婚約破棄
ここから本格的に話がはじまります
ゆるっと頭を空っぽにしてお楽しみください
「ローズマリー・リーンフォース!お前との婚約を破棄する!ネクロマンサーなどおぞましい力は王家にふさわしくない!俺はここにいる聖女、ルルナ・ペイルトンと新たに婚約を結ぶこととする!」
王家の舞踏会で私の婚約者この国の第一王子ベイトルト・ローライズ殿下がわめき出した
私は殿下の前に立ちカーテシーをしながら優雅に
「あら殿下お元気です事。理由をお聞かせくださるかしら?」
「ふん!お前は美しいルルナに嫉妬して嫌がらせをしていたそうではないか?聖なる力の前にネクロマンサーは無力。お前のような醜い死体いじりなど私には必要ない!」
「嫌がらせ等しておりませんが、ルルナ様とは殿下の腕にぶら下がっている方でよろしいのでしょうか?初めて見る方なのですが??」
「ひどい!あんなに意地悪しておいて!謝ってください!」
「冤罪などでっち上げなくとも婚約破棄はお受けいたしますわ殿下。もちろん殿下の有責で、証拠は今現在進行中の浮気ですわね。」
そしてふふふと笑いながら
密かに虫をネクロマンシーして気づかれないように服の中に這わせる
「嫉妬とか、アハハ、ふふ」
「何がおかしい!」
「淑女にあるまじき振る舞い失礼しました。嫉妬とは?私、殿下のこと好きか嫌いかと言われたら大嫌いですもの。その私が嫉妬とか可笑しくてどう勘違いしたらそのような思考になるか?」
あたまおかしいのですか?
と笑った
「不敬だぞ!」
「ねぇ殿下、私のこと嫌いでしょ?答えてくださいます?私を殺したいほど嫌いですか?私は貴方に無関心だったことは認めましょう、ですが貴方に害をなしたことはありません、
殺したいほど、死んでほしいほど嫌いですか??」
「なにを!そこまでは思ってない!お前と結婚したくないだけだ!婚約破棄してやるから王都に入ってこないで領地に引っ込んでろ!」
「なら聞き方を変えましょう。殿下、あなたは今。私に死ねとおっしゃってるの理解できてますか?」
「何を...」
「ネクロマンサーの能力は死者を蘇らせ操るもの、過去の失われたロストテクノロジーを復活させることも可能ですわ。殺人で殺された令嬢を蘇らせれば殺人者の名前も、犯罪組織の人間が口封じて殺されても生き返らせ意のままに口を割らせることも可能ですわ」
「ここでは言いませんが私の能力は唯一で使い方によっては国を滅ぼすものです。だから王家が取り込むために私を殿下の婚約者にした。それが破棄されたなら、危険人物は生かしておくはずがないではありませんか?」
「そしてそれを認めた王家。教会からも依頼があったのでしょう。聖女様、殺気が漏れてますわよ」
聖女ルルナの目つきが変わる。
お芝居はもういいのかしら?聖女様と言いながら言葉を続ける
「そしてここまで用意周到ならもはや私の家族は生きていないでしょう。そういえば第1近衛騎士団がおりませんわね」
王の表情がわずかに動く。
「後は私を殺すだけ、そして天敵である聖女がいる。」
「美しいまでに完璧ではありませんか!この場で殿下1人蚊帳の外でしたのね。」
おかわいそうにこの調子では王などとてもなれないでしょう。
幸い王家には優秀な第2王子がおりますもの。
ベイトルト様の命も短いでしょう。
「なんと!王家がそのような振る舞いするはずがなかろう!妄想も大概にせよ!」
「さて、私を見限ったのはどなたかしら??」
「いつも汚物を見るような目で見てくる王妃様かしら?」
「それとも好色な目で見てくる宰相様?」
みんな無言だ
「あと僅かな命の私の話に付き合ってくれても、いいんじゃないかしら?」
「余だ」
そう国王がつぶやく。
「ローズマリー、お前は危険すぎる。知恵が回りすぎる。魔力が高すぎる、勤勉すぎる」
「ネクロマンサーの力を理解しすぎているのだ。我が国のために死ね」
「父上!!」
「黙れ!お前がもう少ししっかりしてローズマリーを意のままに操れたら、違った未来があったのだ!役立たずめ!」
そこでまたローズマリーが笑い出す
「陛下、ここまで来てそんなに取り繕わなくても」
「我が国のためではなくて、ローライズ王家の安泰のために死ねとはっきりいえばよろしいのに」