言葉にならない気持ち
次の日、学校へ行くといつも聞こえる太陽のように元気な「おはよ~!」が聞こえない。
そうだ、俺たちは今距離を置いているのであった。
なんかいつも聞こえてたものがないとやっぱりムズムズした。
そして、どことなく寂しいなと感じた。
まだ距離を開けて一日目なのに…一週間も持つ気がしない。
席に着くとタクミが近づいてきた。
「よう!リョウ、お前ら別れたん?」
「なんでそうなる」
俺はストレートすぎるその質問に驚きつつ事の次第を話した。
「チッ倦怠期かよ…別れろ(笑)」
「おい!こっちはマジで悩んでるんだぞ」
「悪い悪い!」
朝一から気に障ることを言われた俺は気分がダダ下がりだった。
その日の授業は全く頭に入ってこず、脳裏に常にリオがいた。
言葉にするのが難しかったが心臓の周りがざわざわする感覚だった。
俺の心がなにかを訴えようとしているがうまく言葉にならない。
授業が終わり、帰路につこうとしたがなんだか帰る気分にもならない。
景色でも見るか。
俺は学校の近くの河川敷に出向き、小学生たちの楽しそうな声に耳を傾け、川の流れをぼーっと眺めていた。
川の中をよく見ると、小さな魚たちが追いかけっこをしているように見えた。
俺もあの魚みたいに全力で追われたいなーなんて思いながら
リオと海岸で追いかけっこをしている場面を妄想していた。
考えれば考えるほど寂しくなってきたのでもう帰ることにした。
何か月ぶりだろう。リオと丸一日一言も話さなかったのは。
俺は夜中布団の上でどうしたら早く倦怠期とやらを抜け出せるかを考えていた。
ネットで調べたら新しい刺激が必要とか書いてあったけど…どうすればいいんだ?
でもリオは恋しくなったら来てくれるって言ってくれたしな~
一晩中考えたが答えは出なかった。
次の日もリオは「おはよう」を言ってくれなかった。
生き地獄ってこういう事を言うんだなとしみじみ思った。
昨日は心臓のざわざわだけで済んでいたが今日は
心臓が紐で締め付けられたような感覚になり辛く、息もしづらかった。
相変わらずタクミからはからかわれるし今の俺に頼れる人は何処にもいなかった。
この孤独感を埋めてくれるものはないのだろうか。
俺は後悔していた。恋人を最優先にして友達との関わりを削っていったことは
本当に大誤算だった。
友達との時間を削ったことで元々いた数少ない友達はどんどんと
俺から離れていき気づけば自分で孤独を作っていた。
こんなことになるのならもう少し友達にも情を注ぐべきだった。
いつも学校から一緒に帰っていたリオがいないので俺は一人でトボトボと歩いて家に帰った。
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