7月9日 深山隼人 新計画編
過激な性的発言、表現があります。
苦手な方は、読まないことをお奨めします。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
「二次会行く人~!」
店を出ると、栄治がみんなに呼びかける。
女の子たちが集まってくる。ちょうど四人だ。
いいね、予定していた人数と合っている。なら、俺はこの後の準備をするか。
スマホを操作し、川島にメッセージを送る。
「隼人先輩」
ふと、俺を呼ぶ声がした。
スマホ画面から顔を上げ、声の主を確認する。愛美ちゃんだ。
何の用だろうか?
「どうしたの?」
愛美ちゃんは、俺に接近してくると、俺の手を掴んだ。
そして、そのまま、自身の胸に押し当てる。
何だこれは、どういうことだ?
「ここじゃ恥ずかしいんで、路地裏行きませんか?」
愛美ちゃんが俺を誘う?そんなことあるのか?
しかし、据え膳食わぬは何とやらだ。お望みとあるならば、相手をしようじゃないか。
予想外の人物の誘いに、つい、口の端がつり上がってしまった。
「いいよ」
俺は愛美ちゃんに引っ張られる形で、路地裏に足を運んだ。
そして、しばらく入ったところで、彼女は身体を密着してきた。
「先輩…」
顔を近づけてくる。
先ずはキスか、応えようじゃないか。
愛美ちゃんの唇が、俺の唇に近付き、ゆっくりと触れようとする。
しかし、次の瞬間、唇に嚙みつかれた。しかも、唇同士が触れないように、口の端を嚙みやがった。端から、キスすらしたくなかったわけか、ふざけてる。
「痛っ!このアマ!」
本当に腹立たしい。こいつの目的は何だ?単なる嫌がらせか?
このまま近づいた状態では、何をされるか分からない。俺は直ぐ様、愛美ちゃんを引き離そうとした。
しかし、愛美ちゃんは俺の腕をしっかりと捕まえ、また顔を近づけてきた。
これ以上、何をする気だ。まだ噛み付くのか?
「お膳立てはしましたよ」
耳元で囁かれた。
何だ?何を言っている。
「何を言って…」
「美香ちゃん、隼人先輩、口切っちゃったみたいなの。診てあげて」
愛美ちゃんの呼び掛けた方に目をやる。
そこには、美香ちゃんの姿があった。何でここに?
「まあ大変!」
美香ちゃんは駆け寄ってくると、俺の顔を手で包んだ。
夏だというのに、冷たい手をしている。その冷たさが心地よい。
そして顔を近づけてくる。
「痛そう…」
更に顔が近くなり、唇に唇を寄せてくる。
普通だったら、嬉しいシチュエーションだが、先程のことがある。何をされるか分からない。
俺は身構えた。
「傷口、舐めてあげますね」
傷口を舐められた。その流れで、唇を舐められる。そして、そのまま唇を重ねてきた。
警戒していたので、体が強張ってしまう。
一旦唇を離し、見つめてくる。
そして、今度は首に腕を回され、密着してキスをしてきた。
舌が口の中に滑り込んでくる。俺の舌を美香ちゃんの舌が捉える。
「んっ…ふうっ……」
美香ちゃんの吐息が漏れる。いやらしい。
スマホが震える。誰かからの着信だ。しかし、今出ることは出来ない。
こんな最高の瞬間、中断してたまるものか。
強く体を密着させ、美香ちゃんの舌は、俺の舌に絡みつきながら、口腔内をまさぐる様に、舌を走らせてくる。
唇の裏、歯、歯茎、上顎。口内全てを嘗め回す。こんなに執拗に熱いキスは初めての経験だった。
お膳立てをした…愛美ちゃんの言っていたのは、キスの口実を作ってやったということなのだろうか。つまり、彼女は俺と美香ちゃんをくっ付けようとしているのか?
