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女神より神

ーカナタ達が部屋に行った後の大部屋ー


「エリナ、可哀想なことしてやるなよ」


トーマスはゴードンに飲み勝っていた。ドワーフ達とは決着が付きそうにないので勝負はやめて好きに飲む事に。


「うん、あそこまで頑なだと大丈夫かしら?」


「お前、能力使ったのか?」


「カナタくんには前から何度か使ってるわよ。でもぜんぜん効かないし、見せても挑発に乗らないし、女としての魅力も無いかと自信なくしちゃうわ」


「まぁ、コントロール出来ないシンシアと違ってちゃんと使えるお前がそう言うならそうなんだろうな」


「カナタさんは私のことなんて女としてすら見てくれません」 


「当たり前だ。エリナで無理なんだからハーフのお前の力が効くわけないだろ。それに諦めろと言っただろ?」


「トーマスよ、なんの話じゃ?」


「あぁ、まぁあんたらとはこれからも叶多を通じて繋がりが深くなるだろうから言っておく。ドワーフでちゃんとしてる職人は俺も信用しているからな。エリナは魔族で、シンシアは魔族とのハーフだ。エリナは戦闘能力はないが魅了チャームの使い手だ」


「ほう、エリナよ、貴様は何歳じゃ?」


「22歳よ」


「その上は?」


「300かな」


「ワシ等より年上か。そりゃ能力も強かろう」


「魔族と聞いても敵意を抱かないのね」


「こういうのはなんとなしに分かるもんじゃ。魔族にも色々とおるからの」


「ふふ、カナタくんが繋がり持ってくる人は不思議ね」


「まぁ、あいつは初めから不思議な空気を纏っておったからの。あいつが敵意を抱かないのなら問題ないじゃろ」


「シンシア、カナタくんは諦めなさい。好きな気持ちは消えないかもしれないけど、カナタくんに避けられるのと仲間や兄妹みたいだけど今まで通りに接してくれるのとどっちがいい?」


「さ、避けられる?」


「そうよ。女として近づいたらカナタくんはあなたを避けるようになるわよ。だって面倒臭いもん」


「面倒臭いってなんですかっ」


「当たり前でしょ。カナタくんは私の魅了チャームが効かないほどクロノに惚れてるの。その上、禁欲生活を余儀なくされてんのに誘惑にすら乗らない。そこに好き好きオーラ出された女の子に近寄られても面倒なだけよ」


「それは初めから・・・」


「カナタくんはシンシアが子供だからだと受け流してたけど、あんた成人したでしょ?これからはそういうわけにはいかなくなるのよ。一か八か迫ってもう会えなくなるか、仲間として接して今まで通りの関係でいられるか決めなさい」


「・・・分かった」 


「ま、そういう思いも悪くないものよ。そういうのが女を育てるからね。いい女になりなさい」


エリナは大人の女性としてアドバイスをちゃんとしてあげた。


「トーマスはエリナと昔からの知り合いか?」


とドグが切り出す。


「ちょっと、聞いてくれる?トーマスは初め私にメロメロで」


「やめろっ」


「ふふふっ。いいじゃない。花束持って来た事とか内緒にしておいてあげるし」


「内緒にとか言いながらバラしんてんだろうがっ!」


「後はねー、」


「やめろって言ってんだろがっ。俺がカナタぐらいの歳の頃の話だろうがっ」


「ふふふ、これ以上バラされたくなかったら死ぬまで私を養ってね」 


「ちっ、こんなことならあん時に討伐しとけば良かったわ」 


「まぁ、酷いこと言うわね。トーマスったら、討伐されかけた私を・・・」


「だから言うなって言っただろうかっ。この場で討伐すんぞ」


「そんなこと言うの・・・。トーマス・・・。私が嫌いなの・・・?」


カーーっと赤くなるトーマス。


「はっ!てめぇっ!今、魅了チャーム使いやがったな。男の純情を踏みにじりやがって」


と、エリナに飛びかかろうとするトーマス。


「キャアっ、トーマスに犯されるっ」


「やめろバカッ。大声でそんな事を言うなっ」


トーマスとエリナは結構お似合いの二人であった。




ー叶多達の部屋ー


雷が怖いというクロノを自分と一緒に布団でくるみ、その雷を見ていた。これは雪おこしというものだろう。それが証拠にチラホラと降ってた雪がアラレになり、ダーーーッと降ってくる。


「落ち着いたか?雷ももう鳴り止むと思うぞ」


「うん。こうやって後ろからぎゅっとされてると怖くない」


・・・

・・・・

・・・・・


「綺麗だった?」


真っ赤な顔をしてそう聞くクロノ。


「うん」


「上書きされた?」


「うん」


叶多はクロノを後ろからぎゅぅぅうと抱き締めていた。



翌朝、クロノは叶多を見るなり赤くなるので記憶があるのだろう。


「お早うクロノっ」


「あ、うんお早う」

 

