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天才少年は魔法が使えないけれど、  作者: 阿田 雨
第一章
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第三十五話:対決


 アサは、力強く踏み込むと、こちらに飛び掛かってきた。


 その瞬間、マオは対抗するように、アサに向かって飛び掛かる。


 アンドも、自分の腕から、どこからともなく刀を取り出して、その手に握りしめる。


「ノイズさん、下がっててください!」


 ウツイは強く言い放つと、すぐさま杖をアンドに向ける。そのまま何かを唱えると、杖の先から何個かの火球を放つ。


 しかし、アンドは手に持った刀を、振り回し、その火球を全て切っていく。切られた火球は、アンドの左右に落ちていき、地面を少し溶かすと、そのまま消えていってしまった。


 ウツイは、一歩後ろに引きながら、再び魔法を使おうと、呪文を唱え始める。しかし、それと同時にアンドは一気に、ウツイとの距離を詰めていく。


 このままでは間に合わない。そう感じたウツイは、地面を蹴り、できるだけ距離をとろうとした。けれど、それよりもずっとアンドの速度の方が早かった。


 アンドは、どんどんと距離を詰めて、刀を振り下ろせば、その刀がウツイの肩から通る間合いまで近づかれてしまった。


 アンドは、刀を上に振り上げると、そのまま勢いに任せて、振り下ろそうとした。


 その時、後ろからノイズが、アンドに向かって走っていった。そのままアンドの腹を掴んで、奥に引き離そうと力いっぱい押し込む。


 アンドは、そのまま押し込まれていき、ウツイとの距離を強制的に離させる。しかし、アンドの姿勢が整い始めると、ノイズの力いっぱいの抵抗は、何も効いていないのか、後退が終わった。けれど、ノイズはその手を離すことなく、今も必死にアンドの体を押している。


 そんなノイズの姿を冷たく見守ったアンドは容赦なく、自分の刀を、背中が丸見えなノイズに向けて振り下ろした。


 その冷徹な刃は、肩から体内に入っていき、そのままノイズの体を貫いた。


 ノイズの口から、血があふれ出す。激痛がはしっているものの、痛みに叫ぶこともできないほど、その傷は深かった。アンドは、その刀を引き抜くと、ノイズの体をそこらへんの地面に投げ飛ばす。


 そのまま、アンドは体勢を立て直し、ウツイに再びの攻撃を仕掛けようと、視線をウツイに向ける。

 

 その時、ウツイはすでに杖をアンドの方に向けて、呪文を唱えていた。その杖の先には、つららのように尖った氷の塊が無数に浮いていた。そして、それらはアンドに向けて放たれていく。


 アンドは、再びそれらを切り落とそうとしたものの、それをしようとした段階で、それらは目と鼻の先にあった。


 氷の塊は、アンドの体に刺さると、刺さった部分から、氷が広がるように、アンドの体を包み込んでいく。アンドはなんとかして動こうとするも、何度も、何度も体に突き刺さっていく氷の塊によって、その試みは打ち砕かれていく。


 氷の塊が、全て放たれ終わると、アンドは遂に背中から倒れて、そのまま動かないでいた。


 そのころマオは、アサに向かって蹴りを入れようとしたものの、アサはそれを正面から受け止めた。そのままマオの足を掴むと、無情にも、横の壁に向かって、思いっきり、マオの体を打ち付ける。


 それは一回に終わらず、もう一度反対側の壁に打ち付ける。そして、地面に向かってマオの体を叩きつける。まるで、人の事をおもちゃか何かと勘違いしているかのようだった。


 マオは、痛みによってしばらく動けないでいた。何とかして、立とうと地面に手をつくも、力尽きて、そのまま地面に横たわる。


 アサは、元々は人とは思えないほど、爬虫類のようにごつごつした表面をした手で、マオの小さい片腕を掴んで、体を持ち上げる。


 マオは、その手を除けようと、何度もその手を、掴まれていない方の腕で叩くも、アサには何も響いていないようだった。


 アサは、そのままマオの事をじっくりと上から下まで確認すると、何かが気に入らないからか、マオを自分の後ろの方に投げ飛ばす。


 マオは、そのまま空中を何度も回りながら、最終的に、アサが先ほどまでいた部屋の壁に体を打ち付ける。そして、壁から、ずり落ちてそのまま地面に座り込むようになってしまう。


 アサは、そのままゆっくりと、ウツイのいる通路の方に歩いていく。


 マオは、その様子を片目で確認した。そして、一度大きく息を吸い込むと、壁に手をつきながら、何とかして立ち上がる。


「ああああああああ!」


 マオは叫ぶと、その両手が黒く燃えだした。その突然現れた黒い炎は、マオが作り出したと思えないほど、熱を帯びていて、憎悪が詰まっているようまそんな色をしている。


 そして、マオは一歩踏み込むと、そのままアサに向かって飛び掛かる。


 アサは、その殺意に気づいて、マオの方を振り返ると、再び正面から受け止めようと、その体をどっしりと構える。マオは、手を強く握りしめると、アサの顔に向かって、拳を突き出した。


 マオの拳はそのままアサの顔にめがけて、強く放たれる。その拳は、アサを捉えた。そのまま拳を振りぬくと、アサの体が何度も跳ねながら、投げ飛ばさる。そして、ノイズたちのいる通路まで来ると、その体は壁に打ち付けられる。そして、アサはそのまま動かなくなった。


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