第十九話:魔法テストは、
「もう無理だぁ」
ノイズは、自分の机の上で、つっぷしていた。
「全く、そんなんじゃ、これから生きていけないよ」
マオはそんなノイズの姿を心配そうな顔をして見ている。
「だって……。このあと、魔法テストが控えていると思うと、憂鬱でしかないよ」
「まぁまぁ。頑張ってお昼も頑張ろうよ。早くご飯食べようよ!」
「しょうがないな。食堂に行けばいいんだよな?」
「そうだよ。一緒に行く?」
ノイズは少し考えて、首を縦に振る。
二人は、一緒に席を立つと、そのまま食堂に向かった。
二人が食堂に着くと、すでに他の生徒たちで、溢れていた。二人は、食堂の入口で食券を購入し、長い行列に並ぶ。
「ねぇねぇ。あそこにいるのって、ウツイさんじゃないかな?」
マオはそう言って、奥の方の人を指さす。
「たしかに。そうだな。でも、なんか誰かに絡まれてるみたいだな。しかも、結構な人数に」
奥の方には、ウツイと、四人ほどの生徒がウツイを囲むように立っていた。
「なんだか、心配だよ。声をかけに行った方がいいのかな?」
「まぁ。大丈夫だよ。きっと。ほら。さっきまでの人たち居なくなってるぞ」
ノイズが、そう言うと、マオは再びウツイの方を見る。しかし、そこにはさっきまでの生徒たちは居なくなっていた。
「本当だ。何か落とし物を拾って、ウツイさんに渡してあげたとかなのかな?」
「多分、そんな感じだろうよ」
二人は、その状況を心配しつつも、列に並び続けるのだった。
そうして、二人は昼ごはんの乗ったトレーを持って、席に座る。
「なぁ、この後の魔法テストどうしようかな?」
「どうしようかなって、どういうこと? 何か困ったことでもあった?」
「……お前は、この前の入学試験の事は忘れたのかよ」
「えっ……。あぁー。なんかそういうこともあったね。」
マオは、忘れていたことを思い出したかのように、ノイズに話す。しかし、ノイズは未だに、あのことを引きずっていた。
「こうなったら、作戦を考えて、魔法テストに挑むしかないな」
「作戦! なんだかおもしろそう!」
ノイズの一言に、マオは釣られたかのように、興味があるようだった。
「任せろ。シャトルラン中に考えた、最強の作戦がある」
「ノイズは、シャトルラン中は、ずっと休憩してたけどね。しかも、ケミス君とこそこそ話してたでしょ?」
ノイズは、痛い所を突かれて、決まりが悪そうな顔をするも、それを無視して話を続ける。
「まず、僕が杖を伸ばしたタイミングで、マオがそれに合わせて、僕の杖の周りにいい感じの魔法陣を表示させる」
「そうしたら?」
「そうしたら、僕が、さっき書いたこの魔法陣を書いた紙を、先生から袖を使って、上手く隠しながら、マオの方に向ける。それに向かって、マオが魔力そのものを、矢みたいに、これに放つ。そうしたら、この魔法陣が起動して、僕が魔法を使った感じに見えるというわけだよ」
「なるほど! 確かにいけそう!」
ノイズは、マオのその一言に自惚れる。そうして、ノイズは、首を縦に振り、
「これでいくぞ! 作戦名は、能ある鷹は爪を隠しながらでも魔法は使える、だ!」
「何を言いたいのか分からないけど、かっこいい!」
「よし。それじゃあ、ささっとこれを片付けて、教室に戻るぞ」
「うん」
ノイズは、気合いが入っているのか、トレーを持つと、爆速でトレーを片付けに向かった。
しかし、マオはその場に立ち止まって、今回のテスト形式を思いだす。
「そういえば、今回のは、個別で呼ばれて、魔法を使う感じのテストだったけどなぁ」
マオは、頬に指を当てながら、ぼそっと呟いた。




