それぞれの地へ
翌日の事である。ギルドに保護されていた彼女、名前はリオンと言う。彼女はケイスケによって彼らの元へと送り届けられることとなった。
一方のフレアは件の4人組を探すためにネリウムと共にリオンの育った村へと向かうこととなった。リオンの証言では、自分より後に連れてこられたものは居ないと言うことなので足取りをつかむのであればその村へ行く他ないと言うことだ。
─────ケイスケ達は現在、徒歩で彼らと遭遇した山まで向かっている。普段なら飛んでいけばいいが、生憎と今のケイスケにはそんな筋力はない。はたまた、背中にのせる勇気もない。遅かれ早かれ、今日中には着くので徒歩と言う選択肢を取った。
「あの…。」
「どうかしました?」
「いや、なんと言うか…あの時急に襲いかかって本当にごめんなさい…。」
「君にも事情があったわけだし、僕はそこまで気にしてないよ。」
「その…ありがとうございます。急に飛び出てきてあなた達を殺そうとした私を生かしてくれて…。」
「…正直…殺した方が正しいのかなってあの時は悩んでた。今となってはそんなことないんだけどさ…だから、そのありがとうは言わないで。なんか…いい話にはしたくないから。」
「それでも、1度は止めてくれたじゃないですか。」
「それでもだよ。殺そうとした時点でなにも変わらない。」
少し考え、笑ってリオンは答える。
「…ケイスケさんって、本当正直者ですね。素直に受けとればいいのに。」
「そう言う性格なんだ。逆に、君はどうして自分を1度殺そうとした奴にそんな笑顔向けれるの?」
「だって、私からしたら助けてもらったことに変わりはないですもん。」
「そっか…。」
「変わり者ですよね。ケイスケさん。」
「僕からしたら、君も変わり者だよ。」
「えへへ、じゃあ一緒ですね。」
その言葉に少し頬を赤く染めるケイスケ。
「先、急ぎましょうか。」
ぶっきらぼうにそれだけ返してケイスケはその足を速める。
「あ、待ってくださいよ!」
リオンは無邪気にそれだけを返すのだった。
─────同時刻、フレアとネリウムは昨日帰ってきた道をまた歩いていた。
「そういえばだが、ネリウムがこの前まで居たのってあのリオンが居た村だったんだな。なんでそんなところに?」
「知っての通り、私は放浪者だ。日銭を稼がなきゃならん。それでしばらくはレイスを目指してたんだ。そこで最後に立ち寄ったのがあの村だった。」
「まあレイスはダンジョンも近いからな。稼ぐにはもってこいだろう。でも同じところにとどまった方が楽なんじゃないか?」
「普通の人間なら…な。私は亜人だからな…特定のところにとどまってるとよくない噂が流れるんだ…。」
「あっ…その…すまん。」
「いやいや、構わないさ。あなたとケイスケは信頼してる。」
「ケイスケなあ…不思議な奴だよ。」
「あなたから見てもそうなの?」
「この世界の常識は知らないし。そのくせ魔法は使える。本人曰く魔女の元で修行してたっていうけど…今時の魔女でもあそこまで熟練度が高い奴居ないだろう?」
「そうだな…それこそ世界最強の男を思い出したが…彼との繋がりもないんだろう?」
「むしろ、誰だ?みたいな反応だったよ。」
「うーむ…となれば彼を教えた魔女と言うのはいったい…。」
「んまあ、私も細かいことは気にしないようにしてる。あいつは私が初めて認めたバディだからな。」
「だろうな…あの身体強化魔法…普通の人間では耐えることができんはずだ。」
「ん?どういうことだ?」
「肉体そのものを魔法として扱う…その質量をエネルギーそのものとして扱えるようになる。それが彼の施す身体強化だ。人間じゃ耐えられない。」
「まるで私が人間じゃないみたいだな。」
「実際、私は疑っているよ。」
そう言うとネリウムは足を止めた。
「え?」
フレアが振り返るとネリウムは鋭い目付きでこちらを見ている。
「君は何者なんだ?フレア?」
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