ということは、俺が狙うよりも先に、美香ちゃんは俺を好いていたということなのだろうか?だとしたら、両想いじゃないか。
「今日は、これくらいにしておきます」
俺の思いとは裏腹に、美香ちゃんはそう言って体を離した。
「これ以上やったら、私、抑えられなくなっちゃうんで」
頬を赤らめて言う。
君も俺のことが好きなんだろう?じゃあ別に、抑えなくてもいいじゃないか。ここで止める必要はない、このまま最後まで行こうじゃないか。
俺は、美香ちゃんを抱き寄せようと、手を伸ばそうとする。
「隼人先輩のキスが、うまいことは分かりました。いい味見でした」
ハンカチを取り出し、口を拭きながら言う。
「メインディッシュは、後日にしましょう」
俺は手を止めた。
今回は味見ということは、本番は別の日か。なかなか焦らすじゃないか。
「また、じっくりと楽しみましょう」
妖艶な笑みを浮かべる。色っぽくて、影のある笑みだ。
ここで強引にことを進めても、良いことはないだろう。後があると言っているんだ、美香ちゃんの言うことに従って、引くことにしよう。
「分かったよ、また今度」
「ええ、また」
微笑むと、美香ちゃんは踵を返して去っていった。今度の笑顔に影はなく、可愛らしい顔をしていた。
先程の笑みは何だったのか。キスの時と今とでは、まるで別人のようだ。
再び、スマホが震える。そういえばさっき鳴ってたな。一体誰だ。
スマホの表示を見ると、栄治だった。
「何だ?」
「何だじゃねえよ、二次会行くんだろ」
ああ、そうだった。美香ちゃんとのキスで、すっかり計画を忘れていた。
「分かった今行く」
「ああ、それと」
「何かあったのか?」
「大輝の奴が、巨乳の子を諦め切れてなかったみたいで、また徹君に絡んでたぜ」
あいつ…本当に要らない奴だな。
「そうか。じゃあ、大輝だけをそこに置いて、お前たちは大通りに向かってくれ」
「分かった」
馬鹿は体に覚えさせないと、理解できないのだろうな、仕方ない。
路地裏から出ると、言いつけ通り、店前には大輝だけがいた。
「あ、隼人…」
言い終わる前に、ぶん殴った。
不意打ちになったようで、壁まで吹っ飛ぶ。そして、尻餅をついた。
「痛ってー…なに…」
文句なんて言わせる隙は与えない。俺もしゃがみ込み、腕で大輝の首を締め上げ、壁に押さえつける。
座った状態で壁に押さえつけられると、人間は立ち上がることができない。
腕で締め上げることで、腕力は必要ない。体重をかけるだけでいいのだ。
「ぐっ…がっ…」
呼吸が出来なくてもがく。しかし、抵抗できるはずもない。
喉が押し付けられているため、声も上げられない。
「お前は何を勘違いしているか分からないが、腕力も頭脳も、俺の方が上なんだよ。何で俺と対等になれると思う?」
更に寄りかかり、体重を乗せてゆく。
「…っ……っ」
圧迫がより強くなり、うめき声すら上げられなくなる。
「いいか、俺の言う通りにしか動くな。自分で判断することは、全て間違えだと思え。そして、服従しろ。それなら、今回の失敗は目を瞑ってやる」
腕を外して、解放してやる。
「ごっほ、げっほ、ごっっほ…ぐえぁ…」
呼吸ができるようになり、むせ返る。大輝はしばらく、涙を流しながら、咳を続けた。
「し、失敗って…」
まあ、馬鹿だから分からんよな。
「結菜ちゃんのドリンクに薬を盛ったこと。結菜ちゃんを連れ帰ろうとして、徹君に絡んだこと」
大輝が青くなる。やっぱり、俺が知らないと思っていたようだ。そういうところが無能だというんだ。
「愛美ちゃんも気付いていたぞ。あれだけ、あからさまにやったんだ、愛美ちゃん以外にも、気付いた奴はいるかもな」
「そんなバカな…」
「馬鹿はお前だ。もっと自分の無能さを知れ」
大輝が俯いて、拳を握り締める。
