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episode.3


 秋祭りに行くことになった北山一家。

 彼らが会場である神社の鳥居を潜ろうとした時だった。

「すみません、北山さんですよね? 申し訳ないのですが、ご参加は遠慮願います」


 北山一家は警備員に声をかけられた。

「なんだと!? お前に何の権限があってそんなことが言えるんだ!」


 すると警備員はポケットから折り畳まれた祭りの案内を取り出した。


「ほら、ここ」



※開催日時点を秋と認識されている方のみの参加となります。それ以外の方は参加いただけません。


「今は10月12日ですが、北山さんの中では秋なのですか? まさかそんなことはないですよね」

 警備員は最高の笑みを浮かべた。



※冬大特価セールは現時点を冬と認識されている方のみに限ります


※初詣は1月1日を冬と認識されている方のみに限ります


※花見は春と認識されている方のみに限ります




 北山の父はSNSにこの件を投稿し、一家は早々にこの地域を出て行った。


 最初こそ町民の対応に非難が集中したが、市議会議員との黒い噂、畠中の件の真相を同僚教師がリークしたことで状況は一気に覆った。

 

 ニュースでも大きく取り上げられた北山一家の顔は全国に広く知られていたたことが仇となった。


 複数県を転々としたが、皆面白がってどこも同じような対応を取った。



 こうして日本全国、夏以外の時期のあらゆることに注釈が付記されることとなった。



=End=


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