コレクターの日常
「いつもの日の、ようにー。完璧な計画で、世界を回すー」
俺は、いつものように歌いながら、作業をしていた。
今日の作業は、土台作り。この土台の出来具合で、結構見た目が変わるから、集中力のいる作業だ。
「今回は、学校をモチーフにしようかな。それとも、プールとか。うんうん、プールが良いかなぁ」
そう口に出しながら、作業道具を棚から取り出して、さっそく作業を始める。
しかし、さっきから、うるさいなぁ。拘束してるのにじたばたされるとこっちが困るんだよなぁ。
「うるせぇぞ!」
聞こえるか分からないけど、大声を出して注意をする。けれども、隣の部屋からの騒音は鳴りやまない。
本当に面倒くさいなぁ。こういう時に静かにしない奴は、八割方処分するって決めてるんだけど、今回ばかりは、顔が顔だからなぁ。そういう訳にもいかないんだよなぁ。
しょうがないので、席を立って、隣の部屋に続く扉を開ける。
「ねぇ。うるさいって言ってるんだけど、なんで静かにしないの? 本当に面倒くさいなぁ」
そこにいる物に対して、注意はするが、その商品は、繋がれた鎖をがしゃがしゃと鳴らして、どうにかして逃げようとしてる。
「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ。聞こえない? 聞こえないのかな? 耳は塞いでないよね!」
俺は、商品に近づいて、顔を掴んで、耳元で叫んだ。これくらいしたら、大体の場合静かにする。
しかし、今回ばかりは、そういう訳ではないみたいで、未だに無駄な抵抗を続けている。
「うるさいって言ってるんだけど、聞こえないかなぁ。君はこれから売られるの! 分かったてないのかな? 分かってないのかなぁ!」
俺はしょうがなく、商品の腹あたりを何度も、何度も蹴った。ここまでして、ようやく動くことを止めて静かになった。それでも、最後の力を振り絞って、手の拘束を解こうとしている。
俺は再び、商品の顔を掴んで、
「ねぇ! 抵抗したってさぁ、しょうがないでしょ? なんで、抵抗しようとするのかなぁ。なんでなの! って聞いてるけど、答えられないもんね。口塞がれてるもんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね」
と、言ってあげた。そうして、顔から手を離して、一息間を開けて、商品に向かって腹に何度も、何度も、自分の拳を叩き込む。
「ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね」
俺は、拳に合わせて、謝った。そうしたら、二十回目で、ようやく抵抗を止めた。
あぁ、女って面倒だなぁ。




