作戦会議
数日後のことである。ケイスケ、フレア、ネリウム、リオン、そしてギルドマスターであるベオルは件の赤髪の女剣士、そしてムスカスの捜索のため作戦会議をしていた。
「さて、先日話した通りだ。赤髪の女剣士が魔族だとわかった…これはなかなか骨の折れる仕事になりそうだ。」
ベオルの一言から報告は始まる。
「ケイスケ、魔族ってなんか人と違う感じあったか?」
フレアがそう聞く。
「多少魔力が強く反応する…くらいですかね。」
「なるほどなぁ、となるとケイスケの会ったムスカスも怪しいか。」
「どうでしょう…あいつからは特にはなにも感じませんでした。」
ケイスケとフレアの会話を聞きベオルは口を開いた。
「なるほどな。赤髪の魔族の方は探知が可能と言うわけだな。」
ケイスケの目を見てそう言った。
「はい…範囲はそんなに広くはないですが…。」
「前から思ってたんだが…ケイスケの気配探知ってだいたいどのくらいの範囲なら可能なんだ?」
そう聞いたのはフレアである。
「まあ条件は色々ありますけど半径1キロとかが限界です。」
「それだけありゃ充分だ。」
「いや、正直心もとないですよ。この街1つもカバーしきれてない。」
「お、おう…。」
反応に困るベオルだったがフレアが「そりゃそうだな。少なくとも見える分の情報は把握しときたい。」などと言い出すため、改めてこのギルドの最高戦力のおかしさを痛感する。が、たぶんこの2人は言っても聞かないので放っておいて次の議題に行くことにした。
『この2人…変なところで気が合いやがる…さてと。』
「さて…捜索面はなんとかなりそうだな。ネリウム、リオンの特訓はどんな感じだ?」
ここ数日間、リオンはネリウムを師匠として修行をしていた。
「驚くほどの成長速度ですよ。気配遮断、消音は完璧です。あとは回りの気配に対しても察知できるように訓練をしているところです。」
「なるほど。」
「それと、単純な身体能力はネックに感じましたね。」
「単純な身体能力?そこまで悪かったか?」
「ネリウムさんの攻撃…速すぎて全然捉えられないです…何ですか腕10本て。反則ですよ反則…。」
「まて、ネリウム。おまえさんまさか割りと本気の組手をしてるんじゃないだろうな?」
「え?してませんよ。」
「だよな。」
「きちんと全力です。」
「相手素人だぞ!?」
「だからなんです?私は彼女の想いに答えているだけです。」
「そうは言ってもだな…。」
「ベオルさん。この際言います。ここにいるメンバーほとんど規格外なんです。それこそ人間の枠組みでないような連中です。それが躍起になって1つの敵を追っている。そんな中に放り込まれた素人なんて足手まといでしかないんです。」
「まあ、わかるが…。」
「それにこれは彼女の意思でもあります。」
「リオンの…?」
そう言って、ベオルの視線はネリウムからリオンへと変わる。すると、リオンはその問いに答えるように話し始めた。
「はい。ケイスケさんに言われたんです。一矢報いたいのであれば死ぬほどの努力をしてみろって。だから、ネリウムさんにも全力でってお願いしたんですけど…避けるのがやっとですね…。」
『いやぁ…正直避けれるだけ凄まじいのでは?』
そんなことを思いながらもベオルは返答する。
「そうか…ならばこれ以上は俺もなにも言えんな。成長しているのであればいい。こちらからも動けるからな。さて、準備は整ってきた。そろそろやつらをあぶり出す本格的な作戦といこうじゃないか。」
「でも、そんなことできるのか?わざわざここに来るなんて思えないが。」
フレアのその問いに答えたのはケイスケだった。
「それなんですけど、あの時戦った魔族はリオンさんを殺そうとしたのでなく、連れ去ろうとしていました。」
「てことは…。」
「ええ、必ずやってきますよ。やつらは。」
─────針葉樹林のダンジョン付近にて。ムスカスとその魔族は作戦を練っていた。
「なあ、どうしてもあの実験体が必要なのか?」
「当たり前です。今のところ唯一の成功例なんですよ!あれがないとあの方に怒られてしまいますからね。」
「出来損ないだろ、あんなの。ったく、どんだけおまえはあいつのことを盲信してるんだよ。」
「そりゃそうでしょ!あの方は私たちの救世主ですよ!!」
「まあ、そうなんだろうな。」
「あなたも同じ身でしょうが…全く。」
「私からしたら、幼稚な復讐者だよ─────。」
刹那、その魔族の頬を黒い刃が掠めた。
「何が幼稚だって…?」
ムスカスは低く呟く。
「…悪かったよ。しかし、どうやってあの化物を突破する?」
「まあ、概ね私たちならなんとかなりますよ。あなたの兵隊を寄越してください。それだけでいいです。」
「はあ…了解。」
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