朝食は大部屋で食べる。


焼き魚の和定食。ちょっとベリーカからこっちへ引っ越そうかと迷う。ハポネは飯の好みが合って居心地が良いのだ。


「今日はどうする?」


「雪だからどこにも行けんな」


「なら、雪で遊べる所に行くか?カナタならすぐにいけるだろ?」


「どこに行くの?」


「スキーって分かるか?」


「え?スキー場なんてあるの?」


ということで本日はスキーだ。


飯食った後、大浴場で朝風呂に入ったら出発することに。



ー女風呂ー


「えーーーっ、裸で抱き合った?それでも何も無かったの?」


「だって、カナタがエリナのポヨンを見た記憶がずっと残ってるの嫌だったんだもん」


「で、見せたの?」


「うん」


「その後は?」


「いきなり雷が鳴ってビックリしてカナタを抱き締めちゃったの」


「で、生ポヨンをカナタに押し付けたわけ?」


「うん」


「で、カナタくんはどうしたの?」


「そのままぎゅぅぅうって抱き締めてから終わり」


「かーーーっ。そこまで我慢出来るなんて神よ神。カナタくんはあんたより神なんじゃない?」


「私より神って何よ?」


「そこまでされても我慢出来るならもう大丈夫かもね。カナタは神よ。我慢の神」




ー男風呂ー


「カナタよ、お前本当に大丈夫か?エリナにはもうやめろと言っておいたけど」


「う、うん大丈夫」


「こっそりと俺が連れてってやるぞ」


「いや、本当に大丈夫だって」


「しかし、カナタよ。それを続けてたら本当に出来んようになるぞ」


「マジで?」


「そういうのは精神にダメージを与えていくからな。悪いことは言わん、俺に任せとけ」


「いや、もしそうなるなら、他の人とはイヤかな」


「ったく、ならさっさと強くなって魔王を倒しちまえ。この旅行が終わったらお前個人の特訓と連携の特訓だ。毎日そんな気が起らないぐらいしごいてやる」 


「そうだね。よろしく頼むよ」


「カナタはまだ武器を作りに行っておらんじゃろ」


「よくわかんないからね。この前初めて短剣使ったけど、上手く刺さりもしなかったし」


「当たり前じゃ。刺す腕も場所も悪けりゃそうなるわい」


「その武器屋は魔法使い用の杖とかも作れんのか?」


「当たり前じゃ。武器と防具ならあいつに任せとけ。この旅行が終わったら一緒に行ってみるか」


「おぉ、頼む。シンシアにもちゃんとした杖を持たせないとな」



みな風呂から上がって、スキー場へと移動した。


山の上に着くと見事なまでの銀世界。


「ここで好きな物を借りるんだ」


叶多はスキーをやってみたかったが、クロノがいるのでソリにした。これなら二人で遊べる。


他は全員スキーだ。ゴードンが皆に手解をしているなか、叶多はクロノとソリ遊びを始めた。大人でソリに乗ってるは子連れのみ。他は子供だけだ。


「キャーーっ」


大人二人のソリは結構スピードが出る。叶多はクロノを後ろから抱えるようにして滑るが、クロノが暴れるのでぶっころんだ。


ゴロゴロ


「だから暴れんなって」


「だって怖いんだもん」


仕方がないので、雪だるまを作ったり、雪投げして遊ぶ二人。


そしていつの間にか子供達参戦。


「ほらーっ!イチャイチャカップルをやっつけろーっ」


悪ガキの男の子が先導して雪を投げて来るので応戦だ。


「悪ガキ退治だ。クロノ投げろっ」


「エイッ」


ガスッ


「なんで俺にぶつけんだよっ!お前神器はちゃんと投げられただろうがっ」


ブッ


「ヤッタァ!」


後ろからはクロノにぶつけられ、前からは子供達にぶつけられる。


「やりやがったなてめえっ。そりゃあっ。クロノ、お前は雪玉作れ。俺が投げるっ」


クロノはせっせと雪玉を作る。


「必殺、マシンガンっ」


ドドドドドっと両手投げをする叶多。


「みんなっ!やり返せっ」


更に集まってくる子供達。雪玉がアラレのように降ってくる。


「ワープっ」


叶多達の前から雪玉が消える


「わっ、雪玉が消えた」


「わっはっはっはっ。見たかっ!大人の力を」



ゴスッ


「痛って」


「お前、子供相手に能力使ってんじゃねえっ」


ブッ


トーマスはたかが雪合戦にワープスキルを使った叶多を注意していたところに雪玉を食らった。


「クソガキめっ」


トーマス参戦。


「わーっ、楽しそう」


エリナ達も参戦した。そしてシンシアも参戦。


「アイスウォール」


シンシアは氷の壁を出して防御している間にトーマスが子供の横にでてマシンガン投げ。


「うわぁぁぁっ」


今度逆サイドから叶多がマシンガン投げ。


総崩れになる子供達。



それを見ていたザイルが


「何をやっとるんじゃあいつらは?」


「連携の特訓じゃねーな?初めて連携をとったにしては息があってるな」


叶多達は大人気なく、子供を殲滅していた。



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