「あの行動で、お前を警戒した奴もいるだろう。俺としては、お前と一緒にいることで、警戒されるというデメリットを受けることになった。つまり、もうお前はいらないわけだ」
「そんな…!」
顔を上げた大輝の顔は、後悔で歪んでいた。
自分のしでかしたことが、どれだけ馬鹿なことか、やっと気づいたようだ。
「だが、さっき言ったことを守れば、取り敢えず見捨てないでおいてやる」
「分かった、服従を誓うよ」
「違うだろ」
大輝が歯を食いしばる。対等だと思っていた本人としては、相当な屈辱だろう。
「服従します」
頭を下げる。体が震えている、嫌々なのが見て取れる。
いいだろう、その態度に免じて、今回は許してやろう。
「今後は黙って雑用でもしろよ。そうしたら、いい思いはさせてやるよ」
大輝は立ち上がり、頷いた。
「それとな。お前は馬鹿だから、タイミングというものを分かっていない。俺が手本を見せてやるから、しっかりと格の違いを認識するんだな」
大輝を連れてコンビニに行く。そして、ペットボトルの水を八本買う。
「水を買って持ってくなんて、やっぱり隼人は優しいんだな」
口調が友達のそれに戻った。まあ、いいだろう。
「優しさじゃないぜ。これがタイミングってやつなんだよ。頭を使って、先を読んで行動しろ」
水を大輝に持たせ、歩きながら一本ずつ蓋を開け、中に薬を入れ軽く振って溶かす。そして、蓋を閉める。それを半分の、計四本やる。
大輝は、俺の行動の真意が分からず、素っ頓狂な顔をしている。
準備が終わり、丁度いい感じに栄治と合流できた。
「ごめん待たせたね」
爽やかな笑顔を作って言う。優しい深山部長を演じてやる。
「結構みんな飲んだでしょ。悪酔いしないように…はい、水買ってきたよ」
ペットボトルの入った袋をみんなに見せる。
薬の入ってない水は、大輝、栄治、史也に渡す。
「開けてあげるね」
そして、薬の入っている水は、さも今、蓋を開けたかのように、女の子に手渡していく。
「深山先輩、優しい~」
女の子たちは喜んで、受け取り、水を口に運ぶ。
俺の好感度が上がり、計画も遂行できる、見事な手際。自分の優秀な頭脳が恐ろしい。
先程の俺の行動の真意が分からなかった大輝も、ようやく俺の考えが分かったらしく、合点のいった顔をしていた。
「二次会のお店も予約してあるよ。そして、移動のために、車も用意しといたよ」
「え!?」
みんなから驚きの声が上がる。まあ、当然だろう。
「深山先輩スゴ~い!」
「先輩さすがです!」
女の子から、次々と称賛の声が上がる。
「あのバンだよ。行こうか」
みんなを車に誘導する。
「え?人が乗ってる?」
車に近付き、運転席に人がいることを確認できると、女の子の一人が、困惑の声を上げた。
「ああ、運転手だよ。運転手付きでレンタルしたんだ」
「あ、そうなんですね」
不安そうだった顔が解消される。
「おいあれって…」
運転手のハンドルを握る手を見て、栄治が気付いた。
汚れ一つない、真っ白な手袋。運転手と言えば、違和感はないが、知っている人間には、見覚えのあるものだった。
「ああ、変装した川島だ」
川島のことは、飲み会開始から待機させてあった。そして、店を出た時に、電話で呼び寄せておいたのだ。
「気にするな。使いやすいから、使っているだけだ。俺たちの行動に口を出してくることはない」
「そうか」
栄治も史也も大輝も、俺と川島の関係は見ている。特に疑問も持たないだろう。
不安の解消された一同は、疑うことなく車に乗り込んだ。
「廃病院に向かえ」
助手席に座り、川島に指示を出す。
「いいのですか?」
川島が心配して意見してくる。
「ああ、問題ない。いずれ彼女らは、意識が朦朧とする」
「分かりました。出発します」
川島はそれ以上何も言わず、車を出した。
「あー…うーん?」
女たちが、言葉にならない声を上げる。
「お、おい、大丈夫かよ?」
