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初恋

作者: サヤ

 初めてあなたに会ったのは、中学3年生で同じクラスになったときだった。

 席が隣同士になって、初めはあいさつをするだけだったけど、少しずつ色々な話をするようになっていったよね。

仲良くなればなるほど、あなたのことをどんどん知りたくなっちゃった。サッカー選手になるという夢があって、そこに向かって努力するあなたがすごく素敵で尊敬してた。勉強も出来て、サッカーも頑張っていたあなたに、夢もなにもない私はどんどん惹かれていったよ。恥ずかしくて、そんなことをあなたに素直に伝えたことはなかったけどね。けど、いつも心の中では応援してた。


 あなたもだけど、私も負けず嫌いだから、あなたとテストの点を競い合うのは楽しかった。どんぐりの背比べみたいにいい勝負をしたのがすごく懐かしいよ。

 席が近い人たちでグループを組むように、学校のルールでなってたよね。他のグループは6人で、私たちのグループだけ7人だったけど、みんな仲が良かったよね。

 なぜか負けず嫌いなタイプばかり集まってたグループだったから、テストの点をみんなで競い合ってたせいか、私たちのグループだけ成績がかなり上がっていってたよね笑っ


 私ね、実はわかってたんだ。あなたが、同じグループの私の親友のことが好きだってこと。私も彼女のことが好きだから、やきもちすら妬けなかったよ。けど、彼女のことを好きなあなたのことを応援するのは出来なかった。やっぱり私に振り向いてくれないかなって思ってたから。

 

 サッカーなんてルールもわからなかったけど、あなたと話せるチャンスだと思ってたから、色々勉強したんだよ。よく理解出来ないところを質問すると、あなたが優しく説明してくれるのがすごく嬉しかった。


 3学期制だったから、1学期で隣の席になれたけど、2学期で離れ離れになっちゃって寂しかった。2学期の記憶が全然ないや。3学期になって、自由に席を決めていいよって言われた時に、また7人グループになったのはすごく嬉しかった。3年生の受験シーズンで、一緒に過ごせる時間はすごく短かったけど。

 みんな負けず嫌いで1学期に勉強しまくったせいか、それぞれの第一志望の学校にグループ全員合格出来たのはすごかったよね。あなたはサッカーが強い国立の学校に学力で受かったよね。

 私は親の勧めに従って、私立の女子校しか受験する気がなかったから、3科目しか勉強してなくて、国立のあなたについていくことが出来なかった。もっと頑張れば良かったな…

 

 卒業式のときに第二ボタンもらったのは嬉しかった。ボタン下さいっていうのがすごく勇気がいることで、あんなに頑張ったことはなかったかも。いまでも大切に持ってるよ。

私が親友と一緒にボタンもらいに行ったから、あなたにとっては紛らわしかったよね。期待させてごめんなさい。まさかお前がボタン下さいって言うのかよって、きっと思ったよね。けど、1人でもらいにいく勇気がなかったんだもん。けど、あのときは、考えが及ばすごめんなさい。


 中学校を卒業してから、全然会えなくなっちゃったけど、あなたのことをよく思い出したりしてた。

 ポケベルを初めてもったときに、あなたも持ってたら連絡先を聞きたいと思って、みんなで遊ぼうって、あのグループの子たちに声をかけたの。みんな久しぶりに会いたいって言ってくれたから良かったのだけど、実はそんな邪な私の気持ちが入った集まりだったんだ。あなたには気軽に誘えないのだけど、同じグループで男子校に行ったあの子とは、気軽に連絡を取っていたから、彼にあなたに声をかけてくれるようにお願いしちゃった。



 


 

 

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