っていう服を着用して銃とか剣とかでやるのよ。

もちろん特殊装甲はとっても強力。皮膚にバリアを張るから特殊装甲が壊れない限り絶対にケガしないの。まぁ、攻撃を喰らった時に衝撃が脳に伝達されるから痛みはあるんだけどね。

あー、あと特殊装甲が壊れたら1日は使えないし、緊急脱出装置で安全な区域に転送されるから気をつけてね」


皆話の壮大さに声も出ていない。


「この訓練は今日から週に一回あるからねー」

宇佐美のそんな言葉でホームルームは終わりを迎えた。

どうも蕣です。2話目は流れがだいぶ早かったかと思います。これからいろんな人(他クラスとか先輩とか)が登場していく予定です。

春も始まり、学生たちが青春を謳歌している中、私は忙しさに追われております。

まだ2話目ですが、今後とも宜しくお願いします。

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