大輝が女たちの様子を見て、狼狽える。
「大丈夫だ、意識が朦朧として夢の中みたいなもんだ。第一、大輝、お前が使った薬と同じだぞ」
「え?」
大輝が困惑する。自分がどんなことをしようとしたのか、今実感したようだ。
こいつは、自分の行動に責任も持てないのか。そして、根性もない。
「着きました、深山様」
「おいおい、ここって…」
いつも冷静な史也が取り乱す。こいつにしては珍しいな。
「そう、黒影山病院。噂の廃病院さ」
「大丈夫なのか?」
「おいおい、まさか幽霊を信じてるわけじゃないよな?あれを考えたのは、お前だろ?」
栄治の心配の声に答える。大丈夫かとか、どの口が言ってるんだ。
「自分が相手にしたい女を担げ。川島、お前は余った女を担げ」
「かしこまりました」
思い思いの女を担ぎ、みんなで病院へ向かった。
「暗いな、ちょっと待ってろ」
病院に着くと、俺は配電盤を操作し、明かりを点ける。
「え!?」
病院内が一気に明るくなり、一同、驚きの声を上げる。
「電気通ってるのかよ!しかも何だこれ、本当に廃病院なのか?」
史也が周りを見回して感嘆の声を上げた。
病院内は、清掃が行き届いており、実際に稼働している病院と変わりがなかった。
「ああ、今日清掃入れたからな。綺麗じゃなかったら、クレームもんだ」
俺は答えた。三人とも理解が追い付いていない顔をしている。
「取り敢えず、そこの病室に入るぞ。詳しい話はそこでしてやる」
三人は頷き、病室に入った。大部屋でベッドが四つあった。
当然、全部屋のベッドも清掃済である。
「まあ、座れよ」
各々、ベッドに女を寝かせ、その傍らに座る。川島は、俺のベッドに女を寝かせた。
「川島、お前は車で待機してろ。寝てても構わないが、俺が指示した時に、直ぐに出られるようにしておけよ」
「かしこまりました」
川島は一礼すると出て行った。
「さて、聞きたいことは山ほどあるだろうが、先ず、一番気になっていることを話そう。この廃病院だが、俺が買い取った」
「えぇ!?」
「はぁ!?」
「嘘だろ!?」
三種三様のリアクションを見せてくれる。その反応を見られただけでも俺は満足だな。
「率直に言おう。これから俺は、欲望のままに女を抱こうと思っている。でも、そのためには場所が必要だ。今までみたいに、誰かの部屋や、ホテルとかでは足が付きかねない」
「まさか、そのために、この病院を買ったのか?」
史也が、何とも言えない表情で質問してくる。いつも冷静な人間のこの表情は何だか面白いな。彼の思想を出し抜いたという優越感は快感ですらある。
「でも、何でこの病院なんだ?」
「カナコさんの噂のおかげで、奇特な人間しか、ここには寄らないわけだ。そもそも、こんな山奥、余程の変わり者しか来ないだろう」
「まあ、確かに」
一同が頷く。
「小さな病院とはいえ、病院と名乗る以上、入院用のベッドがある。ホテルと変わりないわけだ。使い勝手はいいだろう?」
言葉を止めると、静まり返る。俺の次の言葉を待っているというよりも、考えているようだ。
「でも、今までだって、好き勝手に女を抱いてきたじゃねえか。何で急に、病院買ったりとか、大それたことをし始めたんだ?」
栄治の疑問は当然だった。今まで通り、親父に後始末をしてもらっていれば、何の変化もなく、同じことを続けられる。
「納得のいく回答じゃないかもしれないが、自分の人生をエンジョイしたかったんだ」
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
俺の言葉を聞き、栄治が大笑いした。。
「いよいよ親離れって訳だ!」
「お前、馬鹿にしてるのか?」
「馬鹿にしてねえよ。俺は知ってるんだぜ。隼人が親父に抑えつけられてきたことを。そして、最近それを打開できたことも」
栄治は俺に歩み寄り、肩を強く叩いた。
「いいね、そういう本能のままに動くのは!そう思わないか?」
「ああ」
「まあ、そうだな」
栄治に問いに、二人が応える。
「だが、一つ問題がある」
三人の顔色が変わる。
「今までみたいに、問題を親父が後始末をしてくれることはなくなった。この病院を買ってもらうための、交換条件だ」
「なるほどね。本当に自立ってわけだ」
栄治が頷きながら言う。
「でもさ、隼人のことだから、親父がそう言ってくることも、予測できてたんじゃないか?」
「ああ、そうだな」
さすが、史也は鋭い。
「こうなることが分かった上で、計画を立てていた」
「やっぱりね。それで、その計画っていうのは?」
「見てくれよ」
史也の質問に、天井を指さす。
一同が、俺の指した方向を見る。
「カメラ…か?」
大輝が確信を持てない風に言う。
「そう、カメラだ。これは俺が付けた」
次に、スマホを取り出す。
「もう俺のスマホにはインストールしてあるが、このアプリで、カメラの映像を見ることができる」
スマホ画面を三人に見せる。スマホの画面には、俺たち四人の姿が映し出されていた。
「おー、すげー」
大輝が物珍しそうに声を出す。
「ペットカメラみたいもんか?」
「そうだな。しかも録画もできる。お前たちもインストールしといてくれよ」
「わかった」
全員、スマホを操作し、早速インストールを始める。
「このカメラで、俺たちの情事を記録する」
「は?」
同時にスマホから顔を上げ、困惑の色を見せる。
「いや、普通に自分のセックスを記録されるのは嫌なんだが」
栄治の発言はごもっともだ。
「まあ、聞けよ。この記録を脅しの道具に使う」
俺はベッドに寝かせた女の体を触りながら言う。
「女どもとヤった後に、その動画を突き付けて、金を脅し取る。ヤればヤるほど金になる。最高だろ?」
「そいつらが、脅しに屈しなかったら?俺たちを訴えてきたら、どうすんだ?」
栄治の疑問は当然のものだ。
「容赦なくばらまく。死なばもろともだな」
最悪、捕まる可能性のある、結構ザルな計画だ。伸るか反るかは運次第ともいえる。
「俺は隼人に服従を誓ったんだ、乗るぜ」
大輝が、いの一番に手を上げる。こいつが直ぐに乗ってくるのは意外だった。
そして、自ら俺の元に下っていることを宣言した。無能だと思っていたが、意外にこいつは従順なのかもしれない。
「まあ、いい思いさせてもらってたし、今までやってきたことだって、同じ犯罪だしな。今更降りても仕方ないだろ」
栄治も同意する。
「今降りたら、今までのことを隼人に暴露されて、一人だけ捕まりかねないからね」
笑いながら史也が言った。
これで、全員俺の計画に乗ることが決まった。
「それにな、もう一つの計画もあるんだ」
「もう一つ?」
今まで話したことが全貌だと思っていたのだろう、栄治が意外そうに声を上げる。しかし既に、もう一つの計画も実行されている。
「あ、肝試し」
史也が気付いた。さすがだ。
「そう、肝試しの舞台はここだ。その時に残りの女も頂いちまう」
「すげーな、そこまで考えて催し物を開いたのかよ!」
大輝が称賛の声を上げる。
「言っただろ、先を見据えて行動しろってな」
「有言実行…敵わないぜ」
大輝は完全に俺のことを上だと認識したようだ。他の三人の視線も、それに類するものがあった。
俺は気分がよくなり、手を広げる。
「さあ、取り敢えず、今日は楽しもうじゃないか」
女の服を乱暴に脱がせて、乳房を揉む。
「う…あぁ……」
女が呻く。その目は虚ろだ。自分が何をされているか、全く認識できていないだろう。
「これから、女の体は、俺たちの欲望を満たし、その行為は金になる。女の肉に感謝して、貪り食おうじゃないか!」
声高々に宣言した。気持ちが高揚するのが分かる。
「さあ、俺たちの謝肉祭の始まりだ!」